連日報道されている“硫酸男事件”。硫酸男と聞くとプレイステーション2用ソフトの『クロックタワー3』のボスを思い出しますが(私だけ?)、いまでは容疑者も逮捕され一安心ですが、事件が起こった当初はこれが無差別なのではないかと、世間を震撼させました。結果、怨恨による計画的な犯行とのことですが、今回はその硫酸の威力と、この事件に関する不明瞭な部分を取り上げてご紹介します。
目次
まずは事件について
8月24日に不動産会社に勤める会社員男性Aさんを尾行し、白金高輪駅のエスカレーターで、追い抜きざまに持っていた硫酸をAさんにふりかけて、犯人が逃走し話題になったこの事件。28日の午前10時頃に指名手配だった花森容疑者は逮捕されました。当初無差別ではないかと非常に恐れられた事件でしたが、怨恨によるものということで、足取りもとらえやすかったので、無事逮捕となりましたが、花森容疑者は逮捕された時、犯行時に自ら硫酸を被ったらしく、両腕や胸部の皮膚がただれていたようです。被害者となったAさんは顔にやけどを負い、失明こそまぬがれましたが、両目の角膜が損傷し全治6カ月の傷を負ったとのこと。犯人とAさんの後ろをたまたま歩いていた会社員女性(34)も液体が足にあたり軽傷を負っています。この硫酸の威力とはどんなものなのでしょうか。
硫酸の威力
人間がまともに浴びれば皮膚が焦げて火傷のようにドロドロになり、目に入れば失明する危険な物質である硫酸。普通に生活しているとなかなか日常で、お目にかかることはありませんが、動画でその硫酸の怖さがわかるものがありました。硫酸にかんする動画はいろいろあったのですが、薄めて使用するなどといったものばかりの中、下の“硫酸に水を入れてみた”という動画が短いですがその威力がよくわかりました。
濃硫酸を頭から大量にあびたらショック死する可能性もあるとのことですが、殺害が目的ならば、花森容疑者はなんでこんな方法を使ったのでしょうか。
動機は タメ口?
現在のところ、花森容疑者は警視庁の取り調べに「今は何も話したくない」と話しているそうですが、被害者となったAさんからは、一度だけ「恨みを買ってしまったかもしれない」と話した出来事があるそうで、Aさんが「大学時代に(花森容疑者に)タメ口を使いトラブルになった」と話したことが29日、捜査関係者への取材で分かったそうです。花森容疑者はかつて琉球大農学部に在籍し、映画サークルでAさんと一緒だったとのこと。Aさんは「数人でいた時に花森容疑者にタメ口を使ったら『自分が年上なのに、タメ口はおかしい』と怒られた」と説明しているそうです。・・・タメ口?・・・それだけ?本当にそれだけで、静岡に住んでる人が東京まで来て、硫酸をぶっかけることまでするのでしょうか。
花森容疑者の移動距離
気になったのが、犯行に及ぶ花森容疑者の移動距離です。花森容疑者は犯行におよぶ際、静岡市葵区の自宅を出て、Aさんの勤務先がある赤坂見附駅へと向かっています。その後、会社付近をうろつき、Aさんを見つけると尾行を開始。地下鉄に乗ったAさんをそのまま追いかけ、白金高輪駅のエスカレーターにて追い抜きざまに、硫酸とみられる液体をAさんの体にかけて全治6カ月の怪我を負わせました。犯行後、品川駅から新幹線に乗っていったん静岡に帰宅。翌日の25日には家を出て静岡駅に向い、沖縄行きの飛行機に乗り、沖縄の空港に着くとバスで宜野湾市内の友人宅まで向かい、その友人宅で3連泊したそうです。静岡→東京→静岡→沖縄とかなり移動しています。おそらくは計画的な犯行で、犯行後のことまで考えての移動だと思われます。花森容疑者は静岡県内の私立大学付属高校を卒業後、地元を出て、沖縄県の琉球大学に進学しています。今回頼った友人もこの時代に知り合ったと友人だと思われます。そして、今回被害者となったAさんもこの琉球大学時代に花森容疑者の後輩として映画サークルに所属していたそうです。二人のトラブルはこの琉球大学時代にあったと思われています。
なぜ硫酸などという手段を使ったのか
被害を受けたAさんの大学時代の友人は「Aは皆に慕われていて、恨みを持たれていたとは考えづらい」と証言したそうで、「Aは関東出身で、関東の大学を受験したのですが合格せず沖縄の大学にしたと聞きました。それでも決して腐ることなく、『いつかは起業したい』という志を持って勉強も頑張っていた。就活も誰よりも汗を流して今の会社に入り、1日100件以上も電話をかける厳しい営業ノルマを文句も言わずこなしていました。料理も得意で、から揚げを皆に振舞ってくれたり、勉強もよく教えてくれた。大学時代に交際していた女性はいましたが、女性トラブルの話も聞いたことがありません」とAさんについてこの友人は話しているそうです。
もしAさん本人が、今回の動機について、タメ口の件しか思い当たらないのであれば、私は勝手にこの大学時代に交際していた女性というのがいろいろ関係あるのではないかと睨んでいます。もちろん、Aさんの人柄が友人の人がいう通りであれば、花森容疑者の一方的な感情だったりするかもしれませんが、それぐらいの怨恨でないと、タメ口を使っただけで、硫酸をかけるなんて行動は考えられないですから。刃物を使ったりするわけではなく、場合によっては今後生きていく上で、人によっては死ぬより辛くなるかもしれない今回の方法は、半端ではない執念を感じてしまいます。
その後、花森容疑者は大学時代のAさんの態度が気に入らなかったと供述しているとのことですが、それはそうとしても、あれだけの移動を行って、硫酸をかけるまでの動機とはなかなか考えにくいのが正直なところです。今後、もっといろんなことが明らかになるか、それとも詳細な情報はこのまま消えて行ってしまうか注意していきたいですが、得てしてこうゆう事件が起こると、真似するような人がでてくることもあるので、まだしばらく用心したいですね。物騒な世の中になったものです。
今回は以上です。
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