前回の記事でファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いは?をご紹介しましたが、その際、登場するメカについては一緒にしてしまうと文字量が膨大になりそうだったので、細かくは触れませんでした。今回はそこで触れなかったファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いのメカに関してご紹介したいと思います。ファーストガンダムに登場するメカは、劇場版のみのものから、テレビ版のみのものまで全部人気があるのが特徴ですね。そこでまずは劇場版でカットされたメカを紹介し、続いて少ないですが、劇場版で追加されたメカを紹介します。
目次
劇場版でカットされたメカ
ここで紹介するのは劇場版でカットされたメカですが、実はカットされてなかったりするものもあります。・・・何を言っているのかわかりませんね。ようするにそのメカが登場するエピソード自体はカットされていますが、別の新規カットでチラッとだけ登場しているパターンもあるということです。そういった補足もしながら紹介します。
旧ザク(ザクI)
テレビ版にて第3話「敵の補給艦を叩け!」にて登場した旧ザクが劇場版ではカットされています。パイロットのガデム自体は、補給部隊として登場していますが、その際旧ザクに乗って戦闘はしていません。手ぶらで登場し、ショルダータックルをガンダムにぶちかましたその姿は、1話しか登場していないのにも関わらず、当時の少年たちの心を鷲掴みにしました。後に通常のザクが「ザクII」、そしてこの旧ザクを「ザクI」と名称が改められています。その人気からか、劇場版3作目の『めぐりあい宇宙編』では、クライマックス前に1カットだけ、今度は武器を持たせてもらい登場しています。
アッザム
テレビ版の第18話「灼熱のアッザム・リーダー」にて登場。アムロがホワイトベースを脱走したあとのエピソードだったので、アッザムもこのエピソードも丸々カットされています。パイロットはなんとキシリアとマ・クベ!マ・クベはアレですが、同乗していただけとはいえ、キシリアがモビルアーマーに乗ってガンダムと戦うなんてこれ以降ありません。後に登場するモビルアーマーの元となった期待ですね。
Gファイター(Gアーマー)
テレビ版の第23話「マチルダ救出作戦」で玩具的に弱かったガンダムへのテコ入れとして、ドッキングなどのギミックを取り入れたパワーアップ兵器として登場したのが「Gファイター」。前後で2つのパーツに別れ、ガンダムを挟みこむことによって「Gアーマー」へと換装することができます。そしてその状態でガンダムの上半身と下半身を分離する事により、「Gブル」、「Gスカイ」という兵器にも換装します。さらに「Gブル・イージー」、「Gスカイ・イージー」というバージョンもあって、玩具としてはかなりプレイバリューに富んだ兵器となっています。パイロットはセイラさん。ってことで劇場版を見た人ならわかると思いますが、こういった玩具的なギミックを排除した「コアブースター」に差し代わることにより、劇場版では未登場となります。テレビ版では「Gファイター」しか出てこないので、スレッガーさんも「Gファイター」に乗っています。もちろん、ビグザムと戦った時もこの機体です。劇場版では未登場だし、玩具的な要素が強い機体ですが、後の「ZZガンダム」のコンセプトはこの「Gアーマー」がベースとなっているので、その存在意義は以外と大きいかもしれません。
ビグロ
モビルアーマーのビグロもカットされています。テレビ版の第31話「ザンジバル、追撃!」にて宇宙に上がってすぐにガンダムと戦い、その機動力からアムロを失神させるところまでガンダムを追い詰めます。かなり強敵として登場したのですが、エピソード的に他にあまり繋がらなく、さらに登場するとしたら『めぐりあい宇宙編』の冒頭になるので、いきなりガンダムがピンチになるわけにもいかなかったのでしょうか。たしかに『めぐりあい宇宙編』の冒頭のガンダムはめちゃくちゃかっこよく描かれていますからね。しかし、旧ザク同様によ〜くみると、劇場版の決戦前のア・バオア・クーで1カットだけ登場しています。しかも4機ほど確認できるので、量産されていた事が確認できます。
ザクレロ
おかしなデザインのモビルアーマー「ザクレロ」も劇場版では未登場。第32話「強行突破作戦」の前半パートに登場し、ガンダムにGファイターのBパーツをつけた形態と戦い、自慢の鎌で傷はつけられるのですが、呆気なくヤラれてしまいます。ちなみにこのエピソードの後半部分が『めぐりあい宇宙編』の冒頭の戦闘シーンとして描かれています。
ギャン
地味に人気のある「ギャン」も劇場版では未登場。テレビ版のエピソード第37話「テキサスの攻防」にて登場。劇場版でもこのエピソードは描かれていますが、シャアのゲルググとの戦いのみに変更されています。ちなみに劇場版にてゲルググがガンダムの頭部にビーム・ナギナタで攻撃するシーンは、実はテレビ版のギャンのビームサーベルだったりします。このシーンで辻褄を合わせるため、このシーンのみゲルググのビーム刃の色を黄色に変更されています。前回の記事でも触れましたが、テレビ版のこのエピソードではマ・クベが死亡しますが、劇場版では未登場なためマ・クベは死亡扱いになっていません。多分。最初のガンプラブームの当時、いつも余っていたのがこのギャンだったので、個人的にはあまりいいイメージありません。でも今では人気ですね。
