初代から『水星の魔女』まで!これまでのガンプラの関節素材について

サブカル

今回は「ガンプラ」の関節に使われている素材について、長年作り続けている私個人の感覚で思ったことを紹介します。



目次

ガンプラの関節


40年以上、バンダイから発売されている「ガンプラ」。いわゆる『機動戦士ガンダム』シリーズに登場するメカのプラモデルです。私が子供の頃に一番最初のガンプラブームが巻き起こり、一時は勢いはおさまったものの、最近になって新型コロナウイルスによる巣篭もり需要や、転売の対象、そして話題の最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』人気といろいろな影響により、またガンプラは貴重なものとなっています。ガンプラの歴史についてあれこれ説明すると非常に長くなってしまうので、今回は長年のガンプラファンから見たガンプラの関節素材についていろいろと語りたいと思っています。



初代ガンプラ


ガンプラは1980年に発売された「1/144ガンダム」が最初。当時、ファーストガンダムである『機動戦士ガンダム』のテレビの本放映の時は視聴率が悪くて、打ち切りになってしまったというのはかなり有名な話だと思います。しかし、その後ファンの声により、テレビの内容を映画にまとめて公開された『劇場版 機動戦士ガンダム』3部作が大ヒットとなり、テレビでは再放送が開始され、一気にガンプラも大ブームとなりました。
この頃のガンプラの関節はPS樹脂。まあ、わかりやすくいうとプラモデルのプラスチックそのまま。いまでも多く使われているガンプラのメイン素材です。これがどうゆうことかというと、組み立てが終わったばかりの頃は気にならないんですが、ある程度アクションポーズをとらせたり、関節を動かしているとすぐにその関節がプラプラになってしまうんです。プラだけに。・・・すみません、なんでもないです。なのでカッコよく飾ったり、立たせたりするのがどんどん難しくなってきてしまうのです。でも、当時は今のような技術なんか知らないので、それでもみんな喜んで購入していました。とにかく売ってませんでしたから。現在当たり前になっている色プラも当時では多くて2色くらいの成型色で、みんな塗装して自分のガンプラの工作力を競っていたものです。でも、どんなに気合いれて塗装しても、時間が経つと関節はゆるゆるになり、変なポーズでしか飾れなくなってしまうものでした。

 

ポリキャップの登場


初代ガンダムに登場したメカをほとんど発売してしまったバンダイは、その後『機動戦士ガンダム』に登場しなかった裏設定的なシリーズとして『MSV(モビルスーツバリエーション)』シリーズを展開します。だんだんとバンダイの技術が高くなってきていて、ガンプラの完成度も高くなってきました。それでも関節はPS樹脂のままでした。ガンプラに限らず、その後発売したいわゆるリアルロボットアニメのプラモデルも同じでした。「戦闘メカザブングル」「聖戦士ダンバイン」「重戦機エルガイム」とどのプラモデルも同じでした。その頃、同じくリアルロボット作品のプラモデルを発売していたタカラ(現在のタカラトミー)は、スタンダードサイズは変わりませんでしたが、ひとつ大きなサイズのプラモデルの関節には「ポリキャップ」を使用していました。ポリキャップはポリエチレンを材質にした部品で、柔軟性がある素材でした。そのおかげである程度なら、関節を動かしていても、ゆるくならないという画期的な技術が導入されていました。バンダイが「戦闘メカザブングル」、「聖戦士ダンバイン」のプラモデルを発売してた頃、タカラでは「太陽の牙ダグラム」や「装甲機兵ボトムズ」のプラモデルでこのポリキャップが使われていたので、一時期はタカラのプラモデルの評価が子供達の間でバンダイよりも高かった時期がありました。このポリキャップがこの後しばらくの間は、ロボットのプラモデルの関節の主流となっていきました。

 

ガンプラでもポリキャップ

一方、バンダイはポリキャップを使用しなかったか?といわれるとそうではなく、実は初代ガンダムのプラモデルから使用していたアイテムもあったんです。それが当時のガンプラの最大サイズ「1/60」のサイズのキットには、タカラよりも早くこのポリキャップを使用していました。ただ「1/60」のキットは当時のガンプラとしては高級品(とはいっても2000円くらい)だし、サイズ的に種類も限られていました。なのでガンプラの関節が標準的にポリキャップなるにはしばらく時間がかかりました。『MSV』シリーズでも1/144スケールなのに「パーフェクトガンダム」には使用されていたりしましたが、基本的に他のキットには使用されませんでした。ガンプラでポリキャップが採用される少し前に、『銀河漂流バイファム』のプラモデルでは、関節にポリキャップが使用され始め、ガンプラに本格的にポリキャップが導入されたのは続編となる『機動戦士Zガンダム』のプラモデルシリーズから。この頃になるとサイズやアイテムに関係なく、関節にポリキャップが使用されていました。

