伝説のダンジョンRPG『BUSIN』について語りたい!

サブカル

以前、PS2でしかプレイできないオススメゲーム!という記事にて簡単に紹介してしまったPS2専用ソフトである『BUSIN ~Wizardry Alternative~』今だにPS2でしかプレイできないこのゲームなのですが、どうしてもしっかり紹介したくて、今回は『BUSIN』のみをご紹介します。・・・今更PS2って。と思うかもしれませんが、現在も私がダンジョンRPGが大好きになってしまったこのゲームに、興味がありましたら、のぞいていいってください。

 

目次

まずはゲームについての概要

『BUSIN』は今より20年前、PS2専用ソフトとして2001年にアトラスより発売した作品。古くから有名な名作RPGである『ウィザードリィ』を作っていた会社、サーテック社が倒産したあとに、権利を引き継いだオンタリオ・インクって人が、様々な会社に『ウィザードリィ』を作らないかというオファーを持ちかけ、当時アトラスに在籍していたメガテンシリーズで有名な岡田耕始さんが、熱烈なウィザードリィファンだったことから、このオファーを受け、岡田耕始さんがオリジナルの味付けをして世に放たれたのがこの作品がこの『BUSIN ~Wizardry Alternative~』です。
『ウィザードリィ』というゲームは1人称視点のダンジョンマップの中を進んでいき、エンカウントしたモンスターと戦い、レベルを上げながら戦利品を得るという、今のRPGの根幹を作った作品である事は有名です。それゆえか、物語の多くは語られず、難易度も高く、自分で作成したパーティーメンバーそれぞれには個性がないので、物語も多くはかたられなかったりして、日本産のゲームになれた我々にはとっつきにくく、一部のコアなファン以外にはあまり人気はありませんでした。もちろん、当時の当時は革新的なゲームなので、非常にその存在は偉大で、『ウィザードリィ』がなければ今日のゲーム作品は生まれませんでした。でもそれはそれで、現代の目で見た場合、やはりコアなファンにしかニーズはありませんでした。
そんな『ウィザードリィ』をできるだけ遊びやすくしていて、ただの地味なダンジョンRPGではなく、独自のストーリーと、独自の戦闘システムなどにより、これまでのダンジョンRPGとはまったく別の作品として『BUSIN』は誕生しました。

ゲームの魅力

まず『BUSIN』についてプレイ感覚から簡単に紹介します。物語や世界観、ダンジョンの中も非常にダークな感じです。時代的にボイスはありませんが、この作品にはボイスがないからこその雰囲気もあるので、そこは大きな問題じゃありません。また、ダンジョンや戦闘画面は当時では相当頑張っているポリゴンになっていて、戦闘中もモンスターは様々なアクションを起こします。その動きが他のゲームではあまり見ない特徴的あアクションが多く、見ていて飽きません。飽きませんが、一回一回アクションをするのと、後述で説明するアレイドアクションの戦略や演出などもあり、1回の戦闘が長くなります。ダンジョン内も非常に広いため、じっくり腰を据えてプレイしたい人向けの作品となっています。今、プレイすると気になる所もあるかと思いますが、もしなにか気になったら、“2001年に発売されたソフト”という事を思い出せば問題ないかと思います。ではこの『BUSIN』が『ウィザードリィ』からアレンジされたその内容についてら紹介します。

パーティーメンバー

『BUSIN』では『ウィザードリィ』同様に主人公以外のパーティーメンバーをもオリジナルで作成できるのですが、ゲームを進行していくとストーリー上、仲間になるキャラクターがでてきます。名前も性格も職業にそれぞれの物語を持った彼らをパーティーに加えてダンジョンに行くと、要所要所で会話イベントが入り、ストーリーに深みがでるようになっています。最初は「グレッグ」という名前の忍者と「リカルド」という名前の戦士。それと主人公の3人でダンジョンに潜ることになります。チュートリアルからプレイしていくと途中で、「アレイドアクション(後述にて説明)」という戦闘システムの説明などがあるのですが、そこで『BUSIN』ではパーティーの絆が重要であることを教わります。パーティーメンバーとの信頼度が段階で設定されていて、パーティーメンバーとの信頼が強くなればそれだけ、「アレイドアクション」で使用できる技も増えていきます。その後、「サラ」という名の僧侶、「ルイ」という名前の盗賊などと出会いだんだんパーティーが形成されていきます。このあたりの過程が非常によくできていて、オリジナルのキャラクターなんか使いたくなくなってきます。主人公は記憶を失っているという設定なので、彼らといろんな事をダンジョン内で知っていく事になります。

