『スパイダーマンNWH』ネタバレと過去作のリスペクトを紹介 後編

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前回の続きです。

映画『スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム』本編のネタバレをしながら、作品中に見ることができた過去の2シリーズへのリスペクト部分を紹介します。

『スパイダーマンNWH』ネタバレと過去作のリスペクトを紹介 前編
前回、映画『スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム』のサプライズ部分と、序盤のストーリーを紹介しました。今回はがっつり本編のネタバレをしながら、作品中に見ることができた過去の2シリーズへのリスペクト部分を紹介します。 物語の冒頭部分は前回...

ここからはネタバレ内容を含みますので、これから劇場へ行く予定の人や、映像ソフトでその驚きを楽しみたい人はブラウザバックを推奨します。



スパイダーマンズvsヴィランズ

すべての治療薬を完成させた3人のピーターは、「キャプテンアメリカ盾を持つ自由の女神像」にヴィランたちをおびき寄せます。ここでスパイダーマン3人vs5人のヴィランたちとの戦いが始まります。それぞれの治療薬を特定の場所に設置し、ヴィランたちと戦い始めたスパイダーマン。しかし、これまで単独で戦ってきたスパイダーマンたちは連携がとれず、失敗ばかりしてしまいます。

今まで一人で戦っていたため、チームプレイがうまくいかない3人。するとトム・ホランドのピーターが、「僕はチームプレイの経験がある。アベンジャーズにいたから!」と発言します。するとトビーピーターが「そうなのか凄いな!で、アベンジャーズって何?」と一言。するとアンドリューピーターが「バンドの名前かい?」と彼らの世界にアベンジャーズがないことを痛感します。しかし、このやり取りの後、3人は息を合わせ、次々にヴィランを治療していきます。まず“サンドマン”を人間フリント・マルコに戻し、“リザード”をコナーズ博士へと治療に成功します。アークリアクターでパワーアップした“エレクトロ”には苦戦しましたが、良心を取りもどしたドオクタビアス博士が手をかしてくれ、人間マックス・ディロンに戻しました。

前回もアンドリューピーターについて少し触れましたが、この戦いでMJが高所から落下しまう場面があります。恋人であるトム・ホランドのピーターが助けに行きますが、グリーンゴブリンに邪魔をされて、MJの所にいけません。そこでMJを助けたのが、アンドリューピーター。落ちていくMJを無事に救う事に成功します。『アメイジング・スパイダーマン2』のクライマックスで同じような場面があり、アンドリューピーターは自分の恋人であるグウェンを助けることができず、死なせてしまいました。それから悲しみを抱えていきていたと、本作でもアンドリューピーターは話していました。そして今回はMJのことを無事助けることができました。MJを助けたアンドリューピーターは、今度は助けられたと思わず泣き出してしまいます。助けられたMJは御礼を言いながらも、アンドリューピーターを不思議がっていましたが、『アメイジング・スパイダーマン2』を見た人なら誰もが涙したんじゃないでしょうか。私も劇場で必死に涙をこらえました。『アメイジング・スパイダーマン』は2作目以降製作されていなかったので、ここでようやく『アメイジング・スパイダーマン』のピーターの心は救われたことになります。

 

メイおばさんの仇

最後の相手は、メイおばさんの仇、“グリーンゴブリン”。“グリーンゴブリン”を目の前にトム・ホランドのピーターは怒りを抑えられません。グリーンゴブリン”は何度もピーターを挑発しましたが、戦いは怒ったピーターが圧倒しました。“グリーンゴブリン”を執拗に痛みつけ、最後にメイおばさんを殺した“グリーンゴブリン”のグライダーの先端についた刃物で、グリーンゴブリン=オズボーンを刺そうとします。しかし、それをトビーピーターが防ぎます。この刃はかつて、親友の父であるグリーンゴブリン=オズボーンを殺してしまったもの。同じパワーでトム・ホランドピーターの攻撃を抑えるトビービーター。しかし、オズボーンはそんなトビーピーターのことを後ろから刺してしまいます。その様に怒り狂ったトム・ホランドピーターに、アンドリューピーターがウェブを使って、あるものを渡します。トム・ホランドピーターはそれを受け取り、オズボーンに突き刺しました。アンドリューピーターが渡したのは、“グリーン・ゴブリン”の治療薬でした。“グリーンゴブリン”はそのまま、良心を持ったオズボーンへと戻っていきました。

