ホビージャパン転売擁護問題!転売行為を「HJする」という隠語にまで

時事問題

先週末に、人気ホビー誌の『月刊ホビージャパン』の編集者が、ツイッターで転売を容認するようなツイートを行い炎上してしまいました。その後Twitterで「ホビージャパン」がトレンド入りするなど大炎上して、状況を重く受け止めた株式会社ホビージャパンでは、ツイートした編集者を退職処分にし、管理監督者も降格処分にしるなど、厳しい対応を行いました。しかしその後もこの勢いは収まらず、模型界隈では転売行為を「HJする」「HJる」「HJヤー」などの隠語にまでなっているといいます。今回は、この一連の騒動をまとめてみました。

目次

まず転売行為について

最近やたら見かけるようになったこの「転売行為」についての話題。そもそもなにが問題になっているのかを、念のため説明しておきます。そんなの知ってるよ!という人は先に進んでください。すみません。

少し前にコンサートのチケットなどでの転売で一時期ニュースでも結構取り上げられましたが、現在ではガンダムシリーズのプラモデル、“ガンプラ”がそのターゲットになっているといいます。例えば3000円のガンプラを購入して、メルカリなどのフリマアプリで4000円とかで売って、1000円の利益を得ようというのが主な動きですね。で、問題となるのがガンプラを転売目的で買い占める人がいて、本来欲しい人が買えなくなってしまうという所。売り切れでなくなってしまったけど、どうしてもほしいガンプラを、転売屋から買わなければ手に入らなくなってしまうのです。本来、ガンプラを愛しているファンが買えなくて、なんとも思ってない人たちが儲けてしまうのが感情的な部分も含めて、世間では疎まれています。転売行為自体は違法にはならないため、転売屋さんたちはその正当性を主張していて、ネットなどではよく議論され、時には炎上してしまうわけです。他にもガンプラに限らず、Nintendo SwitchPlayStation 5など人気のあるゲーム機もその対象となっていて、度々話題になっています。

ちなみにガンプラについての詳細は本ブログ内のHG?MG?RG?PG?どれがなんなの?ガンプラ各グレード解説!の記事を参照にしてください。

HG?MG?RG?PG?どれがなんなの?ガンプラ各グレード解説!
からガンプラに興味を持つ人達からすれば、バンダイの作ってきたブランドもかなり種類が増えていて、わからない人が意外と多いみたいです。ならばということで今回はガンプラのブランドの区別、そして解説をしていきたいと思います。

 

問題のツイート

今回のTwitterで問題になったのは、人気ホビー誌の『月刊ホビージャパン』の編集者が転売を擁護するようなツイートをしたことについてです。問題のツイートは現在消されているため、問題ツイートの画像をご覧ください。

※ツイート内容を抜粋

「ん??よくわかんない。転売して売れてるから、メーカーは潤ってるんじゃないの?」

「うーん…転売問題が難しいところは、転売されて困るのが一部のユーザーだけってことで、ものは売れてるからメーカーも小売りも問屋も売り上げがしっかり立つから、業界的には安泰なんですよ。逆に、いつでも買えて割引ガンガンのかつての状況って、店舗が死ぬので、業界へのダメージもデカいんです。」

「かつて行われてた模型3割引き販売は普通の店舗には激烈に痛い。あんなことができるのは薄利多売の大型店舗だけ。HGを売って売って売りまくって200とか300とか売って粗利数万。しかもそんなに売れるのは主役機だけ。スケールなんてその1/100くらい?ユーザー優先な状況が必ずしも良いとは限らない。」

「転売を憎んている人たちは、買えなかった欲しいキットが高く売られてるのが面白くないだけだよね?頑張って買えばいいのでは?頑張れなくて買えなかったんだから。頑張って買った人からマージン払って買うのって、普通なのでは。」

