『シン・ウルトラマン』から「新マン」「新ウルトラマン」問題が再燃

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公開されると同時にその内容も観客動員数も話題となっている『シン・ウルトラマン』今回はその名前が発端となって改めて話題となった『帰ってきたウルトラマン』について紹介します。



目次

帰ってきたウルトラマン

大ヒット中の空想特撮映画『シン・ウルトラマン』。あの『シン・ゴジラ』と同じ庵野秀明さん企画・脚本、樋口真嗣さんが監督を担当するということで、これまで『ウルトラマン』シリーズの作品に興味なかった人も映画館にまでいった人も多いかと思います。庵野秀明さんの『シン』シリーズにはそういった今までファンではなかった人がそのシリーズに触れるきっかけにもなるので業界的に貴重なシリーズなんじゃないでしょうか。
そして映画がヒットすることにより、最近この映画のタイトルを「シン・マン」と略す人も多くなってまいりました。このことについては以前、『シン・ウルトラマン』について紹介した際に少し触れたのですが、かつて「新マン(しんまん)」と呼ばれていたウルトラマンがいました。それが『帰ってきたウルトラマン』。『帰ってきたウルトラマン』は1971年4月2日から1年間にわたって放映された『ウルトラマン』シリーズの3作目の作品です。
この『帰ってきたウルトラマン』というタイトルは、現在映画公開で話題となっている『シン・ウルトラマン』の原作となる初代の『ウルトラマン』が、そのあとに放映された『ウルトラセブン』を経て、ウルトラマン本人がタイトル通り「帰ってくる」ことからつけられたものでした。つまり2つの作品のウルトラマンは、同一人物になる予定だったのです。
しかし、この設定は当時の商品上の都合で廃案となってしまいタイトルはそのまま、登場するのはまったく別のウルトラマンということになり、デザインも変わることになりました。

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新マン

本編中『帰ってきたウルトラマン』に登場するウルトラマンは「ウルトラマン」と呼称されています。顔はほぼ同じだし、体の柄は違いますがそれでも大きくかわることがなかったので、テレビ放映時には大きな問題はありませんでした。この『帰ってきたウルトラマン』、実は『ウルトラマン』シリーズ初の別の作品からのゲスト出演がありました。正確には初代『ウルトラマン』の最終回にゾフィーが登場しましたが、他作品の主役が登場したのは『帰ってきたウルトラマン』が初です。第38話「ウルトラの星 光る時」でかなりピンチになった『帰ってきたウルトラマン』を初代ウルトラマンとウルトラセブンが救出にくる場面があります。子供の頃、かなり熱くなりました。それを機に初代ウルトラマンと『帰ってきたウルトラマン』に登場するウルトラマンの差別化が必要になってきました。
そしてその後の作品となった『ウルトラマンA』に登場した際にはヤプールから「ウルトラマンII世」と呼ばれてましたが、さらにその後の作品となる『ウルトラマンタロウ』『ウルトラマンレオ』のナレーションでは「新ウルトラマン」を略した「新マン(しんマン)」と呼ばれるようになり、この名前で落ち着くこととなりました。

 

ウルトラマンジャックに改名

そして事件が起こります。1973年に放映された『ウルトラマンタロウ』以来、10年以上ファンや当時の子供達から「新マン」と呼ばれ落ち着いていた所、1984年に公開された映画『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』にて、「新マン」から「ウルトラマンジャック」に名前が改名されました。映画内でも、ストーリーテラーを務めるゾフィーから「ジャック」という名前がつけられたことをファンに報告しています。改名というか、設定上今までも「ジャック」だったということになっているのですが、この改名に関して当時古くから『ウルトラマン』シリーズを愛してきたファンから反発を受けることになります。このことがきっかけで「ジャックとは呼ばない!」という意思表示を声高に言う人が出てきました。実際、私の知り合いで古くからの特撮ファンに新マンのことを「ジャック」と呼んだら、「ジャックって呼ぶな!」と怒られたことがあります。古くからのファンではいまだにこの「ジャック」という呼称に対して批判的な人がいますが、「ジャック」という名前になってもう40年近く経過しているので、いい加減認めてもいいような気もするのですが・・・。



 

実は他にも・・・

後から名前がつけられたと例として、実は私も知らなかったのですが、2009年公開された映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』でなんと「ウルトラの父」に「ウルトラマンケン」、「ウルトラの母」に「ウルトラウーマンマリー」という名前がつけられていました。びっくり。これが「ジャック」ほど問題にならなかったり、話題にならなかったのはメインで戦う戦士ではないからなのか、それでも「ウルトラの父」、「ウルトラの母」ということには変わりないからなのかは、わかりません。そして実は初代『ウルトラマン』にも名前がありません。「ウルトラマン」、「初代マン」なという呼称がずっとされています。こっちも問題じゃないかと思うのですが、今回話題となった映画『シン・ウルトラマン』のクライマックスで登場した「ゾーフィ(注:ゾフィーじゃない)」に「ルピア」と呼ばれているシーンがあるので、もしかしたら初代ウルトラマンも『ウルトラマンルピア』なんて名前がついちゃったりするかもしれませんね。

以前少しだけ紹介した時にもっとちゃんと紹介したいなぁと思っていたので、今回はある意味よかったです。というか『シン・ウルトラマン』というタイトルがやっぱり「新ウルトラマン」と被ってしまったんですね。そうなると『シン・仮面ライダー』と『真・仮面ライダー』の関係も気になります。それについては『シン・仮面ライダー』公開時期にでも。

今回は以上です。

コメント

  1. シシキバ より:

    帰ってきたウルトラマンのネーミング問題 帰ってきたウルトラマンて、未だにファンの間では帰マンやウルトラマンジャック等様々な名前で呼ばれてますが、何故放映当時にハッキリとした名称を付けなかったんですか? 最初の構想では初代ウルトラマンが帰ってくるという設定だったそうですが、実際は初代ウルトラマンとは別人として制作されたのだから、放映開始前にしっかりとした名前を付けないとおかしいと思うんですけど…
    自分は平成世代なのでウルトラマンジャックの方がしっくりきますが、帰マンや新マンはウルトラマン個人の名前として相応しいのかぁ…?
    他のウルトラマンにはセブンやエースとか格好いい名前があるのに… 自分がもしリアルタイムで試聴していたら、帰マンや新マンとかの名前じゃなくて、初代ウルトラマンとは別人ならハッキリとした名前を教えてくれよ! と疑問を制作者にぶつけていたと思います 。
    でもウルトラマンジャックという名前は放映終了後かなりたってから決まったことから、当時の制作者や試聴者は帰マンや新マンという名前でも、特に疑問を感じなかったてことですよね?
    どうして18話のベムスター『ウルトラセブン参上!』や37話と38話のナックル星人とブラックキング『ウルトラマン 夕陽に死す』と『ウルトラの星 光る時』の時に帰ってきたウルトラマン(後のウルトラマンジャック)の名前が付かなかったのですか?
    こんな質問ですが、回答よろしくお願いします 因みに帰ってきたウルトラマンがウルトラマンジャックに命名されたのが1984年の映画「ウルトラマンZOFFY ウルトラマンの戦士VS大怪獣軍団」です。
    補足
    後いえるのは「新マン」や「帰マン」や「二世」もじゃそもそも「名前」じゃないじゃない いや新マンや帰マンで覚えてきたってんならまぁ仕方ないけど、でもずっとそんな区別する為の、ある種動物の学名みたいなのじゃ、覚えにくいしそもそも呼びにくいやろ