東京都稲城市「いなぎペアパーク」で行われた盆踊り大会で、なんとアニメ『装甲騎兵ボトムズ』のオープニングテーマである『炎のさだめ』が流れそしてみんな踊ったそうです。
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『炎のさだめ』で盆踊り
こういう振り付け。
(別にマネしなくていいけどw pic.twitter.com/hum4vfdDXS— まちゃみ@神主 (@macha780) July 31, 2022
今回稲城市で使用された『装甲騎兵ボトムズ』のオープニングテーマの曲名は『炎のさだめ』。『装甲騎兵ボトムズ』は1983年に『機動戦士ガンダム』の流れでブームとなったリアルロボットアニメというジャンルで、全52話で放送されたテレビアニメ。主役ロボットからキャラクター性を取り、他のリアルロボットアニメというジャンルの中でも、かなり描写がリアル寄りの作品で、現在でも私を含む多くのファンがいます。そんな『装甲騎兵ボトムズ』のオープニングテーマが盆踊りで流れ、みんなで踊っているというファンキーなニュースを見て調べた所、場所は東京都稲城市「いなぎペアパーク」で、ここには『装甲騎兵ボトムズ』のほぼ主役機である「スコープドッグ」の実物大モニュメントが設置された場所。この稲城市は「スコープドッグ」のメカニックデザイナーの大河原邦男さんが生まれ育った街ということで、2020年の3月に「メカニックデザイナー大河原邦男プロジェクト」と冠して大河原邦男さんが関わる作品モニュメントなどの展示やイベントなどを開催しました。そこで行われた盆踊りでこの『炎のさだめ』が流れたとのこと。そうゆう理由なら納得ですね。最初、何事かと思いました。大河原邦男さんは『装甲騎兵ボトムズ』に関わらず、『機動戦士ガンダム』シリーズや『太陽の牙ダグラム』、『銀河漂流バイファム』他、いろんな作品のデザインで有名なので、今後『装甲騎兵ボトムズ』以外の曲でも盆踊りとかしてほしいですね。いい街だなぁ。
名曲『炎のさだめ』
『炎のさだめ』は私にとって未だにテンションが上がる曲です。この曲を歌っているのは“TETSU”というアーティストです。実はこのTETSUの正体は、後に1990年代のヒット曲の仕掛け人となったシンガーソングライター・織田哲郎さんなのです。あの“いっつまーーでもかーわーらーぬあ〜いを♪”の織田哲郎さんです。織田さんは自身の公式サイト内の日記で読者からのメール等に応えて明らかにしたところによれば、ボトムズ放映の頃、まだデビューするかしないかの駆け出しだった彼は、アルバイトとして覆面歌手扱いで曲を吹き込むことも多かったととのこと。『ボトムズ』についても、当時お世話になっていた人の求めに応じて歌ったものらしく、織田さんが数多く担当したそうゆう事情のある歌の中でも、この曲は最も有名になったものとのことです。
私の記憶によるものなので、確かとは言えないのですが、当時、ロボットアニメといえば、必ずオープニングテーマには、その作品のタイトルが歌詞にありました。あの『機動戦士ガンダム』でさえ、「燃え上がれ〜燃え上がれ〜燃え上がれ〜ガンダム〜♪」と作品のタイトルが入っていました。そんな中で『炎のさだめ』の歌詞には「ボトムズ」も「スコープドッグ」も「マーシィドッグ」も歌詞に登場せず、ただただ主人公の「キリコ」の心情のみの歌詞となっています。もちろん、「キリコ」も歌詞に出てきません。ロボットアニメのオープニングテーマではおそらく初めての試みだったんではないかと記憶しています。
『装甲騎兵ボトムズ』とは
さて今回の話題で『装甲騎兵ボトムズ』ってなんなの?って思った人もいるかもしれません。詳細については以前の記事を参照してもらうとして、せっかくなので簡単に紹介します。『機動戦士ガンダム』が大ヒットした頃、ガンダムに続けとたくさんのリアルロボットアニメが制作されていきました。その中でも高橋良輔監督の『太陽の牙ダグラム』という作品が他の作品と比べ、よりミリタリーテイストを取り込んだ作品になり、プラモデルが売れるなど好評で、今では考えられない全75話と当時としても異常に長いストーリーとなりました。そんな期待の中、『太陽の牙ダグラム』の後番組として制作されたのがこの『装甲騎兵ボトムズ』です。
『太陽の牙ダグラム』以上のハードボイルドな描写とハードな世界設定とともに、登場するロボット「アーマードトルーパー(以下AT)」を単なる機械、単なる兵器として扱う描写を『ダグラム』以上に徹底して追求した作品となりました。なので当時少年の私は、『太陽の牙ダグラム』の後番組として最初に発表されたビジュアルを見た時、「え?これ主役のロボットなの?」「え?なんか大きさちっちゃくね?」など非常に戸惑いを覚えたものです。また、物語冒頭で主人公の乗るスコープドッグが、色の違う同じスコープドッグと戦って、罠にハメられ、捕まって拷問されるといった、それまで期待していたヒロイックなロボットアクションはなかなか展開されず、一時は視聴をためらうほどでした。しかし、物語が進んでいくとしこれまでのロボットアクションにはなかったローラーダッシュでの移動や、乗り降りするための降着フォーム、切り替わるターレットレンズなど、“なんかすげえリアルっぽい”描写にだんだんしびれ始め、気がつけばその魅力の虜になっていきました。これまでになかったメカ描写から好評の内に放映は終了。そしてその後もOVAとして、何作も新作がつくられていきました。
しかし、盆踊りで『装甲騎兵ボトムズ』とは・・・。むせますね・・・。
今回は以上です。
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