『境界戦機』第2部のネタバレストーリーを紹介します。それなに端折ったのですが、今回少し長くなってしまったので、前編、後編の2回に分けて紹介します。今回は後編です。
目次
新日本協力機構
八咫烏の代表である「宇堂キリュウ」は密かにある組織と連絡を取っていました。その相手はなんと「アジア自由貿易協商」、「大ユーラシア連邦」、「オセアニア連合」のかつての敵の3勢力でした。なんとこの3勢力が日本地区に限定した協力体制を敷き、八咫烏にも参加を求めているのです。見返りとしては「新日本協力機構」として北陸地方の解放が提案されていて、参加すれば八咫烏は一部だが国土を取り戻すことができます。これまで敵同士だった彼らは北米同盟の勢いの前に、一致団結しようとしていました。アモウも一度戦ったことのあるユーラシアのアレクセイと会い、お互いが味方同士になった事を確認しました。
そして隠岐の島の戦いの時に和解していたアジア軍のホウ・グアン特任大尉は八咫烏の熊井との再会を喜びます。
ここで協力体制と北米同盟の正式な話し合いの前段階に当たる会議が行われることになったのですが、なぜか会議の参加者にアモウが指名されました。アモウを指名してきたのは、あのブラッド大尉でした。
疑惑
アモウはアレクセイと共に北米同盟の支配地域に行くことになりました。北米同盟の支配地域に着きましたが、会議がはじまる前に参加者の一人であるロイ・ウォーカー議員が狙撃されます。ロイ・ウォーカー議員は北米同盟内でも自律思考型AI開発の反対派でした。北米同盟では狙撃したのはアモウたち「新日本協力機構」という疑いをかけます。ちょうど同じタイミングでとある狙撃手と接触していたブラッド大尉。真相はわからないままアモウとアレクセイ軟禁状態になってしまいました。しかし、なんとブラッドが二人を脱出させてしまいます。ブラッドの行動に2人はきな臭さを感じつつも、一路、北陸を目指しました。宇堂達は2人を救出するため、北米軍は捕縛するため、それぞれに部隊が動くことになります。
逃亡、そして
アモウが八咫烏に所属する前から活躍し、アモウやガシン、シオンたちの面倒もみてきた「馬﨑」と、アレクセイの副官で幼馴染でもある「ダリア」は2人の救出のために行動を共にすることになりました。そして逃亡を続けていたアモウとアレクセイがついに北米同盟軍に捕捉されそうになった時、ダリアのAMAIN「ゼリーゼジアマン」の攻撃が、北米同盟のAMAINを撃墜。馬﨑とダリアはなんとか間に合い、アモウたちは用意されていた車で移動を始めます。
そんな時、北米同盟を足止めしていたダリアの機体が被弾し、身動きがとれない状況に陥ってしまいました。危機一髪の所で、馬﨑が援護します。しかし、馬﨑のAMAINも被弾。北米軍のAMAINを倒すことができましたが、馬﨑の機体も爆散し、戦死してしまいました。
新日本協力機構軍との交戦を経て、北米軍は北陸への大攻勢作戦を決行。アモウたち新日本協力機構は馬﨑を失った傷を癒やす間もなく、次なる戦いへの準備を急ぐことになります。
決戦
そしてついに開戦となります。戦力はわずかに北米軍の方が上。ミスズによって強化されたAIでユーラシア、アジア、オセアニア各経済圏のAMAINの戦闘力は格段に向上しているが未だ完成前であり、北米同盟の物量や戦術特化型AIの脅威を払拭するまでには至っていませんでした。新日本軍の強みはアモウ達のオリジナルAMAINの3機。前線が少しずつ押される中でも3人は圧倒的な活躍を見せてます。しかし、一歩も引けないこの状況の中、アモウの乗るケンブ斬の前についにブラッドが操るゴースト搭載機、ブレイディファントムが現われました。そしてさらにゴーストベースのAIを搭載した無人機群の物量により徐々に北米側が有利となっていきます。
ケンブ斬 vs ブレイディファントム