ラストの戦いにも、過去のスパイダーマン作品へのリスペクトがみられました。オクタビアス博士が「太陽の力が……」と呟いた時、トビーピーターが「私の手の中に、ですよね?」と話しかけます。オクタビアス博士は「ピーター!?すっかり大人になったな……調子はどうだ?」とピーターに聞くと、「反省しています」とトビーピーターが返します。このサム・ライミ版の『スパイダーマン2』を含んだやり取りがとても印象に残りました。“ドクター・オクトパス”ではない正常に戻ったオクタビアス博士とだから成立できた会話。かつて師弟のような関係だったので、見ていて非常にうれしくなりました。そしてトビーピーターは、トム・ホランドピーターがグリーンゴブリンを殺すことを防いだりもしています。サム・ライミ版『スパイダーマン』は、オズボーンが死んだことにより、ハリーがスパイダーマンを恨むことになり、3作目までその悲しみが続くことになりました。自分が刺されながらもオズボーンを救ったことで、今作でトビーピーターの心も救われています。

 

それぞれの別れ

やっと合流したドクター・ストレンジは、ヴィランズを人間に戻したことには不服でしたが、そのまま彼らを元の世界へ戻すことにします。しかし事態はさらに悪化していて、ドクター・ストレンジは他のマルチユニバースからもピーターに向かって、ヴィランが向かっていて、もうドクター・ストレンジでは抑えられないと言います。そこでピーターは、ドクター・ストレンジに「世界中の人々からピーターの記憶を消去」する呪文は使えないかと問います。ドクター・ストレンジはそれならば可能と言いますが、本当にそれでいいのか確認をします。しかし、今度のピーターに迷いはありませんでした。ドクター・ストレンジは「さらばだ、友よ」とピーターに告げ、呪文までまだ時間があるから、別れを告げるように言います。
まずピーターが向かったのは、2人のピーターの所でした。刺されたトビーピーターも無事で、アンドリューピーター支えられていました。ピーターは別ユニバースからきた二人のピーターを強く抱きしめて、「ありがとう、ありがとう、ありがとう」と何度も御礼を言います。そして「また会おう」と別れを告げます。
そしてピーターは親友のネッドと恋人のMJのもとへ。二人に事情を伝えます。MJは記憶をなくしても必ず会いにいくといい、涙をながしながら別れを告げます。そしてしばらくしてドクター・ストレンジの呪文が発動しました。

 

忘れられたピーター

しばらくして、ピーターはMJとネッドに会いに向かいました。MJがアルバイトしている店に行きましたが、やはりMJはピーターのことを覚えていませんでした。ネッドも同じようです。しかし、MJはピーターのことを忘れていましたが、首元には前作『ファーフロムホーム』でピーターがプレゼントしたネックレスをしていました。自分とMJとの関係のことを伝えようとしたピーターでしたが、あの戦いでMJが目の上に負った傷を見ると、かつての関係を伝えることはせず、コーヒー代を払って二人の前から立ち去ってしまいました。二人はMIT(マサチューセッツ工科大学)に合格していて、ピーターが求めていた「普通の暮らし」を楽しんでいました。MJの首元に同じ時間を過ごした証が残っていて、これ以上二人を危険な状況に巻き込みたくないと思ったのかもしれません。

そしてピーターはメイおばさんの墓参りに訪れます。そこに現れたハッピー・ホーガンもまたピーターのことを覚えていませんでした。ハッピーにメイおばさんとの関係を聞かれると、「スパイダーマンからみでちょっと・・・」とハッピーにも自分のことは伝えませんでした。ハッピーはトニー・スタークを失い、メイおばさんを失うという立て続けに大事な人を失った状況でした。ピーターは、「(メイおばさんが)支えた人が遺志を引き継ぐ」とハッピーを励まし、その場を離れていきました。

