『真・女神転生シリーズ』と『ソウルハッカーズ』『ペルソナ』の関係

サブカル

アトラスから『ソウルハッカーズ2』の発売が発表されかなり話題となっています。以前にも『ソウルハッカーズ』について紹介はしましたが、今回は比較対象にあげられている『ペルソナ』シリーズと合わせて、『デビルサマナー』シリーズと本家、『真・女神転生』シリーズについて関係性を紹介します。



目次

元は『真・女神転生』から

メガテンシリーズの元祖の元祖は、1987年に元祖ファミリーコンピュータで発売された『デジタル・デビル物語 女神転生』になっています。発売元はナムコ(今のバンダイナムコ)でしたが、開発は当時設立したばかりのアトラスが担当していました。この作品は西谷史さんの伝奇SF小説シリーズ『デジタル・デビル・ストーリー』の第1作目の『女神転生』を原作としていて、OVAと連動したメディアミックス作品として作られました。でも、登場人物と一部設定を借りている点以外は、ほぼゲーム独自の内容となっていました。その後も完全ゲームオリジナルとして、続編となる『デジタル・デビル物語 女神転生II』も1990年に発売されました。
その後、1992年に前2作品のゲームシステムを継承しつつ、設定を見直し一から制作されたのが、今でも続くシリーズ『真・女神転生』となります。この『真・女神転生』はアトラスから発売となり、第1作目はスーパーファミコンでの発売となりました。『真・女神転生』シリーズは現在までナンバリングとした『5』まで発売されています。1作目と2作目に関しては、物語的に繋がりはあったものの、3以降はそれぞれが独立した作品になっています。『真・女神転生』シリーズに関して簡単に作品を紹介。

真・女神転生

『真・女神転生』シリーズの一作目。シリーズの特徴であるロウ・カオス・ニュートラルのマルチエンディングや、遭遇する悪魔と交渉し仲魔としてパーティーメンバーにすることができたり、悪魔合体などもすでにこの第一作目から存在します。一人称の3DダンジョンRPGとして制作されました。最初はスーパーファミコンで発売。その後、プレイステーションなどでも発売されました。

 

真・女神転生II

1994年に1作目と同じくスーパーファミコンで発売。前作から数十年後の21世紀後半の未来の東京という設定。物語だけじゃなくて、前作から正当進化した作品で、悪魔合体で、魔法継承というのが初めて導入されました。1作目同様にその後、プレイステーションなどでも発売されました。

 

真・女神転生III-NOCTURNE

前作からだいぶ時間をあけて、2003年にプレイステーション2で発売されたのが3作目。この作品から前作からの直接的な続編ではなくなって、全く新しい世界観となっています。今も採用されている「プレスターンバトル」や仲魔にもレベルの概念が追加されたり、何より始めて3Dグラフィックで制作され、前2作のような一人称の3DダンジョンRPGではなくなりました。その後、シナリオを追加したバージョンなども後々発売されていますが、今回は省きます。現在ではNintendo Switchやプレイステーション4、Steamでもプレイすることができます。

 

真・女神転生IV

さらに10年経って2013年にニンテンドー3DS用ソフトとして発売されたのが、4作目となる『真・女神転生IV』。せっかく3作目で3Dで悪魔たちがモデリングされたのにも関わらず、ビジュアル面では劣化した感じで発売しました。ストーリーも前作とは関係のないものとなっています。現在に至ってもニンテンドー3DSでしかプレイできません。

 

真・女神転生IV FINAL

2016年に4作目と同じようにニンテンドー3DS用ソフトとして発売されたのが『真・女神転生IV FINAL』。これは4作目と世界観は共有していて、多少続編的な感じはするのですが、主人公は別の人間で、前作の物語終盤の状況から今作の物語が始まり、前作とは異なる展開が描かれています。「FINAL」と命名されていますが、これは「IV」の集大成という意味。これもニンテンドー3DSでしかプレイできません。