チュートリアルからプレイしていると、ダンジョンに潜って帰ってくるという一連の流れがたまらなく面白くて、当時どっぷりとハマりました。っていうか、たまに今でもプレイしています。

アレイドアクション

このゲームの最大のキモとなる部分がこのアレイドアクション。アレイドアクションは、メンバーそれぞれの攻撃や魔法などのアクション以外に、パーティー全体での行動を指示する事ができるシステムです。これがうまく伝え辛いのですが、例えばエンカウントした敵のパーティーが6人若しくは6匹の編成で、前列の前衛が近接タイプで、後ろ列の後衛が魔術師や僧侶といったわりとオーソドックスなパーティーだったとします。ここでプレイヤーのパーティーはまず「Wスラッシュ」というアレイドアクションを使用すると、前衛の2人が敵の前衛の1体に力をあわせて同時攻撃する事で、より強力なダメージを与えることができ、うまくすれば、1ターンで一体倒すことができます。一方、敵の後衛に魔術師がいる場合、高確率で魔法攻撃をしてくるので、アレイドアクションの「マジックキャンセル」を使用する事で、プレイヤー側の後衛の2人が敵の魔術師が魔法を詠唱し始めたときに、飛び道具の武器でこの詠唱を止めてくれます。「Wスラッシュ」で前衛2人、「マジックキャンセル」で後衛2人がアレイドアクションの行動をするため、残りが2人。この2人に通常の行動をさせるか、この2人でもできる別のアレイドアクションをするか・・・といった具合に戦闘を組み立てていくのがこのゲームの戦闘の魅力です。今紹介したのはほんの一例で、後衛の魔法で前衛の武器に魔法効果を付与する「マジックソード」や、敵のパーティーの編成がザコが大量にいる場合、パーティメンバー全員で全体攻撃を仕掛ける「ラッシュ」というザコ一掃のアレイドアクションがあったり、逆に敵からの「ラッシュ」を防ぐための前衛3人による「フロントガード」という防御のアレイドアクションがあったりと、とにかく種類も多くどんな戦闘でどう使っていくのかが、非常に面白い戦闘になっています。

ダンジョン

今では珍しくないかもしれませんが、ダンジョン内は全てフルポリゴンで表現されていて、スイッチで開閉する仕掛け扉やワープゾーンの多い階、入る度に構造がランダム生成される階など仕掛けにも凝っています。ただの単調なダンジョンではなく、螺旋上の道や多重構造になっているエリア、高低差などもあって、ただ探索するだけでも楽しかった記憶があります。敵とのエンカウントはシンボルエンカウントシステムで、敵のオブジェクトにふれると戦闘となります。敵のオブジェクトも多彩な動きをしていて、遭遇するだけでもドキドキするのですが、ダンジョンRPGという事で、視点は常に主人公の一人称視点なので、後ろや真横の確認ができない状態で、薄暗いダンジョン内で背後から敵に迫られたり、角を曲がった瞬間に出会い頭に遭遇したりするので臨場感が半端ないです。さらに探索中のBGMは小さめで、ドアの開閉や足音のような音は聞こえてくるので、常に「何かがいる」という気配を感じながらの探索が他のゲームではあまりない雰囲気を醸し出していました。

ストーリー

本家『ウィザードリィ』に比べて、地味ながらもキャラクターそれぞれがしっかりしているので、物語も非常に面白いです。ざっくりストーリーを説明しますと、

古の時代より、聖都として称えられてきたドゥーハン王国という国がありました。ある日、天空から光球が飛来し、”ドゥーハンの城を直撃し、数千を越える民の命を奪い美しかった街が廃墟へと変わってしまいます。そしてその光球が激突した際の衝撃は空間を歪ませ、地獄の亡者が徘徊する迷宮の扉と城の地下をつなげてしまいました。光球から難を逃れた女王オティーリエはクイーンガードの長、魔術師レドゥアに迷宮の探索を命じます。そして、王国の兵士が迷宮の探索を始めた頃、人々の間にまことしやかに1つの奇妙な噂が流れたました。「いかなる望みをもかなえる」という魔神の秘宝が、迷宮の中に眠っているらしい……。ある者は国の英雄になるため、ある者は生き残るため、そしてある者は自らの欲望を叶えるために……冒険者となった人々は、1人、また1人とドゥーハンの迷宮へと向かいます。そこへ主人公である記憶喪失のある若者がドゥーハン王国に現れました。若者がドゥーハンの街に立っていると、そこへ白髪の謎の剣士が現れます。

