HG?MG?RG?PG?どれがなんなの?ガンプラ各グレード解説!

サブカル

少し前にガンプラの転売が問題になっていました。・・・今も続いているのでしょうか。オッサンこと私は第一次ガンプラブームのど真ん中で育った世代です。
昨年、そんなガンプラが40周年を迎え、記念キットなどもたくさん発売されました。私は息子が生まれてから、シンナーの匂いをさせることができないので、ずっとプラモデルを作っていません。たまにどうしてもほしい物はこっそり買って、パチ組(素組のこと、買った状態のまま組み立てる事)だけで楽しんでます。さて、つい最近、若い世代にガンプラのグレードについて聞かれました。“HGって一番安いんですよね?”“MGより上ってないんですよね?”などと、これからガンプラに興味を持つ人達からすれば、バンダイの作ってきたブランドもかなり種類が増えていて、わからない人が意外と多いみたいです。ならばということで今回はガンプラのブランドの区別、そして解説をしていきたいと思います。

目次

基本的なスケール

ガンプラにはスケール表記があります。そのガンプラの大きさですね。1/144とか1/100とかです。もともとはHGだのMGなどはなく、ガンプラはこのスケール表記だけで棲み分けされてました。このスケール表記がブランドを分けるのに結構重要なので、まずはこのスケールについて説明します。

1/144スケール

ガンプラで一番スタンダードのサイズとなっているのがこのスケール。ガンプラ第1号のガンダムも1/144が最初の商品。この「RX-78-2ガンダム」で言えば、サイズは12,5cmの大きさです。ようするに本物のガンダムが18mなので、それを1/144のサイズにするとこの12.5cmというサイズなるわけです。なので、劇中の設定が40mのサイコガンダムの1/144は、28cmとなります。サイズとしては小さめのサイズなので、可動範囲や再現される部分が省略されやすくはなるのですが、今は技術が向上しまくっていて、このサイズだから再現できない・・・という事はほとんどなくなりました。サイズ的に一番安価にもなりやすいです。そして種類も一番多いと思います。

 

1/100スケール

「RX-78-2ガンダム」でいえば、18cmのサイズ。サイズが大きくなるので、ギミックやディテールの再現度も高くなります。またサイズが大きいので、1/144より価格も高くなります。参考までに最初のガンダムの1/144は当時(今も?)300円。そして同じガンダムでも1/100は700円となっていました。ちなみにこの700円のガンダムは、1/144にはなかったコアファイターのドッキングギミックが再現されています。

 

1/60スケール

ガンプラのレギュラーサイズで言えば、一番大きなサイズとなります。ちなみに1/48スケールでメガサイズモデルというのも出ていますが、いくつか商品化したものの、そのあとはもう発売していないので、現行のレギュラーサイズでいうと、この1/60が一番大きいサイズかと思います。サイズが一番大きいので再現するギミックやディテールなど再現できるだけ再現されています。大きさもガンダムでいうと30cmとかなり大きく、金額も当時で2,000円と一番高価でした・・・今考えると1/60で2,000円って、すごく安く感じますが・・・。サイズが大きく、高価ということもあり、発売される種類も限られています。

さて、以上が基本的なガンプラのスケールとなります。今では少なくなりましたが、ガンプラの新作を出す際は、ブランド名はつけず、一度スケール違いを数種類発売するのが主流でした。それではそれぞれのブランドについて解説します。

 

HG(ハイグレード)

ガンプラにおける最初のブランドとなったグレード。おそらく一番種類が発売されているグレードだと思います。一部を除いてスケールは1/144で統一されています。もともとはガンプラ10周年の記念に、ガンダム、ガンダムMk-II、Zガンダム、ZZガンダムの4種類を当時の最新技術で初めてリメイクしたものです。1/144のスケールながら、ガンダムにはコアファイター、Mk2にはコクピット開閉ギミック、Zガンダムには変形、ZZにはドッキング変形ギミックとそれぞれの特徴を再現しつつ、多色整形など様々の試みがされた記念すべき初のHGがこの4種類。同スケールの通常のキットとの差別化のために「HG」というブランドが名付けられました。ちなみに、この時のHGのガンダムで初めて、フロントアーマーが可動になっています。それまでは腰ブロックは一切可動しませんでした。今見るといろいろ厳しいとは思いますが、当時としては、人気機体が最新技術で発売されるとの事でかなり話題となりました。1/144でも可動や色分けによるパーツ数が増えたことにより、300円だったガンダムも1,000円で発売されました。

