前回、日本作品でハリウッド実写化の最初の作品となった作品として『強殖装甲ガイバー』を紹介しましたが、内容や魅力についてのみの紹介で終わってしまいました。今回はそんな『強殖装甲ガイバー』の映像化された作品を紹介していきます。
目次
1986年の劇場公開版アニメ
劇場公開版として扱われていますが、元々はOVAとして制作された作品を小規模で映画公開されたという作品。『強殖装甲ガイバー』としては、初めてのアニメ化だったのですが、大筋は一緒(かな?)ですがかなり原作とは違う設定の作品となっています。まず主人公の顔が全然違くて、原作では重要なポジションの哲郎は登場しなくて、敵となるガイバーIIが女性だったりと、アニメ化のアレンジがエグいです。物語も単行本の1巻の内容がベースとなっているのですが、ガイバーやゾアノイドのデザインなど以外はほぼ別物としての印象がります。時代という事もあるのですが、戦闘シーンもバンクをたくさん使用していて、当時もうちょっとなんとかならなかったのかと思ってしまう内容でした。今からガイバーを知りたいって人は見なくても問題ない作品です。
1989年 OVA(第1期)
改めて1989年に再びアニメ化した作品。長編の一本で作られた前作とは違い、全6話で制作されました。前作とは違い、主人公の見た目や登場するキャラクターなどは、原作に近い形になっています。前作で女性になってしまったガイバーIIは、原作通りに男性のリスカー監察官になっていますが、顔以外ほぼガイバーIと同じデザインだったガイバーIIを、原作者の高屋良樹さんが新たにデザインし直しています。物語は単行本の第1巻がメインなのですが、第3巻以降に登場した超獣化兵(ハイパーゾアノイド)5人衆との戦いを混ぜるなど、原作で盛り上がったエピソードを混ぜてアレンジしてあります。個人的には映像作品のガイバーでは一番おすすめできる内容になっています。
1992年 OVA ACTII(第2期)
第1期が好評だったためか、1992年に続編となる第2期が製作され発売されました。単行本の2〜5巻の内容で、全6話。単行本の2〜5巻の内容なのですが、盛り上がりの一つの超獣化兵5人衆のエピソードを第1期でやってしまったのと、物語も途中で終わるため、なんとも消化不良な状態に。第1期でうまくまとまった終わり方していたのに、続編を作ってしまい未完になってしまうという、なんとも言えない状況に。このままレギュラー化してOVAが発売され続けるのかと思っていたのですが、このシリーズはここで終わりとなります。当時すでに漫画の方でも休載が多かったので、その後の物語を映像化するのは難しかったと思います。
1991年 実写映画化
そして当時驚きのハリウッドにて、『GUYVER』という名前で実写映画化されました。ハリウッドでの実写化なのに、そのニュースを扱ったメディアは、当時連載していた「月刊少年キャプテン」のみ。でもって「月刊少年キャプテン」がマイナーだったため、実は知らない人が結構いたります。日本の漫画が初めてハリウッドで実写化したというのに・・・。その内容は基本的には原作をなぞってはいるものの、ほとんどは映画オリジナルになっていて、さらにコメディテイストで作られていて、当時見て残念な気持ちになった事を覚えています。ガイバー自体のデザインは実写用にアレンジされていて、ガイバーIIとなるリスカーはゾアノイドになるなど、いろいろ変更されていて、割と大事な要素を簡単に消化してしまっているため、非常にもったいない作品になってしまっています。今ほど映像技術の進んでない時代なので、今みるとちょっと厳しいかもしれません。
1994年 実写映画化 2作目
そんなハリウッド版『GUYVER』のまさかの続編が製作されました。タイトルは『GUYVER DARK HERO』。この続編は、前作と違い、かなりシリアスな内容になっていて、アクションシーンも増え、面白い作品になってます。主人公の俳優さんも交代になり、前作のヒロインも早々に退場しますので、雰囲気はまったく別の作品のように見えます。基本的には原作のレリックスポイントの物語なのですが、この作品のオリジナルであるゾアノイドがユニットガイバーを殖装したガイバー・ゾアノイドという強敵が登場し、その戦闘がクライマックスで描かれ、映画として非常に面白い作品になっています。おすすめするなら、この2作目なのですが、1作目みないとなんでガイバーになったのかわからないため、非常に歯がゆい実写シリーズ。でも2作目は個人的にはおすすめです。
2005年 テレビアニメ
そしてとうとうテレビアニメ化されました。とはいっても民放ではなく、WOWOWで放送されました。全26話という立派な2クールでアニメ化され、単行本の10巻までの物語をベースに、ややアニメオリジナル要素や構成をしています。一部では批判的な意見も見かけることがありますが、漫画やこれまでの映像作品では割と序盤で倒されてしまうガイバーIIが、中盤まで生きているので、本来出会っていないガイバーIIIとの会話があったり、ガイバーの強化形態であるギガンティックが初めて映像化されるなど、原作を知っているからこそ、新鮮に見える場面が多々あり個人的には気に入っています。
以上が『強殖装甲ガイバー』の映像作品の紹介でした。原作漫画も止まっていますが、個人的には現在の映像技術で、一部設定を借りたくらいのオリジナル作品を実写で作ってほしいですね。作る人によっては非常に面白くなる具材だと思いますよ、ガイバーは。
今回は以上です。
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