2016年の9月にナンバリングタイトルとして当時待望だった『ペルソナ5』がプレイステーション3、4それぞれで発売され、人気を博しその後テレビアニメ化までされました。そして3年後の2019年10月に新キャラクターやシナリオなどが追加された『ペルソナ5 ザ・ロイヤル(以下P5R)』が発売されました。この時に一部のユーザーからいわゆる完全版商法ではないか!と批判がありました。『ペルソナシリーズ』はこの『P5R』以前にもこういった追加要素のある作品を発売しています。今回は元のナンバリングから派生した各シリーズの追加版の内容と特徴をまとめてみました。
目次
『ペルソナシリーズ』の特徴
いわゆるカレンダーシステムが採用されたのはナンバリングでは『ペルソナ3』が最初です。『ペルソナ3』以降はどの作品も基本的には主人公の1年間をカレンダーを追って体験していくシステムですが、最初のナンバリングタイトルで3学期まで描かれているのは実は少ないのです。唯一『ペルソナ3』が3学期もプレイすることができますが、それも1月いっぱいまで。ストーリー上最後の決戦となる1/31が終わると一気に3月に時間が流れます。追加要素はこの3学期に関する内容が多いようです。それを踏まえて各シリーズごとの特徴をご紹介します。
ペルソナ3
元となる『ペルソナ3』は2006年7月にプレイステーション2用のソフトとして発売されました。
ペルソナ3 フェス
前述で説明した通り、『ペルソナ3』はストーリー上1/31で終了し、物語は一気に3月まで時間が流れます。そんな『ペルソナ3』は追加要素として、2007年4月に『ペルソナ3 フェス(以下:P3F)』が発売されました。この“フェス”とはフェスティバルの略で、お祭りソフト的な意味があるとのことです。この『P3F』は他の作品とは趣が少し違い、『ペルソナ3』のエンディング後を描く新シナリオ「Episode Aegis」が収録されています。そして本編もユーザーから寄せられた要望を踏まえた様々な追加要素・改良がされています。当時は、この追加要素を“アペンドディスク”という形で販売しました。“アペンドディスク”は本体の『ペルソナ3』をすでに持っている人向けのソフトで、元の『ペルソナ3』を一度読み込ませてから、“アペンドディスク”を読み込ませることで、本編および追加要素をプレイできます。当時の価格で『ペルソナ3』本体は6,800円だったのに対し、この“アペンドディスク”版は4,800円で販売されました。また『ペルソナ3』を持っていない人に向けて、単独起動版というのも7,800円で発売となりました。
前述でも説明した通り、本編も多少バージョンアップされていますが、この『ペルソナ3 フェス』のメインは後日談の追加シナリオ。こちらはキタローに変わってアイギスが主役となって物語が進みます。現時点でいまだプレイステーション2でしかプレイできない作品になっています。25周年で是非リメイクして欲しいところですね。
ペルソナ3 ポータブル
2009年の11月に携帯ゲーム機のプレイステーション・ポータブル用ソフトとして発売されたのが、『ペルソナ3 ポータブル(以下:P3P)』。これはただの移植作品ではなく、主人公を女性としても選択できる作品となっています。女性を選べるのはシリーズでもこのソフトだけじゃないでしょうか(ペルソナ2罰は別扱い)。この『P3P』には『P3F』の要素はありません。でも『P3F』で追加された本編のシステム的な部分は継承されています。つまり『P3P』は、『P3F』の「Episode Aegis」をカットした状態ってことですね。また当時のPSPのソフトの容量から、主人公の移動はすべてショートカットになるなど、簡易化されている部分が結構あります。本筋の物語はまったく変更ないので、本編のみならこの作品がおすすめ・・・って、今PSPなんか使っている人いるのでしょうか。まあ、PS2も大概ですが・・・。
ペルソナ4
ナンバリング作品の『ペルソナ4』はプレイステーション2にて2008年7月に発売されました。『P3F』から1年くらいしか経ってないので当時話題になりました。『ペルソナ4』の本編ではクリスマスが終了するとそのまま3月の最終イベントへと一気に進んでいました。
ペスソナ4 ザ・ゴールデン
テレビアニメを経て、2012年6月に『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』というタイトルでプレイステーション Vita用ソフトとして発売されました。この“ゴールデン”は深夜番組がゴールデンタイムに進出するように豪華になっていることに意味するとのこと。『P3P』と違ってハードの容量が増えたことにより、『ペルソナ4』の内容はそのまま移植されつつ、新規のイベントやアニメーション、ペルソナやキャラクターに新たに3学期のシナリオが追加されるなど、かなりの要素が盛られています。追加シナリオだけではなく、本編中にもバンドイベントやバイク関係など、あちこちに追加要素が加えられています。また新キャラクターの「マリー」もここで初登場になるなど、『ペルソナ4』の完全版になっていると言えます。しかし、この時は『ペルソナ4』から4年経っていたり、プレイステーション2がメインハードではなくなっていたのもあって、完全版だということで批判はほとんどありませんでした。むしろ、アニメで一気にファンが増えたので、ゲーム内容も良かったことから、ファンには喜ばれていました。つい最近の2020年6月にはこの『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』をSteamにて、Microsoft Windows版が全世界に向けて発売されていて、本編から10年以上経っているのに、大きな売り上げをあげています。