その後、「機動戦士Vガンダム」の放映が始まる頃、モビルスーツのサイズが小型化された事もあってか、1/100のキットをHGブランドで販売。この後の所謂平成ガンダム3部作(Gガンダム、ガンダムW、ガンダムX)はすべて、1/100スケールをHGで発売しています。この頃にはかつて発売したキットのリメイクではなく、当時の最新キットは「HG」のブランドで発売していました。
そして第2次ガンプラブームと言われている「機動戦士ガンダムSEED」に合わせて、肘、膝が稼働しない安価な1/144のキットの商品展開と同時に、差別化するために、HGのブランドをつけて通常のクオリティで発売するようになりました。おそらくこの時の「1/144 HGストライクガンダム」が、現在のHGの基礎となっているかと思います。
ここからHGはさらに細分化されます。

 

HGUC(ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー)

そしておそらく、現在メインで展開されているこの「HGUC」が出てきます。1998年に発売されたOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の劇中に『機動戦士ガンダム』のモビルスーツ「グフ」を、当時の人気メカデザイナーのカトキハジメ氏がリファインした「グフカスタム」が登場しました。この「グフカスタム」をバンダイが当時の最新の成形技術と可動ギミックを導入した1/144プラモデルキットとして商品化したところ、古くからのファンに非常に好評でした。これが発端となって、宇宙世紀(ユニバーサルセンチュリー)のMSを同様のコンセプトで改めて再キット化するシリーズが「ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー」となったのです。今も多数発売されているシリーズですね。しかし、タイトルにある通りこのシリーズは宇宙世紀(ユニバーサルセンチュリー)のモビルスーツ限定になってしまいます。そこで2010年4月に宇宙世紀以外のMSである「HGAW(ハイグレード・アフターウォー) ガンダムX」が発売され、その後にどんどん年号の違うHGACHGFCHGCCなどそれぞれのガンダムの作品の年号に合わせた「HG」ブランドが増えていったというわけです。

その後、かつて1/100スケールでHGブランドが発売されていた「Vガンダム」や「シャイングガンダム」などもこのシリーズを期に1/144で統一されています。という事で、現在では「HG」は1/144のガンプラという認識で大丈夫かと思います。HGUCでは「RX-78-2ガンダム」は上画像の商品以外にもいくつか発売されていて、最新ですとREVIVE版が発売されていて、プロポーションや可動範囲などかなり進歩しています(下の写真)。ちなみにHGブランドではガンプラ以外にも、「聖戦士ダンバイン」「重戦記エルガイム」など他の作品もたくさん商品化されていて、その場合はスケールは1/144に限られたものではなくなっています。

 

MG(マスターグレード)

