ネタバレ注意！ペルソナ5タクティカ物語についてネタバレレビュー!

前回、ゲームプレイの内容について感想を書いた『ペルソナ5タクティカ』の物語の内容についてネタバレを含みながら感想をのべたいと思います。

ペルソナ5タクティカのストーリー

前回、クリア後レビューの際に、あらすじの冒頭だけ紹介した『ペルソナ5タクティカ』。今回はそこに登場する新キャラがどんな存在なのか？新しい異世界はなんだったのか？その真相と合わせて、物語に対する感想を書いていきたいと思います。
まず前回のレビュー記事でも書いた冒頭のあらすじについてまた書いておきます。

冒頭のあらすじ

3年生の真と春の卒業が迫った時期、怪盗団のメンバーはいつものようにルブランに集まっていました。つまり時期的は本編のエンディングの少し前ということになります。ルブランのテレビには最年少で総理大臣になると言われている「春日部統志郎」という政治家が失踪したというニュースが流れていました。もうすぐ訪れる別れを惜しんでる怪盗団でしたが、突然流れていたテレビの映像が乱れると同時に、店内にも大きな揺れ起こりました。揺れが収まって店の外を見ると、そこには中世ヨーロッパのような異世界が広がっていて、メンバーたちも怪盗服に変身していました。パレスやメメントスとも違った雰囲気の異世界にただ困惑していたメンバーでしたが、そこへ謎の兵隊が襲いかかってきます。

迎え討ち、勝利を収めた怪盗団でしたが、そこへ高笑いをしながらこの世界を支配しているという「マリエ」という女性が現れ、再び戦闘になりました。「マリエ」が率いる「レギオン」という兵隊の数が多く、徐々に劣勢となっていく怪盗団。そこへマリエが放った攻撃を食らって、ジョーカーとモルガナ以外の怪盗団のメンバーはマリエに洗脳され連れて行かれてしまいました。残ったジョーカーとモルガナも戦う力は残っておらず、危機一髪の所で謎の少女に助けられます。少女の名前は「エル」。この世界でマリエの支配に立ち向かう革命軍のリーダーをしていました。

エルは革命軍の戦いに協力する代わりに、仲間を助ける事に協力してくれる事になり、ジョーカーとモルガナとエルの3人で、仲間が捕らえられているという収容所に攻め込むこととなりました。無事敵軍を倒し、牢屋の中を見た時、そこにいたのは怪盗団のメンバーではなく、テレビで失踪のニュースがながれていた「春日部統志郎」でした。そこから怪盗団とエルと春日部統志郎はこの謎の異世界「キングダム」から脱出する事を目標に戦い続けていく事になります。

まずは異世界について

というのが、前回にも書いた冒頭のあらすじです。この今作の舞台となる異世界「キングダム」がなんなのか、しばらく謎は解けないままで物語が進むのですが、最初の「キングダム」のボスとなる「マリエ」の正体は、実は春日部統志郎の婚約者。異世界にきた統志郎は一部記憶をなくしている状態なので、最初「マリエ」が誰だかわからないのですが、真相がわかると同時に記憶も戻ってきます。現実世界のマリエは統志郎のことを自分の言いなりになる人形としかみてなく、あくまでファーストレディという権力がほしいがために婚約し、統志郎を慕うことなく、ただ上から命令する存在でした。そんなマリエが異世界キングダムでシャドウのような感じで登場するわけです。
さらに次のキングダムでは統志郎の父、その次のキングダムでは統志郎が学生時代に対立関係となった高校の教頭といった感じで、キングダム自体が基本的に統志郎と関係のある世界になっています。じゃあ、なんで統志郎に関係のあるキングダムが異世界として作られ、統志郎本人が異世界にいるのか？その真相はラスト、ラスボスの口から語られることとなります。

新キャラ「エル」について

基本的に最初キングダムで加勢してくれてからは、ずっと怪盗団と行動をともにする謎の少女革命家「エル」。彼女はこの世界の住人なのですが、姿形はこの世界の住人（人間のようで違う変な感じ）とは違いジョーカーや統志郎と同じ普通の人間の姿をしています。そのあたりをずっとフワっとした感じで物語が進むのですが、3番目のキングダムの記憶で、統志郎が高校時代、非常に親しかった先輩の女性と声や姿がそっくりだったことが判明します。当時、統志郎が通う高校で生徒や教師の弱みを握り、脅す事で自分の好きなように学校で振る舞っていた教頭と、当時の生徒会長だった統志郎とこの女生徒「夏原恵利」は対立し、二人は教頭の不正を暴く事に成功するのでしたが、予想以上に追い詰められて精神に異常をきたしたその教頭に夏原恵利は電車のホームから突き落とされ、命に別状こそありませんでしたが、健全な状態にもどれないほどの大怪我を追ってしまいます。その事がまだ統志郎のトラウマとなって記憶に蓋をされていたようです。

で。そんな先輩とエルがなぜそっくりなのかというと、エルは統志郎の中に生まれた統志郎の心を守る存在だったとのこと。ラスボスから狙われた統志郎が自らを守るために心に作った認知存在でシャドウでもあるとモルガナは言っていました。そしてその存在はなんと統志郎のペルソナへと変貌します。つまりエルの正体は統志郎が高校時代に親しく信頼していた先輩の姿をした、統志郎の心がベースで作られた世界に統志郎を守るために生まれたシャドウで認知存在でペルソナという、あの世界観で登場する特殊存在の全てを網羅したチート存在ということでした。しかもペルソナになったりエルに戻ったりもできるので、いろいろとなんかズルイ存在です。それでも物語の終わり、つまりキングダムから現実に戻る時には、統志郎の心に帰るという形で消えてしまいます。そこはかなり泣きそうにはなりました。

そんでラスボス

今回の事件の元凶となるラスボスが最後にその姿を表します。名前はサルマエル。姿は本編のやるだば音ほどではないにせよ、それなりに存在感のあるデザインになっています。サルマエルは大衆が安寧と平和を求める心から生まれた神で、革命のような荒事を起こそうとする人の心を一方的に否定する存在。サルマエルは統志郎の心の認知を元にキングダムを異世界として生み出し、議員である父の汚職を暴こうとするような、統志郎がしようとした革命の意思を砕こうとしていたのが目的。まあ、みんなどんな理由があっても争いごとはやめましょう。という考えに偏った感じで、戦いをするエルや怪盗団を否定する存在です。統志郎のトラウマのようなマリエや父親といった認知存在を統志郎にぶつけてその心を砕こうとしていたのですが、怪盗団やエルによって統志郎自らが戦うことを選んだため、ラスボスとしてその姿を現したわけです。

結果、全部「統志郎」の話

というわけで、事件の発端や、エルの存在、物語全体が今作の新キャラである春日部統志郎の物語となっています。話自体は面白かったのですが、『ペルソナ5』のタイトル作品としてはかなり小規模な物語となっています。ちなみに今回、怪盗団の面々が巻き込まれた理由は、実は統志郎がルブランによく来ていたという事実があったから、ルブランごと巻き込まれた・・・という感じでしたね。少しニヤついてしまったのが、ラスト付近でモルガナが「あと半年くらいはゆっくりしたい」みたいなセリフをいうのですが、その半年後の物語は「ペルソナ5 スクランブル」の物語となっているわけです。

DLCのことなど、まだまだ語りたいことがいっぱいあるのですが、今回はこの辺にしておきます。

今回は以上です。