ペルソナ5
『ペルソナ5』は冒頭でもお伝えした通り、2016年の9月にプレイステーション3、プレイステーション4それぞれで発売されました。人気を博しその後テレビアニメ化までされました。ゲーム本編はアニメと同様にクリスマスまで描かれ、その後一気にバレンタインまで時間が流れる感じです。そして最後にエンディングの3月まで時間がながれる感じです。
ペルソナ5 ザ・ロイヤル
2019年10月にプレイステーション4版のみで、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』が発売されました。新規のイベントやアニメーション、ペルソナやキャラクターに新たに3学期のシナリオが追加されるなど、ほぼ¥追加要素としては、『ペルソナ4』と『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』のような関係性です。ただ『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』に関しては追加されるキャラクターのコミュによっては、クリスマスの戦いがラストではなく、さらに別のラスボスが登場するなど、物語にも大きく影響があります。ちなみに元となる『ペルソナ5』ももそのまま入っているので、そちらのエンディングを迎えることも可能です。追加キャラの2名も物語の序盤から主人公に絡んでくるし、ダンジョンである「パレス」もいろいろとギミックが追加され、マップそのものも新しくなっていたりと、追加要素はそれなりに多いのですが、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』に関してはかなり批判がありました。現在はダウンロードコンテンツがあるので、それで対応できたのではないか?とか、この追加要素でフルプライスは高すぎるなど、いわゆる完全版商法への批判的な内容が多いです。これまでと大きく違うのは、発売したハードが元の『ペルソナ5』と同じハードだったというのが大きいでしょう。前述にも伝えた通り、内容的には『ペルソナ4』と『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』と同じくらいで、当時『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』はフルプライスでしたが、あちらはハードがプレイステーション2とプレイステーション Vita。ダウンロードコンテンツでの対応はもともと不可能だったわけです。『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』に関しては追加要素の量でいえば、たしかにダウンロードコンテンツでもできる範囲だったと思いますが、冒頭からだいぶシナリオに手が入れられているため、ただ単に追加要素として販売するのも難しかったようにも思えます。個人的には大満足な作品だったので、批判されているのが辛いです・・・。
ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ
もう一つ2020年の2月に発売されたのが『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』。これは追加ディスクとか追加要素とかではなく、まったくの続編となっていて、おなじみの怪盗団たちの半年後の物語となっています。システムも通常のRPGからアクションRPGになっていて、ペルソナをうまく使いながらバトルしていきます。登場するキャラクターはそのままの全くの新作。追加キャラクターももちろんいます。ゲームを普段プレイしない人で、アニメを見た人で、怪盗団のその後を知りたい人は、本ブログ内にてこの『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』のネタバレストーリーも紹介していますので、気になる人はチェックしてみてください。ちなみにこの作品は『ペルソナ5』の続編で、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』とは繋がっていません。『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』に登場した追加キャラクターなどは一切登場しないので、そのへんはご注意を。
以上がペルソナシリーズに関するいわゆる完全版や追加版に関する内容の紹介でした。今からプレイするなら完全版・・・と言いたいところですが、『ペルソナ』シリーズに関しては、『ペルソナ5』のように続編に内容がつながらなかったり、『ペルソナ3』のようにプレイステーション2でしかプレイできなかったりと、いろいろ調べてからプレイする必要がありますので、その際にもう一度、この記事を参照してもらえればと思います。
今回は以上です。
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