『∀ガンダム』と『Gのレコンギスタ』の時系列の問題について紹介!

サブカル

ガンダムファンの間では議論され続けているある問題があります。・・・まあ、そんなのばっかりでなので、特に珍しくはないのですが、今回はガンダムシリーズの生みの親である富野由悠季監督の2作品、『∀ガンダム』『ガンダム Gのレコンギスタ』の時系列について。度々話題にあがるこの件について、今回は詳細を紹介します。



まずは富野監督のガンダムシリーズについての紹介

ファーストガンダムである『機動戦士ガンダム』の監督である富野由悠季さんは、1979年に『機動戦士ガンダム』のテレビシリーズの後、1981年から同じく『機動戦士ガンダム』の劇場版の3部作を手掛けました。これが当時大ブームとなり、ガンプラが異常な売れ行きを見せました。その後、1985年に待望の続編『機動戦士Zガンダム』が放映され、その次の年にはそのまま続編『機動戦士ガンダムZZ』が放映。そして1988年に映画『劇場版 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で富野監督のガンダム作品は一度終わりを迎えます。
それからはOVAなどで他の監督がガンダム作品を制作していたのですが、1991年に劇場用の新作として『機動戦士ガンダムF91』の監督を担当。この時は前作の『逆襲のシャア』から約30年の物語が描かれ、それまでのガンダムシリーズとの関係性を一度断ち切った形になりました。そして1993年に再びテレビシリーズで『F91』のさらに30年後となる『機動戦士Vガンダム』を制作しました。その後は、富野監督以外の人がガンダムシリーズを制作していき、ファーストガンダムの流れの「宇宙世紀」を舞台にしたものや、まったく別の世界観のガンダム作品がつくり続けられていました。
そして2000年。数々のガンダム作品が作り続けられる中、ようやく富野監督が新たなガンダム作品を制作する事になりました。そのタイトルが『∀(ターンエー)ガンダム』。デザインや物語の内容など今までのガンダムとは一風変わった作品として話題になりました。そしてさらに時間が経過し、2014年にテレビシリーズとなる『ガンダム Gのレコンギスタ』が放映され、現在もこの作品の劇場版が5部作で展開中です。

 

『∀ガンダム』

『∀ガンダム』については以前、紹介していますので、詳細はそちらを御覧ください。今回ここで紹介したいのは『∀ガンダム』という作品内にある設定について。『∀ガンダム』の物語で使用されている年号は「正暦(コレクト・センチュリー=C.C.)」。富野監督なのに「宇宙世紀」ではありませんでした。『∀ガンダム』の物語の中では過去に大きな戦争があり、人が過ちを犯した時代として「黒歴史」という歴史が存在し、そういった時代の後の世界がこの『∀ガンダム』の世界となっていました。そして物語のクライマックス付近にて、「黒歴史」の全貌が明かされます。「黒歴史」は『機動戦士ガンダム』を始めとした「宇宙世紀シリーズ」の歴史だけでなく、それぞれ独立した世界観を持つ『機動武闘伝Gガンダム』の「未来世紀」や『新機動戦記ガンダムW』の「アフターコロニー」、『機動新世紀ガンダムX』の「アフターウォー」といった富野監督が制作に携わっていない作品の歴史も全てを「黒歴史」としてまとめられていたのです。ここでその後の作られていくガンダム作品はすべてこの「黒歴史」であった事として収束されていくようになりました。『機動戦士ガンダムSEED』や『機動戦士ガンダム00』、『機動戦士ガンダムAGE』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』もすべて『∀ガンダム』の過去にあった「黒歴史」になるという公式設定が出来上がりました。個人的に当時はかなり衝撃を受けたのを覚えています。

『∀ガンダム』放映当時の衝撃から大好きになってしまうまでの流れ!
今回はガンダムシリーズの中でも割と異質な作品。支持するファンも非常に多い『∀ガンダム』について紹介します。放映当時の衝撃などを交え、この作品魅力についてお伝えします。 (adsbygoogle = window....

 

『ガンダム Gのレコンギスタ』

『∀ガンダム』が集大成のような作品だったので、正直、富野監督が新たにガンダム作品を制作することはないと思っていました。しかし2014年に富野監督としては現在最新作のガンダムとなる『ガンダム Gのレコンギスタ』が制作され、テレビシリーズとして全26話が放映されました。とりあえず一旦説明します。気になる物語の舞台は『機動戦士ガンダム』などの「宇宙世紀」の次の年号「リギルド・センチュリー」で、機動兵器である「モビルスーツ」や宇宙世紀シリーズの特徴だった「ミノフスキー粒子」など共通の技術や設定が登場します。いかにも宇宙世紀と地続きのいような雰囲気と設定や演出などがあり、公式でもそれを発表していて、富野監督が描く宇宙世紀の後の物語として、古くからのファンの期待が高まりました。一部の新しいファンには富野監督の独特な名称などがわからず不評だったようですが、私なんかは特に気にならず非常に楽しめました。物語のクライマックスなどでは、宇宙世紀シリーズに存在した南米のジャブローっぽい洞窟が出てきたり、そこにズゴックなどの残骸が残っていたりと、古くからのファンを楽しませる演出もありました。『OVERMAN キングゲイナー』の後の作品だったためか、ガンダムシリーズながら作品の雰囲気は明るくなっています。現在テレビシリーズの26話を5部作に分け、劇場版が展開中。いつか『ガンダム Gのレコンギスタ』については、ちゃんと紹介したいと思います。というわけで、『ガンダム Gのレコンギスタ』は宇宙世紀の後という事で、『∀ガンダム』でいう「黒歴史」に含まれるということになります。

