改めて『水星の魔女』のパーメットスコアとは?データストームとは?

サブカル

以前に簡単に紹介した『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する設定である「パーメットスコア」と「データストーム」について、今回はもう少ししっかり紹介したいと思います。



目次

大人気『水星の魔女』

ファーストガンダムが放映されてから、その後の続編やアナザーシリーズなど、定期的に新作が制作されてきた『ガンダム』シリーズ。新作が発表されるたび、話題にはなり、ヒット作も多数存在していますが、現在放映中の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の人気はその中でもかなり高いものになってますね。まず女性が主人公というのがシリーズでは初めてこともあり、物語に多くの謎や伏線を忍ばせたのも作品の魅力になってるんじゃないかと思います。そんでもって、今作で一番素晴らしいと感じたのが、これまで何度か挑戦してなかなか成功しなかった(と思う)、新しいファンを取り込むことにようやく成功したということ。
『ガンダム』シリーズが人気があるのは確かなのですが、多くはファーストガンダム世代から続く古くからのファンばかりで、そういった人たちにウケる作品というのは、それまでのガンダム作品を見てない人たちにとって、高い壁となっていました。そんな中『水星の魔女』に関しては、女性が主人公という新しいイメージに加え、その主人公にも謎があり、ガンダムにも謎がありといった形でキャラクターだけでなく、物語も魅力的になったことで、それまで興味のなかったファンを獲得したんじゃないかと勝手に私は感じてるわけです。で。そうなるとせっかく新しいファンが増えたのに、専門用語ばかりだとよくわからなくなり、やっぱ見なくていいや・・・ととなりかねないため、ここで『水星の魔女』の世界の設定について、もう少しわかりやすく紹介できればと思いました。面白くても、作中の言葉がわからないとせっかくの作品の魅力も半減してますからね。以前、少し雑な感じで作品内に登場する「パーメットスコア」について紹介したんですが、思いの他アクセス数があったようなのと、どうやら物語に登場した「クワイエット・ゼロ」が、今後重要になりそうなのと、このあたりの設定に関係するようなので今回はもうちょっと丁寧に紹介したいと思います。



 

パーメットスコア

まず「パーメット」という言葉について。物語中「パーメットスコアスリー・・・(エラン風)」とか「パーメットスコアフォー!(ソフィ風)」というように、「パーメットスコア」という言葉のあとにそのランクを示すかのように数字を合わせて登場します。“だからそれなんだよ”と視聴しながらつぶやいてしまう人に向けて解説しますと、『ドラゴンボール』で悟空が使う「界王拳3倍」とか、『ワンピース』でルフィが使う「ギア4」みたいなものと思ってくれればオーケーです。・・・すみません、ちゃんと解説します。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する「パーメット」ってのは、この物語の時代、現実の我々からするとかなり未来で新たに発見された鉱物から発見された元素のことです。我々の現実には存在しない架空の設定です。この世界ではこの「パーメット元素」の一つ一つが、お互いに情報を共有する性質があるようで、モビルスーツや宇宙戦艦を始め、いろんな所で使用されているものです。現代でいうネットの4Gとか5Gの凄いやつみたいなイメージでしょうか。そんでもって、このパーメットを素材や推進剤に混合したり、人体にも流入し制御することで、医療技術GUND(株式会社ガンダムのメイン事業)やモビルスーツのGUNDフォーマットやガンビット(エアリアルが使ってるやつ)が登場したという背景があるようです。
そしてこのGUNDフォーマットを使用する際に、体内に入れるパーメットの量をランクで分けたものを「パーメットスコア」と呼ばれてるわけです。GUNDフォーマットをメインとしたモビルスーツであるガンダムタイプは、この「パーメットスコア」のランクを上げることで、性能が上がります。しかし、後ほど解説しますが、このパーメットは人体に流すとかなり悪影響があるようで、このパーメットスコアの数字が上がるごとに、ガンダムの性能はあがりますが、それと同時にパイロットにも負荷がかかってきます。
どんなことができるようになるかというと、「パーメットスコア2(ツー)」では、モビルスーツのパイロットの視野や四肢操作が機体と同調するようになるそうです。自分の意思で手足を自由に動かせるってことですね。ちなみにこの時点で人にはかなり有害なものになっているそうです。で、ここからやばくなってきて、「パーメットスコア3(スリー)」だとガンビットの遠隔機器が操作可能となります。しかし普通の人だと命をなくす可能性があります。でもって「パーメットスコア4」になるとモビルスーツの潜在性能を限界領域まで使用することができ、エランさんみたいな強化人士でさえ、命がやばくなってくるというわけです。物語の0話にあたる『プロローグ』ではプロスペラ(エレノア)の夫、ナディムが普通の人間なのにも関わらずこの「パーメットスコア4」を使用したことで、結果的に亡くなっています。