「私は昨日の夜、奇怪な予言の声を聞いた。浮気者の運命の女神はこう私にささやいた。この呪われた地に救いの主が現れるとな!そしてその者は永劫なる苦しみの鎖を断ち切るだとうと・・・クククク、それがお前か!まったくひどいのか良いのかこんな日は初めてだ・・・ククク」

主人公の事を知っているような事を言う白髪の謎の剣士は、主人公を冒険者が集まると言われている酒場へと案内します。そこで主人公は、過去の戦闘の失敗により勇気を失った人間の忍者グレッグと、仲間との信頼を大事にする人間の戦士リカルドと出会い、3人でドゥーハンの迷宮へと向かう事になります。

冒頭はこんな感じです。そしてダンジョン内でもいろいろな出会いがあり、このドゥーハンで起こっていることや、主人公の正体、そしてこの白髪の謎の剣士の正体を知る事になります。淡々と物語は進みますが、その真相にきっと衝撃を受けることになるかと思います。

 

PS2でしかできない『BUSIN』

その後、続編としてBUSINの400年前のドゥーハンを舞台にした『BUSIN 0 Wizardry Alternative NEO』も2003年に、これもPS2専用ソフトとして発売されました。さてこのゲーム、今この時点であっても、まだPS2でしかプレイできません。そして移植も難しいでしょう。理由はいくつかあって、まず当時はあちらこちらに作らせた『ウィザードリィ』ですが、現在は別の所に版権があって、タイトルに『~Wizardry Alternative~』とついてしまっている以上、新たに商品化は難しいのではないかと、思っています。また、ゲーム制作を指揮した岡田耕始さんは現在アトラスを退社してしまっていますので、『~Wizardry Alternative~』という部分を外しての新作も難しいと思われます。アトラスではその後、雰囲気はだいぶ違いますが、歯ごたえのあるダンジョンRPGをニンテンドーDS、ニンテンドー3DSにて『世界樹の迷宮』シリーズとしてリリースしています。これはどちらかといえば、『BUSIN』より『ウィザードリィ』に近いですが、『新・世界樹の迷宮』シリーズでは、『BUSIN』のように主人公以外にもキャラクターとしてパーティーメンバーが登場します。

現在、PS2を持っている人がまだいて、この『BUSIN』をプレイしていない人は、騙されたと思ってぜひプレイしてもらいたいです。Amazonなどで購入は可能ですが、金額がエライことになっていますので、街の中古ショップなど行けば、500円くらいで購入できると思いますので、もし興味があれば探してみてください。

今回は以上です。

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コメント

  1. ソラール より:

    こんにちは武神、武神neo大好きです。たまたま検索して見つけました。武神について語れるなんて思ってなくて嬉しいです。ボイスが無いからこそイマジネーションが膨らみます。同じノーボイスでキングスフィールドも好きです。今ps4,ps5でプレイするもが無くなると原点に戻ると言うか何回もプレイしたくなるのが武神とキングスフィールドです。飽きないですしこの作品に出会えて本当に良かったです。特に武神は音楽が素晴らしいです。物語の明暗やバックでさりげなく流れる曲、バァーゴ登場、中ボスのイントロなど鳥肌物です。何かこの曲を聞くと熱い物が込み上げます。ラストの曲と歌は癒されます。今のゲームは映像ばかりで一度クリアしたらもういいと思う物が多いです。勿論素晴らしい物もありますが、何か疲れます。そんな時癒されたく、あの曲、歌を聞きたくなり始めるとほっとします。何回もプレイしたくなる武神とキングスフィールドは私の宝物です。今日はこのコメント欄見つけて嬉しいです。有り難うございました。また何かありましたら宜しくお願いします。

  2. まっちゃ より:

    当時積みゲーになっていたBUSIN、最近になって再開しております。未だに色褪せない、私の中では名作です。多分手放すことはないと思います。