 

ABSの登場


それからずっとしばらくの間はガンプラの関節はポリキャップがメインでした。その間、多くのガンプラユーザーを悩ませていたのが、ポリキャップは塗装ができないということ。柔軟性のある素材なので、塗装しても剥がれてしまいますし、塗料によってはポリキャップを割ってしまうものもありました。また関節部分にポリキャップを仕込むスペースも確保しなくてはいけないということから、本来のモビルスーツのデザインとは異なる関節になってしまうなど、それなりに問題はありました。でも私はポリキャップは好きでしたけどね。そんなある時、ガンプラ誕生20周年で発売されたブランドから新素材が使用されました。それが「ABS」という素材。ABSは合成樹脂の一種で、それなりの固さがありながらも、柔軟性もあるというもの。自動車のバンパーなどにも使用されている素材。このABSが現在も続くブランド「MG(マスターグレード)」の第一弾の「RX-78-2 ガンダム」で使用されました。この時は関節はポリキャップで、ABSは一部の股関節のフレームや、シールドなどの武装で使用されていたのですが、その後、キットによってはこのABSを関節のメインにするものも増えていきました。
このABS。初めて触った時は画期的な素材かと思ったのですが、ガンプラで「ポリキャップレス」、つまりポリキャップを使用しないキットが発売され始め、そのキットの関節はすべてこのABSが使用されたんです。このABSは確かしその柔軟性からしばらくはスムーズな可動ができるんですが、時間が経つとPS樹脂のように関節がプラプラになってしまうんです。私は「MG クロスボーンガンダム」を購入し、気合をいれて塗装して作りました。塗装の過程でなんどか関節を外したりするうちに、関節はプラプラになりしっかりと飾ることができなくなりました。画像のキットは何度肩をあげても今の位置に下がってしまいます。肩だけではなく他の部分もプラプラして飾るのにもイライラします。負担のかかる関節はこんな風になってしまうんです。
他にもABSは塗装するとパーツが破損するという問題も発生し、個人的には欲しいガンプラがあってもポリキャップレスと聞くと素直に購入できなくなりました。こうゆうのは個人差もあるとは思いますが、私はABSよりポリキャップの方が安心しますね。いまだに。

 

そしてKPSが登場


そんな中、2012年頃に発売された「MG ガンダムAGE-1 ノーマル」にて初めて採用されたのが「KPS」という素材。KPSは基本的に元となるプラ素材であるPS樹脂ではあるものの、PS樹脂とポリエチレンを混ぜ合わせた新素材で、「強化ポリスチレン」の略とのこと。なんでも、バンダイとポリスチレンメーカーが約2年の歳月を掛けて共同開発した、ガンプラの可動部分に用いられる、オリジナルブレンド(配合)の新素材とのことです。普通のプラモデル部品であるポリスチレンより質感に粘りがある素材で、曲がりやすくて割れにくい素材です。ABSであまりいい記憶がなかった私はこのKPSにも、うがった目で見てしまっていましたが、これはなかなか良い素材のようです。だんだんといろんなガンプラにも使用され始め、現在大ヒット中でなかなか買うことのできない『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のガンプラの関節は(一部の商品はプラモデル全部が)このKPSが使われていて、ポリキャップは使用されていません。うちにも『エアリアル』を飾っているのですが、結構関節を動かしているのですが、今もがっちりとポーズをとることができます。最近ではABSを使用したガンプラの再販の物もこのKPSに置き換えられているようなので、ここにきてようやく安定した関節の素材が登場したようですね。このKPSの触りごごちのおかけで、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のガンプラは作ってて非常に楽しくも感じます。

とはいうものの、いまだにポリキャップの方が好きだったりするんですよね。ポリキャップもある程度いくとゆるゆるになりますが、KPSがポリキャップと比べて、どれくらいもつのか。今後しっかり観察していきたいと思います。

今回は以上です。

 

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