 

富野監督発言で混乱が始まった

上記の説明のようにサンライズもバンダイもファンも設定的に理解していました。しかし、2015年8月27日にガンダムカフェで行われたトークショーイベント「夜のGレコ研究会」に出演した富野監督とサンライズの『ガンダム Gのレコンギスタ』制作プロデューサーの小形尚弘さんのやり取りで、これまでの認識が変わり始めました。トークショーイベントで質問者が富野監督に「『∀ガンダム』を作られて、その後で『Gのレコンギスタ』を作られたわけですけれども、富野監督としては初めて時間を遡った作品を作られたわけですが、その点について何か心境を…」という質問について富野監督は「いやいやいやいや、逆です。『∀ガンダム』は『Gのレコンギスタ』より500年ぐらい昔の話です」と発言。そこにいた小形プロデューサーが「昔の話なんですか?」と慌てて質問すると「そうです」と返答。この返答に小形プロデューサーは「色々と整理したいと思いますので、来場者の皆さんは今日聞いたことは一旦胸の内にしまって頂いて。次の何かの機会に、しれっとそうなってる可能性はありますので」と答えていました。

 

そういわれると確かに

『∀ガンダム』の地球編で物語の舞台となる「アメリア」が、『Gのレコンギスタ』にも勢力の一つ登場します。放映当時はアメリカ大陸がこの『Gのレコンギスタ』の時代の「リギルド・センチュリー」の頃に変わったものだと思っていました。しかし、富野監督の話によると逆なので、『∀ガンダム』に登場した「アメリア」のその後が『Gのレコンギスタ』の「アメリア」ということになります。また『Gのレコンギスタ』には、第21話で登場する「G-ルシファー」という発表当時いかにもラスボス感のあるモビルスーツでしたが、実際には味方でしかも主人公と親しい女性キャラがチームで乗り込むという意表をついた機体が登場するのですが、この「G-ルシファー」が「∀ガンダム」や「ターンX」が使用した重要な兵器「月光蝶」を使用するシーンがあったのですが、この時はさすがに「?」と混乱したのですが、「そうか、この月光蝶が発展して後の∀ガンダムに使われたのか」と個人的に解釈していたのですが、富野監督いわく「有用な技術だから継承・保全されてきた」ということで、ここでも『∀ガンダム』の後の世界が『Gのレコンギスタ』だったという発言をしています。歴史の前後に関してそんなに多くは関わり合いを描いてはないものの、前述の富野監督の発言で描写の一つ一つも解釈が変わってきます。では『Gのレコンギスタ』のラストで宇宙世紀シリーズに存在した南米のジャブローっぽい洞窟が出てきて、そこにズゴックなどの残骸が残っていたのはどうゆうことかというと、『∀ガンダム』時代に昔のモビルスーツはやたらと掘りあさっていたので、いくらでも説明できてしまいます。そもそもジャブローだなんてだれも言ってませんし。多少設定的に無理はあるものの、『∀ガンダム』の後の時代が『Gのレコンギスタ』という説明が結構ついてしまうのです。

 

最終的な結論

トークショーイベントの際、富野監督は、『Gのレコンギスタ』と『∀ガンダム』を比較して「『∀ガンダム』は「ガンダムの総決算」的作品であり、その“次”をみせる「脱ガンダム」には行っていなかった。だが、今回の『Gのレコンギスタ』は「脱ガンダム」をすることができた」と話していて、公式設定が富野監督の見解と違う時系列を発表していたことについても「それはそれでいいんです。皆さんなりに“ガンダム全史”みたいなものを作っていたたければいい。その時には『Gのレコンギスタ』の位置付けが、今言った所(『∀ガンダム』⇒『Gのレコンギスタ』)に置いていただけたら嬉しく思います」と発言していました。結果として富野監督は“『Gのレコンギスタ』の方が後”で、サンライズの公式設定では“『Gのレコンギスタ』の方が前”という事で、あとは視聴者それぞれで位置付けすればいいんじゃね?みたいな感じですね。物語の中で明言されているわけでもないですし、そういった設定にこだわり過ぎると作品自体も面白くなくなりそうなので、最終的な結論はファンそれぞれが決めるというのが一番妥当なのではないかと思われます。たしかに今後制作される全部のガンダム作品のすべてがすべて『∀ガンダム』の「黒歴史」に含まれるのもつまらないですからね。ただ私個人としては、『∀ガンダム』の後の世界は平和であってほしいので、『Gのレコンギスタ』が黒歴史に含まれるという認識をこっそり持っていたいと思います。

おそらく拘る人は拘ると思いますので、どちらであっても納得できない人がでてきてしまうと思います。ただこういった討論ができるのもガンダム作品の魅力の一つではないかと個人的には思っています。

今回は以上です。

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