ファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いは?

サブカル

ガンダムファンにどのガンダム作品を見れば良いか聞けば、ほとんどの人が答えるのがファーストガンダムこと、『機動戦士ガンダム』だと思います。私は個人的にこれまでガンダム作品に触れてこなかった人や、ファーストガンダムを見たいと言っている人にオススメしているのは、内容もしっかり描かれていながらも、うまくまとめられた劇場版3部作でした。しかし現在では動画配信サービスなどで、わざわざレンタルしなくてもテレビ版も容易く視聴できるので、なんとも言えなくなってきました。今回は今更ながら初代『機動戦士ガンダム』のテレビ版と劇場版の違いについて紹介します。

まずはそれぞれの特徴

まずはテレビ版について。『機動戦士ガンダム』のテレビ版は1話30分(正確には25分)で全43話になっています。本来、全52話で製作される予定でしたが、初放映当時は低視聴率により打ち切りのため、43話に縮小されたというのは割と有名な話。またメインの作画監督であるキャラクターデザインを担当した安彦良和さんも病気で現場を離れるなど物語終盤の作画はだいぶ粗めになっています。
そんなテレビ版は打ち切りが決定してから人気が上がり、後に劇場版3部作として映画公開されました。ガンダムの人気に火がついたのはこの劇場版からだと当時から私は記憶しています。
一作目の『劇場版 機動戦士ガンダム』は2時間19分。2作目『劇場版 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』は2時間13分。そして完結編となる3作目『劇場版 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』は2時間20分の長さになっています。この劇場版3部作は基本的にはテレビ版と同じストーリーですが、新規作画や物語の前後を入れ替えたりしていて、単なるダイジェストではなく、1本の映画として完成度は非常に高い作品になっています。またテレビ版の終盤で病気で倒れた安彦良和さんによって、『めぐりあい宇宙編』は全体的に新規作画が多く、現在見ても素晴らしい映像になっています。

 

物語の大きな違いはない

基本的にはテレビ版を再編集したのが劇場版になるため、大きな物語の違いはありません。ただ43話あった物語をそのままなわけないので、テレビ版のエピソードでカットされたものもたくさんあります。しかし、以前『機動戦士Zガンダム』テレビ版と劇場版の違いとは?にて紹介した『劇場版 機動戦士Zガンダム3部作』ほど重要なエピソードのカットはありません。なので私は基本的に初めてファーストガンダムを見たいという人には、劇場版3部作をお勧めしています。しかし、ファーストガンダムはテレビ版ならではの名エピソードもあります。なので劇場版3部作を見て、興味をもってもっと詳しく見てみたい人はあとでテレビ版を見てみるのがいいかと思われます。

 

テレビ版と映画版の違い

テレビ版と映画版の違いはカットされたエピソードを含め、登場するメカに関してもあるのですがメカに関して触れてしまうと、またえらく長い記事になってしまうので、メカに関しては別の記事にて紹介します。ここではカットされたエピソードや物語について紹介します。

ファーストガンダム劇場版でカットされたメカはどれ?
前回の記事でファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いは?をご紹介しましたが、その際、登場するメカについては一緒にしてしまうと文字量が膨大になりそうだったので、細かくは触れませんでした。今回はそこで触れなかったファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いのメカに関してご紹介したいと思います。まずは劇場版でカットされたメカを紹介し、続いて少ないですが、劇場版で追加されたメカを紹介します。

 

マ・クベの生死

一番大きいのは、テレビ版、劇場版ともにいい味を出しているジオン軍のマ・クベ大佐の生死の描写がテレビ版だと描かれていますが、劇場版だとありません。劇場版でマ・クベはソロモンから脱出したドズル・ザビの奥さんのゼナ夫人と生まれたばかりのミネバ・ラオ・ザビ(ユニコーンガンダムのヒロイン)を救出したシーンが目立った所で、その後は登場しません。なので一応劇場版では死んでないことになってしまっています。一方、テレビ版ではテキサスコロニーにて専用モビルスーツの「ギャン」に登場し、アムロのガンダムと戦い、ビームサーベルでぶった切られて死亡します。その断末魔も終始「いいものだ」と言っていた壺について「あれはいいものだー!」と叫びながら爆発してきます。ガンダムファンの心に残るエピソードの一つですね。