正直、MCU版のスパイダーマンのピーターは、他のシリーズに比べ、ちょっと子供っぽかったり、スーツがハイテクだったり、環境が恵まれていたりと、どこか陽気なスパイダーマンの印象が強かったのですが、今作で一気に孤独になって、辛い状況に変わってしまいました。本編の内容が非常に豪華だったので、このラストの物悲しさは、かなり切なくなりました。

 

孤独なスパイダーマン

そして一人暮らし始めたピーター。新居には『ホームカミング』でネッドが持っていたレゴのパルパティーンが置いてありました。そしてピーターは、これまでのスパイダーマンのように、警察の無線を傍受していました。無線で助けを必要としている人がいると分かると、ピーターは手作りした明るい色の新しいスパイダーマンのコスチュームを着て、クリスマスの街に繰り出していきました。こうして『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の物語は幕を閉じます。

ここでようやく、これまでのシリーズと同様に、孤独なヒーローとしてのスパイダーマンが誕生しました。「大いなる力には、大いなる責任が伴う」の言葉と、大切な家族をなくし、みんなに忘れられても、ピーターは一人で戦い続けていくことになります。3部作の最後に人間関係がリセットされたという事で、次の3部作を再スタートしやすい状況になったかと思います。また、エレクトロが元の世界に帰る際に「どこかの世界に黒人のスパイダーマンもいるかもしれない」と何気なく語っていましたが、『スパイダーマン:スパイダーバース』やゲームにも登場しているマイルズ・モラレスの登場を匂わせているようにも感じました。そして序盤に登場したデアデビルも何かしら絡む可能性もあり、物哀しい結末ですが、今後も続いていくという意味では非常に前向きなラストでもあると思いました。

 

そしてヴェノムは・・・

本編の内容があまりにも濃くて、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』公開前に話題となっていた『ヴェノム』が登場しなかったことにエンディングで気づきました。今回のミッドクレジットシーンで映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のポストクレジットシーンの続きがありました。エディ・ブロックはバーでビールを飲んで酔っ払いながら、このMCUユニバースで何が起きたのかをバーテンダーから聞いていました。熱心にメモをしていますが、ヴェノムにちょっかいを出されていたりしていました。アイアンマンを「ブリキのスーツを着た社長」と言い、ハルクやサノスの話を聞くエディ。宇宙からサノスが襲来し、インフィニティ・ストーンを集めてたことを「紫の宇宙人が石ころを集めに来た」と笑いながら聞いていました。そして、エディがスパイダーマンに会いに行こうとしたところで、ヴェノムとエディは、他のヴィランたちと同じエフェクトで元のユニバースに戻っていきます。エディとヴェノムは他のヴィランたちと同じように『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にきましたが、お酒を飲んでただけで、元の世界に帰ってしまうというオチでした。

しかし、バーのテーブルにはシンビオートの一部が残されていました。

エンドロールが終わると『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の予告が流れました。

すでにトム・ホランドは次の3部作の契約を済ませているとう話もありますし、まだ登場していないヴィランもいます。そしてラストのシンビオートの匂わせエンドは、MCUの世界にヴェノムの登場が期待できると思います。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』はとにかく素晴らしい作品でした。MCUの3部作のラストというだけではなく、サム・ライミ版の『スパイダーマン』、『アメイジング・スパイダーマン』のピーターたちのその後の心も救い、MCU版として完結させたというまさに集大成と言える作品でした。ただのファンサービスではなく、過去作へのオマージュを丁寧に丁寧に作られたと伝わってきました。
唯一、MCUのピーターには辛い境遇にはなっていますが、前述にも伝えた通り、ここでようやくMCU版のスパイダーマンがスタートするという印象も受けます。考えてみれば、MCU版は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で雑に登場して、『ホームカミング』が公開されてしまったので、アベンジャーズ含め、MCU版は長い第1作目が描かれたという感じがしました。次回作の情報を気長に待ちたいと思います。

今回は以上です。

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