『月刊ホビージャパン』は50年を超える歴史のある古くから模型ファンに愛されている雑誌。私も愛読者の一人です。常に最新のホビー情報を発信しながら、最新キットを使用したプラモデルの作例などを紹介しています。その誌面からはハウトゥ記事や、模型の楽しさなど伝え方が非常に上手で、この『月刊ホビージャパン』を読んで、欲しくなったプラモデルもいっぱいありました。これはこちらの勝手なイメージかもしれませんが、常にその立ち位置はファンの側にいるような雑誌に感じられました。今回問題となったツイートはファンが頭を悩ませている「転売行為」についての援護となったため、炎上したというわけです。本来、ファンと同じ側にいると思われた所からの転売擁護だったため、ただの転売擁護のツイートとはその意味が全然違うわけです。さらに注意すべきは、このツイートは入社13年目の38歳の正社員の編集者によって書かれたもの。最近減りましたが、たまに起こって炎上している“バイトテロ”とは質が違います。メーカーや業界では表には出さないものの、転売擁護がもしかしたら常識となっているのでは?という疑念も生まれてしまいます。

https://twitter.com/itod110/status/1418610831906938886?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1418610831906938886%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_c10&ref_url=http%3A%2F%2Fblog.esuteru.com%2Farchives%2F9731042.html

その後、『月刊ホビージャパン』はTwitterにて謝罪したものの、批判の声は止まず、ついに昨日、7月26日にツイートした編集者を退職処分にし、管理監督者も降格処分にしるなど、厳しい対応を行いました。これにはさすがにやりすぎなのではないかという意見もありましたが、大ごとになってしまった以上、ホビージャパン編集も何かしらアクションをしなければならなかったのではと思います。

そして模型界隈では「HJする」「HJる」「HJヤー」という転売行為の隠語が定着し始めているといいます。私として大好きな雑誌なだけに、非常に残念です。

 

転売行為の正否

さて、依然として転売行為についての正否が議論されていますが、今回の『月刊ホビージャパン』のツイートにあるように、転売してもものは売れてるからメーカーも小売りも問屋も売り上げがしっかり立つから、業界的には安泰という意見があるのですが、その意見に対する興味深い書き込みを見かけたので、紹介させていただきます。

AB欲しいゲームがあったとする、両方5000円 購買者には予算が1万円ある
転売屋が買い占めて転売価格1万円になったとする、ユーザーは仕方なくAに1万払って1本のゲームを買う

この時点でメーカーに支払われる金額は半分になる、本来なら2本買ってもらえるはずの金額が1本しか買ってもらえないから
「転売屋が2本買ってるとからメーカーの儲けは同じ」というのは嘘

「嘘」の証明
次の月 欲しいゲームCDが発売される、両方5000円 予算は今月も1万円
また転売屋が買い占めて1万円になる、ユーザーはBCDやりたいが予算が無いのでBを1万円で買う
この時点でメーカーに入るはずの4本分の儲けが2本しか入ってない事になる

これが繰り返された結果どうなるのか?、短期的に見れば売上は転売屋が買うから変わらんが、ユーザーは予定の半分もゲームを買えないプレイできないのである
「ユーザーが離れている」と同意義であり、これがメーカー衰退・IPブランド衰退に繋がる

転売屋と中古ショップの違いはこの、ユーザーがプレイ出来る絶対数であって、「中古屋回しがIPを衰退させる事はない」ここが一番の違い

非常にわかりやすかと思います。タカラトミーの『キャップ革命 ボトルマン』も新しいホビーのジャンルとして発売前から非常に注目されていましたが、転売の買い占めにより、ブームが起こる前に収束していってしまったとも言われています。こう考えると転売屋が決して市場を潤わせてるとは言えないのではないでしょうか。

まだ当分、この問題は続くかと思いますが、法的な処置がない以上は、受け取り方は人それぞれという事になってしまうんでしょうか。私は転売されているものは買わないようにしています。そして「HJする」など転売行為の隠語が定着し始めてしまった『ホビージャパン』ですが、多くのホビー誌が廃刊になっていく中、唯一といっていいほど、生き残っている雑誌なので、私は早く信頼を回復してほしいと願っています。

今回は以上です。

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