『水星の魔女』の話が複雑でわからない人が続出?なら説明しましょう

サブカル

大好評で放映中の『機動戦士ガンダム水星の魔女』ですが、シーズン2に入り、内容が複雑だという声が、SNSやネットで増えてきているようです。



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シーズン2から話は複雑

毎週、放送されるたびに話題となっている『機動戦士ガンダム水星の魔女』ですが、シーズン2に入り、内容が複雑だという声が、SNSやネットで増えてきている模様。『水星の魔女』の第1クールは、学園内の生徒同士による決闘がメインで描かれていて、世界設定でいろいろな対立構造や格差自体はあったものの、これまでのガンダムシリーズのように、どことどこの勢力が争っているというような構図が物語のメインではなかったため、これまでのガンダムシリーズを見ていなかった人でも、わかりやすくかなり注目されてきたと思います。
しかし、シーズン2に入り(というか第1クールのラスト付近から)、戦争もしくは対立といったこれまでのガンダムシリーズで描かれてきたような争いがメインになってきていて、ここにきてやっぱりわからなくなってしまったという人が少なからずいるようですね。私個人としてはあの平和な雰囲気だった学園中心のストーリーから、一気にキナ臭くなってきたのがすごくゾクゾクするのですが、これまでガンダムシリーズを好きではなかった人からすれば、勢力や構図、設定というのは少々鬱陶しく感じるのかもしれません。今回は、そんな『水星の魔女』の世界観で起こっている対立構造や世界観について、できるだけわかりやすく紹介したいと思います。とは言いつつも、私もまだ視聴中なので、完全にわかっているわけではありませんが、これまでわかっている事を中心に、できるだけ専門用語的なものを使わずに解説したいと思います。



 

アド・ステラ

まずはこの作品に使用されている年号について。この作品に限らずガンダムシリーズでは、現在私たちが使用している年号である「西暦」は使用されません。なぜかというと明確に西暦何年の物語って言ってしまうとその時代になった時に、そんな時代にならねーじゃねーかとつっこまれるため(多分)。なのでガンダム作品ではなるべく自分たちの生活している未来に、もしかしたら起こりえるかもしれない出来事にするため、西暦という年号は使わず、西暦の後か、それよりもさらに後に使われるかもしれない、架空の年号を使って、どれくらい未来の出来事なのかを曖昧にしているんです。でもって『水星の魔女』の時代で使用されている年号がこの「アド・ステラ (Ad Stella)」とうわけです。略す時は「A.S.」と表記されます。『水星の魔女』の物語が描かれているのはA.S.122。アド・ステラ122年ということですね。アド・ステラの前の年号は西暦だったのか、宇宙世紀だったのか、そのへんは誰もわかりません。
・・・ちなみに、わかりやすくするため、ガンダム作品では西暦は使用しないと言ってしまっていますが、実は1作品だけ年号が西暦の作品があります。その作品のタイトルは『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』。この作品は堂々と西暦で年号を示しているんですねぇ。

 

スペーシアンとアーシアン

物語中、やたらと登場すること言葉。なんとなく想像つくと思いますが、スペーシアンは宇宙に住んでる人「宇宙移民者」それで地球人「地球居住者」をアーシアンとこの作品では呼ばれています。この世界では少数のスペーシアンが大多数のアーシアンたちより立場が上らしく、支配している側のスペーシアンが、アーシアンたちの労働力と税金を搾取する社会構造が出来上がっていて、その状態が一世紀以上続いている世界ようです。なので必然的にスペーシアンの連中はアーシアンを見下していて、差別のような構図がこの世界では出来上がっているわけです。アーシアン側もその状態に不満があるようで、実際、劇中でもアーシアンが暴動などを起こして、スペーシアンがそれを弾圧しているシーンがありました。アーシアンにも関わらず、企業の推薦などによってアスティカシア高等専門学園に通う地球寮のメンバーが学園内でも、嫌がらせのような事をされるのはそういった背景があるからです。チュチュのあのキレっぷりを見れば、お互いどんな感情をもっているかわかるんじゃないでしょうか。残念ながら私たちの住むこの現実世界でも差別は存在し続けています。それの宇宙と地球版という感じですね。