 

データストーム

そして「クワイエット・ゼロ」にも大きく関わってきそうなのが、データストーム現象。元々GUNDは人類が宇宙へ進出する際に、その身体機能を補う技術でした。

規模が大きくなければ、人体に害はなかった(プロスペラの右腕がGUND)のですが、GUND技術を軍事転用し、動かす対象が巨大なモビルスーツになると、膨大な情報が逆流し人体に悪影響を及ぼすようになりました。この現象のことをデータストームといいます。GUNDは機械と人の両方にパーメットを注入し、このパーメットで機械と人を繋ぐ技術です。その時、人体に流れるパーメットの量が大きすぎると息が苦しくなったり、最悪の場合、命を奪い取ってしまうんです。

前述の「パーメットスコア」を上げるとパイロットの頰や腕に赤い斑点のような痣が浮かび上がり、スレッタ以外のパイロットはみんな苦しんでいました。「パーメットスコア4」を使用したソフィは「心臓が痛い!息ができない!さっき食べたお菓子吐きそう!」とかなりシンドそうな様子でした。

 

アンチドート

「アンチドート」はパーメットの性質である情報の伝達を停止させる効果があり、人体とモビルスーツを妨害するシステム。ようするにガンダムを機能停止させることができるシステムです。元々『水星の魔女』の世界では、過去に無人機によるドローン戦争があったようで、その戦いに終止符を打ったのがこの「アンチドート」システムのようです。『プロローグ』に登場した「ベギルベウ」や第九話の決闘でシャディクが使用した「ミカエリス」やシャディクの取り巻きのシャディクガールズが使用した「ベギルペンデ」などグラスレー社のモビルスーツに搭載されているようです。ガンダムにとって天敵のようなシステムですが、第12話でソフィが「パーメットスコア4」を使用し、敵対していた「ベギルペンデ」撃墜した後、このアンチドートが有効なのは、「パーメットスコア3」までだと言っていました。『プロローグ』でナディムのルブリスが再び動き出したのはそういった理由で、地味に伏線があったようです。

 

スレッタだけが平気な理由

そして謎となるのが、なぜスレッタだけ大丈夫なのか?ということになります。これはスレッタが凄いのではなく(まだ何かあるかもしんないけど)、重要なのは主役機であるガンダムエアリアルの方です。エアリアルはスレッタになんの影響もなく余裕で「パーメットスコア」を使用しています。これまでの説明だとスレッタにも本来なら顔や腕に痣が浮かび上がり、苦痛を感じるはずなのですが、そんな様子は一切ありません。それどころか、第9話でスレッタが1機で6機を同時に相手して、エアリアルのシェルユニットが青く光って、エアリアルの中の誰かと楽しげに話しながら戦ってたあの「パーメットスコア6」まで到達しているわけです。「パーメットスコア5」でどんなことできるかわからないのですが、「パーメットスコア6」では前述のアンチドートをオーバーライド(上書き)するという驚異の能力を発揮しています。本来ならとっくに耐えられる状態ではないのに、なぜエアリアルだけがそうなのか。まあ、答えは第14話でほぼわかりましたが、このエアリアルに秘められた能力が物語で今後重要となる「クワイエット・ゼロ」に関係があるとプロスペラは話しています。今後に注目ですね。

 

ガンダムらしい設定

『水星の魔女』に関わらず、これまでのガンダムシリーズにはこういったモビルスーツが兵器となる理由が存在してきました。本来、人型巨大ロボットであるモビルスーツを兵器に使うなんて、戦術や効率を考えるとあり得ないわけですが、ガンダムシリーズは「リアルロボット」アニメ作品として、そうゆう部分になんらかの理由付けがされてきました。ファーストガンダムから続く宇宙世紀シリーズの通信を妨害してミサイルなどが役にたたなくなる「ミノフスキー粒子」や、『機動戦士ガンダムSEED』の核を無効化させる「ニュートロンジャマー」、『機動武闘伝Gガンダム』のパイロットと同じ動きをする「モビルトレースシステム」など何かしらの理由が存在し、そういった設定を見るのもガンダムシリーズの醍醐味だと思います。今回の『水星の魔女』では「パーメット」という設定があり、それが背景だけではなく、どうやら物語の根幹にも大きく影響しそうなので、まさにガンダムシリーズらしい設定をしっかり活かしているわけです。最終話までにこれらの設定があとどれくらい活かされるかで、物語の深みも今後でてくると思います。

いかがでしたでしょうか?設定とかカタカナが多くてよくわかなんないけど、『水星の魔女』は見ているという人がさらに好きになれるきっかけになったら嬉しいです。

今回は以上です。

 

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