避難民の描写

物語の冒頭での出来事から、サイド7の避難民を100人近く乗せてホワイトベースは宇宙にでるのですが、この避難民の描写が劇場版ではあまり描かれてません。テレビ版ではこの避難民たち、前半で結構うっとしいトラブルをおこしています。食堂にたてこもったり、小さい子供が食べてる食事をこっそり盗んで食べる大人が描かれたり、不平不満でクレームばかり言ってきたりと、結構生々しい描写があります。すごくイヤな感じなのですが、だからこそ独特な殺伐とした雰囲気を出すのに一役買ってます。あの殺伐とした感じを出すには劇場版にも何かしら絡めてほしかった部分でもあります。

声優の違い

細かいことかもしれませんが、テレビ版と劇場版では一部キャラクターの担当声優さんが変更されています。これは『機動戦士Zガンダム』でもあったのですが、『機動戦士Zガンダム』はテレビ放映から20年後に劇場版が作られたので、さすがにどうしようもない所があったと思います。ファーストガンダムでの声優変更については、特に気になるものではないのですが、一部目立つキャラクターの変更があるので、紹介します。

スレッガー・ロウ

一番気になった変更は「悲しいけど、これ戦争なのよね」の名セリフを残し散っていったスレッガーさん。TVシリーズでは玄田哲章さん、劇場版では井上真樹夫さんが担当しています。どちらも超大御所ですが、玄田哲章さんは劇場版ではドズルを担当しています。連邦からジオンに変更になって、どちらもソロモンで結構目立つキャラ。若干違和感はありました。でも、今印象に残っているのは劇場版の方ですね。この変更、違和感は大きくはないものの、わかりやすく言うとシュワルツネッガーから、キャプテンハーロックに変わったので印象に残っています。

 

 

ドズル・ザビ

で、上でも紹介したドズル・ザビがテレビ版と劇場版の1作目では郷里大輔さんが担当し、3作目で玄田哲章さんに変わっています。郷里大輔さんは後の『機動戦士Zガンダム』でバスク・オムも担当していました。このドズルの血から随分あとに人気作品となる『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』のヒロインのミネバが生まれるのが衝撃ですね。

 

 

ドレン

シャアの腹心で物語冒頭から登場し、成長したアムロにムサイごと葬られてしまったドレンはテレビ版と劇場版の1作目では、ナレーションも担当している永井一郎さんが担当していました。アムロに討たれることになった3作目で池田勝さんに変わっています。永井一郎さんは他にいろいろ担当していて、テレビ版ではやたら声が聞こえましたね。

 

カットされた名エピソード

では、劇場版製作の際にカットされたテレビ版のエピソードを紹介します。ちなみに完全にカットされたというエピソードはあまりなく、部分的に使用されたり、統合されているシーンなどもあります。ただ物語としてカットされたエピソードがありますので、テレビ版ならではのおすすめエピソードを中心に紹介します。

 

第7話「コアファイター脱出せよ」

地球についたホワイトベースがガルマの包囲網から出れず、コア・ファイターで弾道軌道に乗り、そこから地球連邦軍の本拠地ジャブローと通信して、応援を呼ぶという作戦が描かれています。この作戦の考案はアムロ。作戦を提案している側で、なんもしないカイがアムロに皮肉をいっぱい言って、アムロをキレさせる名シーンがあります。ちなみにこのエピソードでのガンダムとシャアザクの自由落下による戦闘シーンは劇場版に使用されたりしています。また前述で紹介した避難民もガタガタ騒ぎます。このエピソードもそうなんですが、テレビ版ではコアファイターがガンダムに換装するシーンが頻繁に描写されています。

 

第8話「戦場は荒野」

相変わらず、ガルマ隊に包囲されているホワイトベースに収容されている避難民たちの数名が、故郷のセントアンジェが近くにあるため、そこで降ろしてほしいと申し出ます。前述の第7話と繋がるエピソードです。ブライトは避難民を降ろすため、一時休戦を申し込み、避難民を乗せた輸送機であるガンペリーにガンダムも乗せて、奇襲して突破口を開こうとする作戦が描かれます。このエピソードは名エピソードとファンの間でも語り継がれている話で、シャアとガルマ、ブライトの作戦の読み合いや、映画でも採用されているカイのガンキャノンでの出陣や、避難民の親子とジオン軍の兵士のやりとりなど、正義と悪者の戦いではなく、戦争を描いていて、最後にはその悲壮感を見ることができます。本編とは大きな関わりがなかったのですが、『ガンダム』の世界観がよく描かれたエピソードです。

