これまで何度も『機動戦士ガンダム』について、本ブログではいろいろと紹介してきましたが、今回はこれまでちゃんと紹介してこなかった『機動戦士ガンダム THE ORIGIN(以下:ジ・オリジン)』についてご紹介します。この『ジ・オリジン』はアニメにもなっていて、ガンダム作品をよくわかっていない人は少し混乱するかもしれませんので、順を追って、ファーストガンダムであるアニメ版の『機動戦士ガンダム』との関係性についてご紹介してきます。
目次
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』とは
ファーストガンダムである『機動戦士ガンダム』については散々紹介してきましたので、ここではあえて紹介を省きます。気になる人はこちらや、こちらなどの記事を参照してください。
『ジ・オリジン』は簡単に言ってしまえば、ファーストガンダムの漫画版です。『ジ・オリジン』は、角川書店から現在も発売されているガンダムシリーズ専門漫画雑誌『ガンダムエース』の創刊号にて、2001年6月から連載されました。これまでファーストガンダムの漫画はなかったわけではなく、本来ならここで注目されるようなものでもなかったのですが、注目された理由として最も大きいのが、この漫画を描いたのが、安彦良和さんであるということ。念のためよく知らない人のために紹介すると、安彦良和さんはファーストガンダムであるアニメ『機動戦士ガンダム』のアニメーションディレクター、キャラクターデザイナー、メカニカルデザインのクリーンナップなどを務めた人。つまり当時のアニメ版のビジュアル面を担当していた人なのです。そんな安彦良和さんが、20年以上の時を経て、漫画化したので当時非常に話題になりました。雑な言い方をすれば、アニメのキャラをデザインして、アニメの絵も書いていた人が、漫画を描くので絵的にはそのままなわけです。富野監督にも了承してもらい、なんとこの漫画のために大河原邦男さん(ガンダムのメカニカルデザイナー)が新たにガンダムやザクなどをデザインし直しています。ガンプラやフィギュアで見かけるキャノン砲が肩についているRX-78はこの『ジ・オリジン』に登場したガンダムなわけです。
20年の時を超えての漫画化だったため、設定の見直しや外伝的エピソードの追加などして独自のアレンジがされています。性格には違いますが、実質ファーストガンダムのリメイク版の漫画と思っても問題ないかと思います。
物語の違い
アニメ版の『機動戦士ガンダム』と『ジ・オリジン』の物語は大筋は同じです。ただ細かいエピソードでアレンジも加えられてもいます。例えば、物語冒頭でアムロの操縦する2号機ではなく、RX-78-01であるガンダム1号機(MSVのプロトタイプガンダムとは違うデザイン)が登場してザクの軍団と戦闘したりします。他にもオデッサの戦いではドムが6機で登場したり、ジャブローではアムロはガンダムではなく、GMに乗ってシャアのズゴックと戦ったり、マ・クベのギャンは地球で登場したりいます。また地球でホワイトベースが航行するコースもアニメ版と変わって、そのためエピソードも前後入れ替わったりしていたり、割と多めのアレンジとなっています。そして何より一番大きいのが、一度ジャブローでも物語が中断し、本編の前日談であるシャアとセイラの過去編が描かれています。これはアニメ版にはない完全にオリジナル部分で、アニメ版だけのファンも一度読んで見ることをお勧めします。
『ジ・オリジン』のアニメ
そして漫画だけで展開していれば、複雑になることがなかったのですが、『ジ・オリジン』はアニメも製作されています。冒頭で説明した通り、本来はファーストガンダムのリメイク的は漫画のアニメ化ということは、実質ファーストガンダムのリメイク作品になるのではないかと、当時話題になりました。もちろん、当時私も『宇宙戦艦ヤマト』や『新世紀エヴァンゲリオン(正確には違う?)』もリメイクされているのに、ファーストガンダムも一度、現代の綺麗な映像でリメイクしてもいいのではないかと思っていたので、非常に喜んでいました。しかし、この『ジ・オリジン』はアニメは、前述で説明した、『ジ・オリジン』で追加されたシャアとセイラの過去編のエピソードのみなのです。なのであのRX-78は登場しませんし(一瞬でてきますが)、アムロではなく完全にシャアが主人公の物語になっています。物語的にアニメ版のファーストガンダムの前日談として観てもいいのか?というとそれも違くて、『ジ・オリジン』ではガンタンクはザクより前に存在していたり、「V作戦」の内容もアニメ版とは違うため、なんとも微妙なポジションとなっています。せっかくなので、『ジ・オリジン』で本編もアニメ化してテレビなどで放映すれば、もう一度大きなブームが起きそうなのになんとももったいないですね。
『ジ・オリジン』に興味もった人へ
特別編を合わせて全24巻で完結しているので、『ジ・オリジン』に興味もった人はぜひ読んでみてください。人によって好みもあるとは思いますが、安彦さんの描く漫画は非常に動きを感じ、絵も綺麗で、あのガンダムの絵が現代風にそのまま漫画になっているので、超オススメです。なお、2014年から、ウェブコミックサイトのComic Walkerにてフルカラー版が順次無料で掲載されてもいますので、そちらで読んでみてもいいかもしれません。この記事を書いている時点ではまだ完結していないので、今後じっくり待って読むというのもアリじゃないでしょうか。
以上が『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』について、アニメ版との関係性についての紹介でした。アニメ化されたシャアとセイラの過去編の『ジ・オリジン』は、OVAで製作され、劇場でも公開されたということもあり、非常に綺麗な映像だったので、あのクオリティまでいかなくてもいいので、ぜひ全編をファーストガンダムのリメイク版としてアニメ化してほしいと願っています。今後の予定をみていると全然無理そうですが・・・。
今回は以上です。
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