真・女神転生V

2021年11月にNintendo Switch用ソフトして発売されたのが、シリーズの最新作となっている『真・女神転生V』。本ブログでも度々紹介しています。これまでのシリーズと物語的に繋がりはなく、5作目も独自のストーリーが描かれています。個人的にはいろいろな場面で、3作目の『真・女神転生III-NOCTURNE』とのつながりを匂わせていると感じています。

以上ナンバリングとして5作品で、本数でいうと6作品が本家の『真・女神転生』シリーズとなります。この『真・女神転生』シリーズを母体として、ナンバリング以外にも外伝的な作品やスピンオフ作品がたくさん作られています。すべては紹介すると長くなってしまうので、ここからは外伝の中でもそのままシリーズ化された作品を紹介します。

 

デビルサマナーシリーズ

真・女神転生デビルサマナー

1995年にセガサターン(初代プレイステーションが発売されている頃にセガが発売したハード)で発売された外伝作品。これまでの『真・女神転生』シリーズと少々雰囲気が変わっていて、それまでのシリーズに触れたことのないユーザーにも受け入れやすいように意識した作りになっている作品。基本的なシステムはメガテンシリーズとかわらないんですが、世界観はやや明るい感じになっています。この1作目では本家と同じように一人称の3DダンジョンRPGとなっています。その後、PSPにも移植されました。

 

デビルサマナー ソウルハッカーズ

デビルサマナーシリーズの2作目で、タイトルから『真・女神転生』が外されました。1作目と同じように1997年にセガサターンで発売。今回話題となっている『ソウルハッカーズ2』はこの作品の2作目で、今回はタイトルから『デビルサマナー』も外されています。前作の『真・女神転生デビルサマナー』に近未来的な要素が追加され、いまでいう所の「メタバース」のようなバーチャルリアリティによる電脳世界「パラダイムX」という設定があって、現実世界と「パラダイムX」の2つの世界で物語が進行します。その後、初代プレイステーションにも移植され、2012年にはボイスなども追加されニンテンドー3DSでも発売されました。この時点では1作目と同じように一人称の3DダンジョンRPGとなっています。

 

デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団

2006年にプレイステーション2で発売された3作目。近未来が舞台だった前作までと打って変わって、大正時代の悪魔召喚師(デビルサマナー)が帝都を脅かす悪魔たちと戦っていく物語が描かれています。前作までの一人称の3DダンジョンRPGは廃止され、シリーズで初めてアクションバトルとなった作品。デビルサマナーシリーズというより、葛葉ライドウシリーズといったイメージの方が強いですね。

デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王

2008年にプレイステーション2で発売された4作目。前作の続編となっていて、システムに関しても前作同様にアクションバトルとなっていますが、前作での不評だった部分を改良してあるため、かなり面白いゲームとなっています。プレイステーション2でも最後期に発売されたソフトです。

 

ペルソナシリーズ

女神異聞録ペルソナ

1996年に初代プレイステーションで発売のが、「デビルサマナーシリーズ」とは違う外伝となる『女神異聞録ペルソナ』。悪魔の登場や悪魔会話はあるのですが、この作品での特徴はパーティーメンバーが仲魔ではなく、それぞれが体に宿したペルソナで戦う人間だけのパーティー構成になっています。1作目は6人パーティーで全員がペルソナを付け替えることができました。また主人公が高校生というのもこれまでと違った所です。1作目に限り、一人称の3DダンジョンRPGとなっています。その後PSPでも『Persona』というタイトルでリメイクされました。

ペルソナ2

タイトルから『女神異聞録』が外され、1999年に『ペルソナ2 罪』、2000年に続編となる『ペルソナ2 罰』が初代プレイステーションで発売されました。1作目の世界のあとの物語になっています。一人称の3DダンジョンRPGは廃止され、悪魔会話もわかりやすくなり、1作目よりさらにポップな雰囲気になっています。『罰』は『罪』のそのままの続編になっていて、システムに関してもほぼ同じ。1作目のキャラクターたちも登場し、それまでのシリーズの集大成になっています。1作目と同じく『ペルソナ2 罪』も『ペルソナ2 罰』もPSPでリメイクされました。

 