第11話「イセリナ、恋のあと」

ガルマの死を悲しんでいた婚約者のイセリナが、なんと攻撃空母ガウ(ガルマが乗ってたやつ)を3機でガルマの仇を討ちにいくというわりとぶっ飛んだエピソード。このエピソードで劇場版未登場のガンダムの装備、ビームジャベリンがでてきたり、リュウがガンキャノンに乗ってたり、ガンダムとガンキャノンがガウをやりたい放題に暴れるエピソード。イセリナの生死についてもこのエピソードで判明します。

 

第14話「時間よ、とまれ」

私がテレビシリーズで一番好きなエピソードがこれ。ガンダムvs人間の戦いが描かれます。辺境のジオン兵が少ない装備で、アイディアのみでガンダムを撃破しようとする話で、生身のジオン兵たちが波状攻撃で、ガンダムのあちこちに時限式の爆弾を設置し逃げていきます。アムロやホワイトベースのクルーは、これを時間内に取り外せるか!というのが主な内容。モビルスーツ戦も少ないし、正直地味な話なのですが、緊迫感が素晴らしく、当時ドキドキしながら見てた記憶があります。

 

第15話「ククルス・ドアンの島」

同名のコミックスが販売されていますが、元はテレビ版のガンダムの15話。アムロが緊急信号を受けてとある島にたどり着くと、そこに子供達と暮らすジオンの敗走兵のククルス・ドアンと出会い、ドアンは島にくる追ってや連邦軍を、自分が乗っていたザクを使って迎撃しているという話で、ザクvsザクのガンダムファイトをみたりすることができる衝撃エピソードです。

 

第18話「灼熱のアッザム・リーダー」

アムロがホワイトベースを脱走したあとのエピソードで、ランバ・ラルに会う前のストーリー。ここで登場するのは、モビルアーマーの元祖となる「アッザム」。パイロットはなんとキシリアとマ・クベ!マ・クベはアレですが、同乗していただけとはいえ、キシリアがモビルアーマーに乗ってガンダムと戦うなんてこれ以降ありません。

 

第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」

ブライトさんが倒れてしまい、指示を出すのがミライさんになり、その判断や指示がめちゃくちゃで、クルーがみんなキレてしまう面白いエピソード。一番注目なのがセイラさんとミライさんの女同士のいがみ合い。特にセイラさんってこんなに性格悪かったの?と思わせる珍しいエピソードです。

 

第23話「マチルダ救出作戦」

新兵器「Gファイター」が登場するエピソード。Gファイターが劇場版では「コアブースター」に変更されたため、丸々カットされました。

 

第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」

劇場版では丸々カットされたエピソード。木星帰りの男、「シャリア・ブル」がモビルアーマー、「ブラウ・ブロ」でガンダムと戦う話で、シャアやララァ以外のジオンのニュータイプの存在や、木星帰りというその後の『Zガンダム』のシロッコにも繋がっていくようないろいろな要素を含んでいます。何よりこの話でアムロのニュータイプ能力の凄さも描かれていて、カットするには惜しいエピソードでした。この時はすでに打ち切りが決定していたのもあり、本筋にもあまりからまないので映画版でのカットはしょうがないと思うのですが・・・。しかし、その分、シャリア・ブルは小説版でかなり活躍しています。

と、いうわけでファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いでした。本文中でも伝えている通り、私個人としては、まだファーストガンダムを未視聴な人には、劇場版3部作をおすすめします。その上で興味をもった方は、ここで紹介しているカットされたエピソードを見てみるなどしてみてはどうでしょうか。結構、キャラクターの印象がかわりますよ。特にセイラさん。

今回は以上です。

ファーストガンダム劇場版でカットされたメカはどれ?
前回の記事でファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いは?をご紹介しましたが、その際、登場するメカについては一緒にしてしまうと文字量が膨大になりそうだったので、細かくは触れませんでした。今回はそこで触れなかったファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いのメカに関してご紹介したいと思います。まずは劇場版でカットされたメカを紹介し、続いて少ないですが、劇場版で追加されたメカを紹介します。

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