ブラウ・ブロ
こちらも前回の記事でも紹介しましたが、劇場版では未登場なモビルアーマー。「ブラウ・ブロ」はテレビ版の第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」で登場したのですが、パイロットの「シャリア・ブル」ごとカットされています。詳細は前回の記事を参照してください。
劇場版でカットされた武器
ビームジャベリン
テレビ版の第11話「イセリナ、恋のあと」や第20話「死闘! ホワイト・ベース」などで使用したガンダムのビームサーベルが長いロッド状になり、先端にビームの刃が発生し、それを敵に向かってガンダムが投げつけるという武器が存在しました。いろいろなシーンで登場していたのですが、劇場版ではすべてカットされています。
ガンダムハンマー
テレビ版の第5話「大気圏突入」で使用したモビルスーツ用の棘付き鎖鉄球。所謂モーニングスターのような物。武器としてどうなのかは置いといて、一撃でザクを破壊する威力を見せています。しかしこれも劇場版ではカットされています。
ハイパーハンマー
第26話「復活のシャア」で使用したガンダムハンマーの強化型武装で鉄球内部に加速バーニアを仕込む事で威力を増大させたのが、「ハイパーハンマー」。ガンダムがこれをゴッグ相手に使用しましたが、ゴッグがそれを上回るパワーを持っていた為、受け止められてしまっています。さすがゴッグだ!なんともないぜ!このハイパーハンマーも劇場版ではカットされています。しかし、後に時を超えて「∀ガンダム」が使用。ポー中尉のウォドムを撃破しています。
劇場版で追加されたメカ
さて、基本的に劇場版で追加されたのは、後で紹介する「コア・ブースター」のみが完全に新規デザインとして追加されていますが、それ以外にもメカ的には劇場版での追加要素があるので、それも合わせてご紹介します。
コア・ブースター
冒頭及び、「Gファイター」の所でも触れた「コア・ブースター」が劇場版の新規デザインとして追加されたメカ。玩具的な要素の強かった「Gファイター」をよりリアルにするため、戦闘爆撃機「コア・ブースター」に差し替わりました。「Gファイター」との入れ替わりのため、2作目の「哀・戦士編」から登場。パイロットはもちろんセイラさん。劇場版3作目の『めぐりあい宇宙編』ではスレッガーさんも乗るため、スレッガー機を「005」、セイラ機を「006」と呼称します。劇中でも地球では黒い三連星の1機を撃墜するなどの活躍をみせています。
ガンキャノン
テレビ版でも普通に登場していたガンキャノンですが、劇場版3作目の『めぐりあい宇宙編』からはハヤトが乗っていたガンタンクに変わって、ハヤトもガンキャノンに乗ることになります。ガンタンクはテレビ版ではそのまま宇宙に行ってますが、たしかに普通に考えると、タンクが宇宙を飛んでるってのは、おかしな話ですね。今では当り前のような映像ですが、当時はこのガンキャノンが2機並んでいる映像にみんな衝撃を受けました。また最終決戦ではホワイトベース以外のガンキャノンが3機描かれているシーンもあり、全体的に『めぐりあい宇宙編』は新作カットだらけの作品になっています。カイのガンキャノンは「108」、ハヤトのガンキャノンは「109」と呼称されていました。
ザクII中隊長機
『めぐりあい宇宙編』が公開されるまでは、ザクに角が付いているのはシャア専用ザクのみでした。『めぐりあい宇宙編』では一般カラーの角つきのザクが登場し、劇場をわかせました。活躍としては少し残念な感じでしたが、そのコミカルな感じも当時話題になっていました。ガンプラなどで結構商品化されていますので、今では結構普通ですが・・・。
GMのビームサーベル
最後にこれも『めぐりあい宇宙編』ですが、テレビ版でGMがビームサーベルを使用するシーンが実はありませんでした(たしか)。それとどちらかというと、ヤラれるシーンが多いGMでしたが、劇場版ではビームサーベルを使用して、リックドムを撃墜するシーンが追加され、これもファンの間では大きな話題になりました。
以上がファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いのメカ編でした。細かいところですと、ガンダムの大気圏突入方法などもテレビ版と劇場版で違いがあるのですが、キリがなくなるので今回はメカ編のみに絞りました。まだまだ世間は自粛期間が続きそうなので、ステイホームで何か見ようと思っている人は、こういったファーストガンダムのテレビ版と劇場版の違いを見比べてみるのはどうでしょうか。
今回は以上です。
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