アニメ『鬼滅の刃』がパクリ?それともオマージュ?問題シーンを紹介

サブカル

海外で大人気作品のアニメ版『鬼滅の刃』のワンシーンが、過去のアニメ作品のワンシーンのパクリではないかとSNSでいろいろ炎上しているようです。そのワンシーンは以下のツイッターより。

左のムービーが、1994年に映画公開されたカプコン超人気対戦型格闘ゲームをアニメ化した『ストリートファイターII MOVIE』のワンシーン。バルログが春麗を襲うシーンですね、ちなみにこの作品の主題歌は今をときめく大女優、篠原涼子さんが歌った「恋しさと せつなさと 心強さと」。ま、そんな話はいいとして、右が『鬼滅の刃』のアニメ第14話で伊之助と炭治郎が戦うシーン。炭治郎と春麗はそんなに気になりませんが、確かに伊之助とバルログの動きは似ていますね。どっちもかぶりものをしているし。

 




 

パクリか、オマージュか

まず個人的な意見を言わせてもらうと、これくらい別にいいのでは?という感想です。これをパクリだと言い出してしまうとアニメ作品なんか作れなくなっちゃいますよね。これだけ多くの作品が制作されているんですから、何かしら似ているシーンはたくさんあると思います。その度に目くじらを立ててパクリパクリと言いだすと、どんな作品も何かしらパクってる部分は出てきちゃうのではないでしょうか。しかも20年近く前の作品を引っ張り出して、揚げ足取りのような事を言い出すのは、いちゃもんレベルのツッコミに見えます。今回、海外で話題になっているこのシーンは、確かに偶然似ているというワケではなく、意図して作られたシーンかもしれませんが、こういった場合、過去の有名な作品のシーンに対するオマージュという事もあります。オマージュという言葉は、最近いろいろ使われてて、本来の意味も曖昧になってしまっていますが、わかりやすく説明すると元々あった作品の描写やセリフ、設定などに敬意を払い、引用したり、似せたり、匂わせたりすること。詳細はわかりませんが、今回話題となっている『鬼滅の刃』のワンシーンを担当したスタッフが、過去に『ストリートファイターII MOVIE』のこのシーンを何らか表現したかっただけかもしれません。逆に言うとこれだけ前の作品にも関わらず、現在のしかもufotableの作画に匹敵しているということを考えると、『ストリートファイターII MOVIE』がいかに素晴らしい作品だったかということですね。いずれにせよ、このシーンが原因で作品の質を変えたりしているワケではないので、ガタガタ言う必要はないと思います。

 

前にもあった岩切りの件

『鬼滅の刃』に関しては、内容についてもパクリ問題がありました。それは炭治郎が修行の過程で、師匠である鱗滝さんから「剣で大岩を斬りなさい」という指示を受ける所。炭治郎は修行の末、この岩を切ることに成功し、無事最終選別に参加することができるようになります。一方、『鬼滅の刃』と同じ「少年ジャンプ」で30年前に連載され、最近新たにアニメ化された作品『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』でも、主人公のダイは修行の過程で、師匠のアバン先生から「剣で大岩を割りなさい」と指示を受け、そして同じようにダイは見事岩を切って、技を取得しています。そもそもパクリ云々の前に、「少年ジャンプ」の漫画の多くは、主人公が修行して強くなっていくので、その過程で岩を引っ張ったり、割ったり、切ったりして成長を示す表現が多すぎて、『鬼滅の刃』や『ダイの大冒険』に限らず、『ドラゴンボール』や『ハンター×ハンター』など岩や石を使った表現は被りまくっています。なのでこれをパクリだなんだというのはおかしい。なのですが、この時話題となったのが、『ダイの大冒険』が『鬼滅の刃』をパクっているという恐ろしい状況になっていました。前述にも紹介しましたが、『ダイの大冒険』は30年前の作品です。1989年に連載されています。『鬼滅の刃』は2016年に連載しています。どちらも修行のシーンは物語の序盤で描かれています。どう考えても『ダイの大冒険』の方が先にこのシーンは描かれています。でもパクったのは『ダイの大冒険』の方。なかなかなタイムパラドックスです(全然意味違いますが)。

この原因としては、『ダイの大冒険』が2020年になって、改めてアニメ化されたことにあります。『ダイの大冒険』は漫画が連載されていた1991年にも一度アニメ化されていましたが、当時で原作も未完であったため、アニメオリジナルのラストを早めに迎えてしまいました。そして2020年に今度は原作のラストまでを描くということで、新たにアニメ化されたわけです。2020年にアニメスタートということで、その頃はまさに世は『鬼滅』ブームの真っ最中。元々漫画があると知らない層が、あとでアニメがスタートした『ダイの大冒険』を見て、あのシーンはパクリじゃないか?ということになったワケですね。これをパクリと言ってしまうと、実際は逆で『鬼滅』が『ダイの大冒険』をパクったということになってしまいます。もっと言っちゃうと炭治郎が岩を切るのに1年半かかってるのに対し、ダイは1日で岩を切っています(笑)。

今回話題となった『ストリートファイターII MOVIE』との類似シーンですが、この岩を切るシーンを取り上げてない所を見ると、海外の人もまだまだですね。いずれにせよ、どちらの作品もそれだけ多くの人に注目されているということになります。特に『ストリートファイターII』は昔から海外で人気があり、おそらく黒歴史となった実写映画まで制作されています。今回取り上げられたアニメ版の映画は面白かったですが、実写版はいろいろ辛かった記憶があります。ちなみにこの実写版の『ストリートファイターII』の主題歌はハリウッド映画にも関わらず、CHAGE & ASKAが歌っていたりもします。気になった人は見てみてもいいんじゃないでしょうか。いろいろ辛いですが・・・・。

今回は以上です。

 

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