『ザンキゼロ』は、スパイク・チュンソフトより2018年に発売されたゲームのタイトルです。本ブログでも何度か紹介しましたが、『ダンガンロンパシリーズ』のスタッフが制作した作品で、『ダンガンロンパ』同様の非常にストーリーが魅力的な作品です。ただし、私のようにハマる人もいれば、一部ではその尖ったゲーム性からクソゲー扱いする人も少なくないです。前回の記事をみればわかるとは思いますが、一人称視点のダンジョンRPGが大好きな私には最高のゲームだったのですが、ゲーム部分が合わない人は徹底的に合いません。しかし、前述のようにストーリーは非常に秀逸。いつか『ダンガンロンパ』のようにアニメ化するかと思ってたんですが、どうもそれもなさそう・・・。
というわけで、ゲーム性部分が合わなかった人のため、今回はこの『ザンキゼロ』のストーリーを何回かに分けてご紹介します。今回はPart1という事で、序章と登場人物たちの紹介メインの内容となります。
思いっきりネタバレとなるので注意してください。
目次
『ザンキゼロ』のあらすじ Part1 プロローグ
西暦2018年の夏の夜。出版社で働く青年、日暮ハルトはビルの屋上に1人で立っていました。とある事情から、人生に絶望してしまい、今まさにビルから飛び降りようとしていました。そして飛び降りる瞬間、ハルトはふと思ってしまいました。「世界なんて、終わってしまえばいい」。
女の子が呼ぶ声が聞こえました。ハルトはうっすら意識を取り戻します。女の子の声がはっきり聞こえるようになったハルトは、目を開け起き上がりました。するとそこは海とそして砂浜でした。夏の暑い太陽が照りつけていました。そして海には崩壊したビルが刺さっていました。
現実とは思えない風景に、ここが天国なのか地獄なのかわからなかったハルトに、右手が義手で、左足が義足の少女がここはガレキ島(じま)。そして彼女の名前は比良坂(ひらさか)サチカだと伝えます。この島の周りはすべて海で、この島からでることができないと言います。
彼女の言うことが理解できないハルトは、自分の持ち物を調べると、持ち物は一切なくなっていて、携帯などで日時や状況を確認することができません。途方に暮れるハルトにサチカは、ガレージでみんな待っていると無邪気に話します。状況もわからず、この後どうしていいかわからないハルトは、とりあえずサチカのいう“ガレージ”に向かう事にします。
ガレージの仲間
ガレージはハルトと同じくらいの年の男女が、サチカの他に6人いました。彼らはなぜかハルトの名前を知っていました。ハルトはここにいる彼らが、自分を誘拐してこのガレキ島に連れてきたのではないかと疑いますが、ちょうどそのタイミングで、ガレージにあったテレビが映ります。彼らの1人がこのテレビに流れてくる番組をみれば、なぜハルトの名前をしっていたのかがわかるといい、ハルトはテレビに映し出される映像・・・テレビ番組を観ました。
「エクステンドTV」
テレビには「エクステンドTV」というタイトルが映され、人間の少年と羊のようなキャラクターが二人で面白おかしい掛け合いをしています。少年の方がショウ、羊の方はミライという名前で、面白おかしい掛け合いをながらも、そのキャラクターたちは実は「世界が滅亡してしまったこと」、「人類の生き残りはハルトたち8人のみであること」、「8人が生き残れるように、エクステンドテレビから“人類再生ミッション”が毎回出されていること」と本当なのか嘘なのかわからない事を話を立て続けにします。そしてこの回でだされたミッションは「トイレを作ろう」というものでした。このひとつ前に出されたミッションが「最後の仲間、日暮ハルトをみつける」というものだったので、皆はハルトの名前を知っていたと言います。番組では、8人には「ペケ字キー」というものがあるので、この環境下でも生きていけると言っています。番組の最後に『人類の!明るいミライを!テラシマショウ』という合言葉を言って番組は終わり、テレビは消えました。
ペケ字キー
この番組が提案した次のミッションに取り掛かろうとしているメンバー達にハルトは、みんなはこのふざけた番組を信じているのか?と問いかけます。するとそのウチの1人におヘソを触ってみろと言われます。そう言われハルトは自分のお腹を確認します。すると確かに覚えのない十字型の金属の物体が埋め込まれていました。これがペケ字キーらしく、どうやらここにいる8人全員についているようです。ハルト以外の7人もハルトと同じように、気がついたらこのガレキ島に連れて来られていたといいます。番組では前回のミッションの報酬として、食料を準備したという言っていたので、メンバーたちは食料を探す人と、トイレを作る人で分担する事になります。ハルトは不審ながらも、もしこのメンバーが番組かなにかのスタッフだとしても、今はとりあえずテレビの内容に従うしか方法のはなく、サバイバル生活に付き合うことにします。
それぞれのメンバー
まずみんなと会ったガレージでカメラマンをしていたという「三花締(みかじめ)リョウ」という明るくて陽気な男に自己紹介をされました。陽気なイメージではあったのですが、彼は緊縛アーティストと自らを名乗り、紐などで人を縛りたくなったり、縛られたくなる衝動が起こるといいます。