 

物語の背景

でもってこのアド・ステラの時代では、宇宙に進出をしていった企業が力を持っているという設定になっています。国や政府よりも力を持っているという設定になっているようです。過去にスペーシアンとアーシアンの対立で始まったたくさんの戦争によって、そういった企業が莫大な利益を得たという背景があるようです。こういった設定や物語を解説する時、かっこつけた言い方で「企業」って言葉を使いますが、ようするに会社やメーカーですね。なのですごく雑な説明をすれば、武器売ってる会社が戦争のおかげでウハウハになって、世の中を思い通りにできるくらい力をもっちゃったって感じの世界です。

 

ベネリットグループ

そしてそんな企業の中でもモビルスーツ産業最大手のベネリット社が頂点となって、他の会社がグループとして参加した巨大複合企業体が「ベネリットグループ」。本編での総裁はデリング・レンブラン。合計157社の企業で構成されていて、グループ内での業績トップの「ジェターク・ヘビー・マシーナリー(ジェターク社。グエルの所)」、「ペイル・テクノロジーズ(ペイル社、エランの所)」、「グラスレー・ディフェンス・システム(グラスレー社、シャディクの所)」の3社は「御三家」と呼ばれ強い影響力をもっているようです。ちなみにスレッタの母プロスペラが代表を務めるエアリアルを作った「シン・セー開発公社」もベネリットグループのひとつ。

 

フォルドの夜明け

第1クールの終盤から登場したテロ組織が「フォルドの夜明け」。メンバーはアーシアンがほとんどのようで、反スペーシアンの組織です。前述のスペーシアンとアーシアンの対立を武力を持って反抗する勢力ですね。スペーシアンとアーシアンのハーフであるグラスレー寮のシャディクと関係があるようで、第1クールの終盤でのデリング襲撃事件はシャディクの指示によって、「フォルドの夜明け」が実行したようです。ゲリラ組織のため、モビルスーツなどの兵器は旧式のものが多いようですが、ルブリス・ソーンとルブリス・ウルの2体のガンダムを所持していて、さらにモビルスーツ型のガンビットである「ガンボルヴァ」も所持しています。これはまだ明確にされていませんが、シャディクから支給されたんじゃないかと予想されます。

 

今どうなっているか

さて、こうした設定や背景のもと、シーズン2ではかなり大きく物語が動いています。まずは、シャディクが学生でありながも、「フォルドの夜明け」を使ってデリングを襲撃したり、学園を襲撃させ自分の養父であるサリウスを拉致しています。シャディクの目的はベネリットグループの解体。スペーシアンばっかり有利な状況じゃなく地球にも資金や兵器を与えようとしているようです。そんなことすれば大きな戦争が起こってしまうのですが、なぜそうしたいのかまではまだちゃんと語られてません。
一方、スレッタの母であるプロスペラは、本来は敵であるはず(プロローグ参照)のデリングと手を組んで、「クワイエット・ゼロ」を計画しています。「クワイエット・ゼロ」はパーメット(この世界にある架空の元素)を利用して、通信を支配し戦争のない世界を作ろうとしている・・・らしいのですが、プロスペラの本当の狙いはいまだ曖昧です。どちらにせよ、この「クワイエット・ゼロ」を起こすトリガーはエアリアルで、スレッタをアスティカシア高等専門学園に入学させたのは、決闘でエアリアルが高いパーメットスコアを使用できるようにするための準備だったようです。
今後の展開はシャディクが「フォルドの夜明け」と起こす反乱によって、戦争が起こってしまうかどうかと、デリングが目覚めない状況の中、プロスペラがやろうとしている「クワイエット・ゼロ」が本当はどんなものなのか、そしてそれらに翻弄されるこれまで親しんだキャラクターたちの運命などが見どころになってくると思います。

たくさん考察されてるし、いろんな予想があちこちで飛び交っていますが、現時点ではまだ物語の途中なので、わかるのはこのくらいです。あとは物語の展開でこれらの設定や背景がどのように活かされるか。一緒に楽しみながら見届けましょう。

今回は以上です。

 

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