ペルソナ3

現在のヒットシリーズの骨格をつくったのがシリーズ3作目の『ペルソナ3』。PlayStation 2用ゲームソフトとして2007年に発売されました。カレンダーシステムや、主人公がワイルドという設定や、各キャラクターとの親交を深めるシステムなど、大体のシステムがこの3作目で確立しています。ペルソナも悪魔会話で手に入れるのではなく、戦闘後にランダムで発生するイベントで入手できるようになり、初心者にもプレイしやすいシステムに変更。女性主人公を選べるようになったPSP版の『ペルソナ3 ポータブル』も発売されました。

 

ペルソナ4

2008年に前作と同じくPlayStation 2用ゲームソフトとして発売されたのが、今でも人気の高い『ペルソナ4』。システムに関してはほぼ前作のままとなっていて、登場人物や物語が新しくなっています。前作は都会で今作は田舎が舞台となっていて、地味に『ペルソナ3』とのつながりもあったりします。ちなみにシリーズで始めてアニメ化もされた作品です。

 

ペルソナ5

2016年にシリーズ5作目として、プレイステーション3とプレイステーション4で発売されました。前作『ペルソナ4』の人気が高く、非常に発売が期待されていた作品。ほぼほぼシステムは前作までを踏襲しつつ、最新ハードで非常にきれいなグラフィクでペルソナたちが再現されました。5作目で悪魔会話が復活しましたが、怪盗団のスキルなどと合わせて、ペルソナも手に入れやすくなっています。

 

デビルサバイバーシリーズ

女神異聞録デビルサバイバー

『ペルソナ』シリーズと同じように1作目に『女神異聞録』というタイトルがついたシリーズ。2009年にニンテンドーDS用ソフト(3DSじゃない)として発売されました。このシリーズのテーマは毎回7日間の出来事が描かれているのと、戦闘がシュミュレーションバトルになっている所。私はシュミュレーションは苦手なんですが、この作品は悪魔の種族それぞれが持つ特性などがあり、一応RPGということで、レベルも上がっていくので、問題なくプレイできました。その後、ボイスやシナリオが追加された『デビルサバイバー オーバークロック』というタイトルでニンテンドー3DS版も発売されています。

 

デビルサバイバー2

タイトルから『女神異聞録』が外され、2011年に1作目と同じくニンテンドーDS用ソフトとして発売されました。システムなどは前作とほぼ同じで、戦闘もシュミュレーションバトルになっています。前作もそうなのですが、メガテンらしく主人公の選択肢によって、エンディングがいくつか用意されています。その後、ボイスやシナリオが追加された『デビルサバイバー2 ブレイクレコード』というタイトルでニンテンドー3DS版も発売されています。そして地味にアニメ化もされています。

 

そして『ソウルハッカーズ2』

さてここまでシリーズ化されたメガテンシリーズの外伝を紹介しました。先日発表された『ソウルハッカーズ2』は、この中でも『デビルサマナー』シリーズに入るとは思います。ただそれだけではない感じもします。というのは、戦闘画面を見る限り、パーティーメンバーは人間のキャラクターのみ。そう考えると『ペルソナ』シリーズの雰囲気も含んでいるようにも思えます。そしてプロダクションマネージャーとして、スタッフの一番最初に紹介されているのが、高田慎二郎さん。高田慎二郎さんは、『デビルサバイバーシリーズ』のディレクターだったりもします。そう考えると『デビルサマナー』シリーズで、『ペルソナ』シリーズの雰囲気も含んで、『デビルサバイバーシリーズ』のスタッフが制作する作品ということになります。なのでかなり期待値も上がりますね。立ち位置的にも『デビルサマナー』の2作目の『デビルサマナー ソウルハッカーズ』のナンバリングという事で、『ペルソナ5』から派生した『ペルソナ5スクランブル』みたいな感じになりますね。別作品になりますが、『ファイナルファンタジー10-2』みたいな感じじゃないでしょうか。

ゲームシステムはそれまでの『デビルサマナー』シリーズとは違うようなので、それまでのシリーズをやった事のない人でも楽しめる内容になるんじゃないでしょうか。続報が待ち遠しいですが、ペルソナ25周年の2月の続報ってどうなったんですかね?

今回は以上です。

 

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