いいやつそうでしたが、一風変わったその癖に少し引いてしまったハルトは、ハルトがくる前にミッションですでに作られたという水汲み場に行きます。そこには花屋で働いていたという、大人しく弱気なイメージの女の子「芒野リンコ」と会い挨拶をされます。リンコはこの状況がテレビ番組の企画かなんかだと思っていると言います。
その後、みんなが寝泊まりしているアパートの側を通ると、お腹をこわしたという高貴な態度でふくよかな女性「真白(ましろ)ユマ」、そしてユマを診察していた、医者で筋肉ムキムキだが陽気な男性「一葉(いちよう)マモル」とも挨拶を交わします。
最後にエクステンドTVが準備していた食料であるヤギを捕まえようとしていたのが、クールですが、棘のある言い方が多い農業をしていたという「玖保田(くぼた)ゼン」と明るく関西弁でしゃべる警察官をやっていたという「瀬戸内(せとうち)ミナモ」の二人とも挨拶を交わしました。
そしてすでに自己紹介を終えていたサチカ。ハルトを入れてこれで全員の8人です。
皆がいなくなり、サチカと二人きりになった時、義手で義足のサチカをハルトがサチカを気遣っていると、突然サチカの口調が冷酷に豹変し、薄笑いを浮かべながら、気遣ってくれたお礼に、サチカの「ペケ字キー」を見せてくれるといいます。サチカの豹変に呆気にとられていたハルトはサチカのペケ字キーを見ると、どうも皆と少し種類が違うようです。サチカに何が起きたかわからなかったハルトですが、他のメンバーが戻ってくると、先程までと変わらない無邪気なサチカに戻っていました。
クローン人間
無事トイレが完成し、食事の準備もできた所で、またあのエクステンドTVが流れます。次のミッションは「誰か一人のクローンを作ろう」というものでした。ここでショウとミライは8人について、衝撃的な事実を明かします。人類は現在ここの8人しかいなく、そんな滅びかけの人類を救う作戦が“人類再生ミッション”といい、それにはクローン人間が必要だと言います。そして皆のお腹にあるペケ字キーを使えば、クローン人間が作れると言います。しかし、ペケ字キーは死ななければとれず、取るとその人は死んでしまうとの事。つまりクローン人間を作るためには誰かが死ななければなりません。そしてハルトたち8人は全員すでにクローン人間だと言います。テレビの中でミライがメンバー達の死について心を痛めていると、ショウは『みんなすぐ受け入れてくれるよ、だってみんな自分の罪を後悔してるはずだから』となにかを知っているかのような発言をします。
夕食時、ゼンがこの中で誰か死にたい人はいるかと、みんなに問いかけます。動揺するメンバー達。その問いにそんなに決めたいなら、自分が死ねばいいのではないかと、ユマが返答します。そこでゼンはガラスの破片を使って死んでみせようとしますが、ミナモがゼンを止めます。ミナモはゼンの持っていたガラスを押さえるために、自ら手を怪我してしまいました。暗くなった雰囲気と、すぐに出せる答えではないので、その日は解散し、寝ることにしました。
次の朝、ハルトは自分にあてがわれたアパートの一室で目を覚まします。ドアの外でリョウがハルトを呼んでいるようでした。
話によると、島の西に廃墟の島が流れ着いたといいます。流れ着いてきた廃墟の島に行くと、そこはハルトには見覚えのある場所でした。そこはかつてハルトが出版社で働いていた会社のあった「真白ガーデンタワー」にそっくりでした。クローン作製については、いったん後回しにして情報収集のために廃墟に向かうこととなりました。
そこで前の晩に、手を怪我したはずのミナモの手が元に戻っている事に気が付きます。いくらなんでも回復が早すぎる。しかし、ミナモはその性格からか、あまり気にしていないようでした。
真白ガーデンタワー
そして、流れついた廃墟は、やはり「真白ガーデンタワー」だという事がわかりました。そしてメンバーの1人真白ユマは、タワーの名前にもなっている世界的な大企業体「真白グループ」総帥のひとり娘である事がわかります。未だにメンバー達は、今置かれている状況が、テレビ番組の企画や何かではないかと疑っていて、それでも一応、ミッションなどに付き合っていきます。そんな状況に耐えられなくなったリンコが「真白ガーデンタワー」の入り口に差し掛かった時、メンバー達に向かって帰りたくないのか、私は帰りたい!!と強くうったえます。
次の瞬間、そのリンコの背後に謎の大きな目が現れ、そこから触手のような物がリンコを襲い、リンコの胸が背中から貫かれてしまいます。ハルトは慌てて倒れるリンコを受け止めますが、ハルトの胸にも触手は刺さっていました。薄れゆく意識の中で、ハルトの腕の中にいたリンコが溶けていきました。そしてハルトも意識がなくなってしまいます。
ミッション達成
そしてハルトはまた目をさますことになります。目がさめたハルトは培養液の中に浸かっていて、体は子供になっていました。サチカに名前を聞かれ、自分がハルトである事を伝えると、サチカは『また会えたね、ハルト!』と無邪気に話します。
どうやらこれで「誰か一人のクローンを作ろう」というミッションはこれで達成されたようでした。
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