激突するアモウ操るケンブ斬とブラッド操るブレイディファントム。とても有人機とは思えない動きに、アモウとガイは翻弄されます。これだけの戦闘力を得たブレイディファントムは、ショックアブソーバーを始めとした安全装置をギリギリまで削って戦闘力に割り振った機体であり、有人制御にも関わらず無人機さながらの機動を可能としていました。しかし、そんなことをすればパイロットの体に非常な負担がかかるのは言うまでもなく、アモウのケンブ斬相手に有利に戦闘を進めるブレイディファントムの操縦席でブラッドは血まみれになっていきます。攻撃を受けるたびに苦しむガイ。そんなガイを見かねたアモウはケンブ斬の安全装置もカットするようにガイに提案します。この提案を否定するガイ。詰め寄るアモウに「隠岐の島のような思いはもうごめんだ!あの時は一緒に死んでもいいと思ってた。けど、お前が生きているって分かった時は…嬉しかったんだ。だから、だから俺は絶対にお前を守る!」とガイは言います。
そのまま戦いを続ける二人。機体損傷はケンブ斬の方が大きいが、パイロットの負担はブラッドの方が圧倒的でした。なんとか形勢を逆転しようと試みるアモウとガイに思わぬ助けがきます。ガシンと行動を共にするケイとシオンと行動を共にするナユタの2人のAIがリソースをケンブ斬に分ける形でガイに力を与えていきます。
一方、リソースをケンブ斬にもっていかれた分、ガシンのジョウガンとシオンのレイキが苦戦することとなります。しかし、ミスズが3勢力の量産の無人機にガイたちI-LeSベースのAIをインストールして戦況を巻き返しました。
決着
そして3体のI‐LeSが集まったケンブ斬も巻き返し始めます。日本を取り戻すために戦うというアモウに対し、ブラッドは戦いの中で、自分が求めたのは「暴力」だと言います。AIで自動化された戦争など兵士たちの価値は数字でしかなく、そんな今の時代に有人機に乗ったブラッドとアモウの戦いを伝えたいといいます。出生率の数も戦死者の数も数値として残るだけだというブラッドにアモウは強く否定します。これまでいろんな人に助けられた事、仲間や友達ができて嬉しかったこと、なにより「ガイ」はAIながらもアモウにいつも寄り添ってくれた事。辛いときもうれしい時にも。アモウはそんな人達が笑って暮らせる世界にしたいといいます。それでも否定するブラッドにアモウは「そんなんじゃ、AIの方がよっぽど人間らしいじゃないか!」と叫びながらブラッドに攻撃を仕掛けます。すでに限界が近いケンブ斬。3人のAIは次の1撃が最後だといいます。するとアモウは「必殺技だガイ!この一発のすべてをかける。音声入力しか受け付けない。」その言葉はアモウとガイが初めてケンブで戦った時、ガイがアモウに強要してきた言葉でした。ケンブ斬の拳にすべてをかけ、一方のブラッドのブレイディファントムも拳で応えます。
「バルディッシュブレイカーーーー!」アモウとガイの声で放たれたケンブ斬の一撃が、ブレイディファントムを打ち砕き、戦いは終わりました。しかし、アモウの目に投影されていたガイの姿は消えていってしまいました。
そして背任行為をしていた北米軍のジョウ・スピアーズや彼の協力者のジェルマンが拘束され、戦闘は終結しました。
ブラッドのその後
ブラッドは病院で目を覚ましました。ブラッドの真意は、養父であるジョウ・スピアーズの不正の告発でした。そして背任行為をしていた北米軍のジョウ・スピアーズや彼の協力者ですべての発端となったジェルマンは拘束されました。この目的のために戦争という大きな犠牲を払ってしまった自分の大罪に対し、ゴーストとともに命を絶とうとしていたのでした。しかし、なんとそんなブラッドを脱出させたのがあのゴーストだったのです。
旅立ち
一方、ガイは完全には元には戻りませんでした。自律思考型AIとしては復旧されましたが、アモウとの記憶は一切ありませんでした。ガシンとケイはこのまま八咫烏に残り、シオンはナユタとともに「姫之焼」の復興のため、祖父の元に戻ることになりました。そして思考プログラム以外はサルベージできず赤ん坊のようになってしまったガイとアモウは「こいつと、また一から思い出を作るよ」と言っていつかガイと約束していた旅に出ます。
海にたどり着いたアモウは「やあ。おはよう、ガイ」とガイに語りかけます。「俺は椎葉アモウ。よろしくね」「ア、モ、ウ」と片言の言葉でガイが応えた所で、『境界戦機』の物語は幕を閉じました。
以上でネタバレストーリーは終了です。感想に関しては以前に書いた記事を参照にしてください。
今回は以上です。
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