仮面ライダーBLACK SUNの全10話の感想《ネタバレなし編》

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10月28日からAmazonプライムビデオで配信が開始された『仮面ライダーBLACK SUN』の感想を伝えたいと思います。



目次

仮面ライダーBLACK SUN

『仮面ライダーBLACK SUN』が10月28日からアマゾンの「Prime Video」にて配信されました。先日ようやく全10話の鑑賞を終えたので、今回はその感想を伝えたいと思います。
感想の前に改めてこの『仮面ライダーBLACK SUN』について紹介します。
本作は「仮面ライダー生誕50周年企画」の一つとして、企画された作品で、1987年にテレビで放送された『仮面ライダーBLACK』のリブート作品となります。当時、『仮面ライダーBLACK』自体、テレビで6年ぶりとなった作品で、シンプルな「仮面ライダー』というアイテムを当時の表現方法でアレンジした作品でした。物語の本筋は「仮面ライダーブラック」こと「ブラックサン」と幼馴染の親友だった「シャドームーン」との戦いが描かれました。今回リブートされたタイトルの『BLACK SUN』はここからきています。そんな『仮面ライダーBLACK SUN』ですが、登場人物の名前やアイテムなどの名称で同じものは多く使われていますが、リブートどころか物語は全くといっていいほど別の作品となっています。なので過去作をしらない人はもちろん、過去作を知っている人も先の読めない展開が楽しめるかと思います。



まずは感想

正直、賛否が大きく分かれる作品だと感じました。タイトルで一応『仮面ライダー』とはついていますが、ヒーロー的な要素はほぼなく、西島秀俊さん演じる「南光太郎」も正義の味方ではありません。基本戦うのは自分の目的のためがメインです。そしてこの作品に関しての「怪人」も悪の象徴ではなく、予告を見ればなんとなくわかるかと思いますが、人間と怪人が共存している世界観となっています。そんでもって人間から怪人に対しての差別が横行しているという物語。人間にも怪人にもいい奴も悪い奴もいるという感じの物語になっています。
まず、個人的な感想はというとすごく面白かったです。少しずつ視聴しようと思っていましたが、一気に観続けてしまいました。物語の構成も面白く、過去編と現代編を交互に行き来しながら、物語の謎が解明されていくという構図となっています。本作のPrime Videoが設定するレーティングでは18+(成人向け)となっており、性的なシーンはほぼ皆無ですが、その分、グロ描写が容赦ないです。苦手な人は注意です。
戦闘シーンもスタイリッシュではなく、本当に怪人同士の殴り合いに近い戦いが多く、やたら噛み付いたりする場面が印象的でした。第1話でブラックサンは戦ったクモ怪人の腹から腸を引きずり出すシーンなどもあり、その後もブラックサンもシャドームーンも戦う怪人の首や胴を引きちぎって勝利するシーンが多いです。
物語の進行も結構読めなかったりする展開がありました。と、いうのは衝撃的な展開というよりも、「普通ここで助けに来るだろ」とか「こいつは死なないキャラだろ」っていう概念が一切なく、登場人物の全員が全員、どうなるか保証できない展開の連続でした。女子供関係なくです。そんな容赦ない展開で「え?」ってなっている間に全10話見終わってしまったという感じでした。
方向性としては大好きなので、すごく面白かったのですが、100点満点かというとそうではなく、個人的に気になった点もありました。細かいかもしれませんがそんな気になった点についての紹介します。

 

世界観について

前述の通り、この世界は人間と怪人が共存している世界で、怪人にたいする差別が横行しています。今回はこの「差別」をテーマとして強くあつかった作品でもあります。そういった観点や世界観やテーマは非常に面白かったのですが、この物語に登場する「怪人」がどの程度人間にとって脅威なのかがわかりづらかったです。主人公の二人やゴルゴムの幹部の怪人たちは明らかに他の人間と比べて、その戦闘力が高く、そのへんにいたらヤバイレベルですが、一般市民の多くのこの作品でいう所の「下級怪人」に関しては、顔などが変わるだけで特に脅威的な力を発揮することもなく、普通にピストルで撃たれて死んでしまったりしています。この「下級怪人」と「上級怪人」はなにがどう違うとそうなるのかが見ててわからなかったですね。
また、この下級怪人にいたっては、特殊メイクとかCGではなく、その動物の被り物を被っただけのパターンが多かったので、ちょっとしたことなんだけど、チープさを感じました。
それと、これはあくまで私の好みの問題なのですが、すべての『仮面ライダー』作品がそうではありませんが、この物語は現代(現実)の延長線上にある世界観ではなく、1972年にはすでに怪人が大量にいて、生活していたという設定だったので、他の作品と比べて若干冷めた感じで視聴してしまったというもの残念でした。

 

ヒロインの子

この物語のメインヒロインとなる平澤宏々路さんが演じる「和泉葵」がかなり印象に残りました。物語の冒頭で怪人差別撤廃を訴える少女として国連でスピーチしている所で登場した時は、大したキャラクターでもなく、顔もあまり可愛いとは思っていませんでした(失礼)。ですが、この葵と光太郎が出会ってからの彼女への印象が大きく変わっていき、存在感や演技力が素晴らしいと感じました。これまでこの女優さんのことを知らなかったので、少し調べたらまだ15歳とのこと。彼女の演技力がなかったら、作品全体の印象も変わっていたかもしれません。あまり演技力云々を言うことは普段ないのですが、今作についてはその存在感を強く感じました。

と、ネタバレなしの範疇での感想を伝えさせていただきました。注意事項として「グロ表現大丈夫」「登場人物の誰がどうなっても平気」「ハッピーエンドじゃなくても楽しめる」といった人にはすごくオススメしたい作品です。このどれかに引っかかるようだと、もう少し調べてから視聴した方がいいかもしれません。

今回は以上です。

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