1/100で展開されているブランドです。1994年頃から「いろプラ」(多色成形プラモデル)「ポリキャップ関節」など蓄積された技術をベースに大人向けのガンプラを作ろうという企画が、模型雑誌「ホビージャパン」のもとに持ち上がります。ホビージャパン誌上で開発経緯を掲載し、読者とのやりとりを経ながら新ブランドが開発されていきました。これまでの発売されてきた「HG」との差別化もありスケールを1/100で統一。その当時の技術で最高のガンプラを1/100でキット化する事をテーマに、1995年に「RX-78-2 ガンダム」が発売されました。これが記念すべき「MG(マスターグレード)」の第1作目です。この時、メカデザインにはガンダムの本家メカデザイナー大河原邦男さんも参加。続けて発売された「MS-06 ザクII」は、劇中のイメージそのままのプロポーションや、三重構造の動力パイプ等が再現され、スケールの差別化も手伝って、「HG」よりも高級なブランドとして誕生しました。内部フレームを再現したり、それぞれのモビルスーツの持つ設定をほぼ網羅する再現度などから、現在では「MG」は「HG」より高級な1/100のキットという認識になると思いますなので高価にもなり、「HG」にくらべその種類は少ないシリーズとなってます。ちなみにHGUC同様に、技術の進歩とともに、同じ「MG」でも「RX-78-2 ガンダム」はいくつも発売されています。上画像の第1号をVer.1.0とし、Ver.1.5、Ver.2.0、Ver.3.0、Ver.O.Y.Wなど多分ほかにも商品化されています。そんな中で個人的に一番好きなのは、下画像のVer.2.0。自分の好みのヴァージョンを選べるのも「MG」の特徴かもしれません。他にも「ガンダムMk-II」、「Zガンダム」など人気のあるモビルスーツはヴァージョン違いがいくつか発売されています。
ちなみにMGブランドではガンプラ意外にも、「聖戦士ダンバイン」「機動警察パトレイバー」など他の作品もたくさん商品化されていて、その場合はスケールは1/100に限られたものではなくなっています。

 

PG(パーフェクトグレード)

雑な説明になりますが、これまでの1/144の「HG」、1/100の「MG」でいうところの1/60のキットです。わかりやすくいうと、一番高くて大きい分、誰もそこまで求めてないギミックがふんだんに盛り込まれた最高級ブランドとなるシリーズです。当たり前ですが、価格も最高級で、そのギミックも内部フレームだけではなく、装甲がメンテナンスようにオープンする機構も再現され、パーツ数も果てしないことになっています。指まで各関節が可動したりするので、まさに一切スキのないガンプラとなっています。そのため、「HG」、「MG」に比べ圧倒的に商品数は少ないのですが、その分特別感もでています。価格はRX-78-2ガンダムで15,000円。PGシリーズは本体とは別に拡張パーツも販売することも多いです。このガンダムが発売された際、透明の装甲パーツと武器が追加されたセットなどが別売りは販売されました。
実はこの「PG」の第1弾はガンダムではないのです。なんと「PG」最初のアイテムは「エヴァンゲリオン初号機」。エヴァンゲリオンには明確な身長の設定がないため、1/60ではなくノンスケールで発売されましたが、大きさがガンダムでいうところの1/60サイズ。「PG」というブランドだったため、ウキウキで当時購入したのですが、ゴムを全身に使用していて、その上から装甲をハメていく使用で、パーツ分割もあまり良くなく、ただ大きいだけで「PG」と呼べるような完璧なキットではなかったのを覚えています。このブランド名をそのまま次いで、次の年に「PG」のガンダムが発売されましたが、前述のこともありあまり期待してなかったのですが、「エヴァンゲリオン初号機」がなかったかのようなギミックは仕様、組みやすさで、完成後に合わせ目もでない設計にもなっていて、ガンプラの技術はここまできたかと驚嘆したのを覚えています。ようするにPG(パーフェクトグレード)は最新の技術を搭載し、内部構造にも外観の造型にも一切の妥協を許さない、大きく、非常に高価なガンプラ最高峰ブランドということになります。

基本的に以上の3種類が現在のガンプラの基本となっているブランドです。この3つのブランドとスケールを軸に、少しずつ細分化され、さらなるブランドがいくつか発売されています。

次回はここから更に細分化して増えたブランドについて説明します。

【続】HG?MG?RG?PG?どれがなんなの?ガンプラ各グレード解説!
前回の記事でガンプラのそれぞれのスケールと、それに伴う「HG」、「MG」、「PG」というガンプラの基本ブランドの内容について解説しました。今回はその補足・・・というか、さらに細分化された各ブランドについての説明をします。いずれも前回説明したスケール、ブランドに紐付いてくるものばかりなので、基本的な内容は前回を参照にしてください。

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