意外と知られていない超名作ロボットアニメ『巨神ゴーグ』のススメ!

サブカル

1983年。今のようにネットのない時代に当時の少年たちの情報源は限られていました。ガンダムのブームがまだおさまらなかったこの頃、少年たちの情報源の一つは当時発売されていた少年誌『コミック ボンボン』。この頃の『コミック ボンボン』はガンダムのプラモデルなどを扱っていて、取り上げる情報はリアルロボット物が非常に多く、『聖戦士ダンバイン』、『装甲騎兵ボトムズ』、『銀河漂流バイファム』などがテレビで放映されていて、その人気も非常に高かったです。そんなリアルロボット作品がひしめく中、放送が何度も延期されていて、他のリアルロボットアニメとは一風変わった雰囲気を醸し出していた作品がありました。それが『巨神ゴーグ』。“巨神”は“ジャイアント”と読みます。『巨神ゴーグ』は他の作品と違って兵器とした印象があまりなく、果たしてどんなストーリーなのか当時の少年たちには想像がつきませんでした。今回は今でも私の心に残り続けている名作。『巨神ゴーグ』をご紹介したいと思います。

『巨神ゴーグ』ってこんな作品

今さら説明のいらない『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインを担当し、作画監督もやった安彦良和さんの監督作品。安彦良和さんといえば『ガンダムTHE ORIGIN』でも有名ですね。そんな安彦良和さんはこの作品で監督だけではなく、原作、レイアウト、キャラクターデザイン、メイン・メカデザイン、作画監督とどれだけやるんだよってくらい携わっっている作品なのです。もちろんサンライズの作品。当時ほとんどが遥か未来を舞台にしたリアルロボットアニメが主流のこの時代に、この『巨神ゴーグ』の舞台は現代に近く、しかも主人公が日本人という当時の少年たちにめちゃめちゃ感情移入しやすい設定で物語が始まります。亡くなった父親が秘密の研究をしていて、手紙を頼りに単身ニューヨークのドクター・ウェイブを訪ねて行き、やがてオウストラル島という島へ行き、そこでかつてない体験を主人公はしていきます。当時、この少年インディ・ジョーンズのような物語の入り方に、ワクワクしてテレビを見続けていました。しかも安彦良和さんが作画監督をしていたおかげで、今見るとたしかし厳しい所はあるかと思いますが、映像はとても綺麗。『劇場版ガンダムIIIめぐりあい宇宙篇』と同じくらいの映像クオリティで物語が展開していきます。当時ロボット物が放送されると1年間4クール放送されるのが主流の時代に、26話という2クールでしっかり完結する珍しい作品でした。

 

ざっくりストーリー

サモア諸島東南2000キロ“オウストラル島”。父からの手紙を頼りに、地図からその名を消去された島の秘密を探るため、主人公の田神悠宇は、単身ニューヨークのドクター・ウェイブを訪ねます。ドクター・ウェイブは考古学者で悠宇の父である田神博士の教え子でした。悠宇はオウストラル島の秘密から複合巨大企業”GAIL”やギャング団”クーガー・コネクション”の追跡を逃れつつも、「船長」と名乗るウェイブの友人の手引きで、ウェイブと彼の妹ドリスと共に父が追い求めた秘密を求めなんとかオウストラルに渡ります。そしてついにオウストラル島にたどり着くその時、悠宇の乗る船に謎の巨大怪物が襲いかかります。海に放り出されてしまった悠宇が打ち揚げられた場所は、まさしくオウストラル新島でした。しかし、またもや船を襲った謎の怪物が現われ、まさに絶体絶命なったその時、突然現われた青い巨人型ロボットが怪物を破壊し、悠宇を救います。初めて出会う人智を越えた存在にも関わらず、何故か暖かさと懐かしさを感じた悠宇は、この謎の巨大ロボット“ゴーグ”と行動を共にしていきます。

 

貴重なリアル系の肉弾戦ロボット

主役であるゴーグは、ビームライフルもビームサーベルもありません。バーニアを吹かして飛びもしませんし、変形もしません。基本的には格闘のみの戦闘になりますが、後半になってくると飛び道具も使ったりはします。でもほとんどが格闘です。ゴーグが他のロボットアニメと大きく違うのは、主人公が操縦するのではなく、自らの意思で行動している所。ゴーグ以外にも、ガーディアン(この作品でいうロボット兵器)は出てきますが、すべてパイロットはいません。唯一、ライバルというか物語の中心的な感じのマノンタイプは、パイロットに近い存在はいますが、搭乗者のマノンの命令に従っているだけで、操縦しているわけではありません。なので主人公の悠宇にとって必ずしも思い通りにはゴーグは動いてくませんし、よくあるAIのように喋ってもくれません。そんな状態で悠宇とゴーグはいろいろな状況を乗り越えていくので、少年とロボットの絆がを強く感じることができます。私がこの作品の本放映を見ていた時、本気でゴーグのようなロボットがほしがりましたね。それまで強くてかっこいいリアルロボット物でどの作品のどの機体が好きかって話ばかりしていた私の心に、ロボットなのに優しさというか愛しさのような感情が芽生えました。今でも割と珍しいジブリ作品のようなロボットアニメという印象があります。

 

今みると声優さんもビッグ

主人公の田神悠宇の声優さんは今じゃ「ゴ〜ムゴムの〜〜」なルフィの田中真弓さん。ドクター・ウェイブは「ちびまる子ちゃん」のナレーターで有名なキートン・山田さん。そしてGAILオウストラル島の支社長ロッド・バルボアは赤い彗星の池田秀一さんと、今でも大活躍中の声優さんばかりが出演しています。ちなみにナレーションは、亡くなったことがまだ記憶に新しい石塚運昇さんです。
そして、多分私がおかしいのですが、今でもふと口ずさんでしまうのが『巨神ゴーグ』のオープニングテーマ。非常に希望に満ちた歌詞や曲になっていて、たまにテンション上がった時に無意識に「ゴ〜〜〜〜〜〜〜〜グ、過去と未来の〜♪」と口ずさむほど大好きな曲です。エンディングもしっとりしていい曲です。

一応、ジャンルはリアルロボット物であり、しかも冒険物でもある非常に魅力的な作品。ラストの感動を含め、個人的にはかなりの名作だと思っています。意外と知名度はそんなに高くないようなので、心温まるロボットアニメがみたい人(そんな人いるかわかりませんが)がいたら、是非オススメしたいです。

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