『仮面ライダーBLACK SUN』って『BLACK』じゃないの?

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「仮面ライダー生誕50周年企画」で発表された『仮面ライダーBLACK SUN』が、配信番組として本格始動することが明かされ、制作スタッフも発表されました。前回の『シン・仮面ライダー』と同じくこの『仮面ライダーBLACK SUN』がよくわからない人に向けて、旧作の仮面ライダーBLACK』と合わせてご紹介します。




目次

『仮面ライダーBLACK SUN』

『仮面ライダーBLACK SUN』は「仮面ライダー生誕50周年企画発表会見」にて発表されたいくつかのコンテンツのうちの一つで、1987年にテレビで放送された『仮面ライダーBLACK』のリブート企画。タイトルの違いについては、あとで『仮面ライダーBLACK』についての紹介で説明します。ちなみに「リメイク」と「リブート」の違いについてなのですが、リメイクが元の作品の基本設定やストーリーをそのままに作り直すのに対し、「リブート」は元の作品に新しい解釈やコンセプトを持たせて作り直すということです。『仮面ライダーBLACK SUN』について現在わかっているのは、一部スタッフについて。監督が『孤狼の血』などの白石和彌さん。脚本は『凶悪』『ひとよ』などの白石監督作品や大ヒット作『東京リベンジャーズ』などを手掛ける高橋泉さん。ビジュアルコンセプトは『シン・ゴジラ』などの樋口真嗣さん。特撮監督にウルトラシリーズの田口清隆氏を起用とのこと。正直この変のスタッフに関してはあまり詳しくないのですが、わかる人には有名な人が参加しているらしいです。オンラインイベントの「TAMASHII NATION ONLINE 2021」の最終日である11月21日には、キャラクターデザインビジュアルが公開予定とのこと。本編は2022年春スタート予定とのことです。

 

原作『仮面ライダーBLACK』

さて『仮面ライダーBLACK SUN』が『仮面ライダーBLACK』のリブート企画ということは説明しましたが、「仮面ライダー生誕50周年企画」の一つとしてなぜこの『仮面ライダーBLACK』が取り上げられたについても触れたいと思います。数ある仮面ライダーシリーズの中でもこの『仮面ライダーBLACK』はファンの中でも特別な存在で、「原点回帰」をコンセプトに仮面ライダー1号の世界観を最新技術でリフレッシュするということで制作され、名称や登場人物、ストーリーなどは違いますが、今でいうところの初代『仮面ライダー』のリブートのような形で制作された仮面ライダーなのです。放送されたのは1987年。初代『仮面ライダー』をコンセプトにヘビーな設定で作り上げられた物語は、現在でも多くのファンに愛されています。物語は日食の日の同時刻に生まれた2人が、暗黒結社ゴルゴムによって拉致され、次期創世王候補として体内にキングストーン「太陽の石」を埋め込まれまれてしまいます。そして主人公の南光太郎は『ブラックサン』、一緒に拉致された親友の秋月信彦は『シャドウムーン』となり、この二人が戦う事になるのですが、それぞれ日食や月食をイメージした名前となっていて、『ブラックサン』となった南光太郎が仮面ライダーブラックを名乗って戦っていくのですが、今回のリブート版のタイトルはこのゴルゴムでつけられた名前のままタイトルにしたという事ですね。しっかりとしたコンセプトからか、それまでの仮面ライダーシリーズは、物語終盤近くに歴代の仮面ライダーたちがゲスト出演するといったことがありましたが、『仮面ライダーBLACK』にはそういった事もありませんでした。視聴率も高く、内容も好評だったため、『仮面ライダーBLACK』終了後もそのまま続編として、主人公が同じまま『仮面ライダーBLACK RX』が続きました。ただこの『RX』では、それまでの重いコンセプトにこだわらなくなり、主人公以外の登場人物は一新し、歴代の仮面ライダーたちもゲスト出演するようになっています。

ざっくりストーリー

主だった部分は前述で紹介してしまっていますが、改めて、『仮面ライダーBLACK』のストーリーも簡単に紹介します。主人公である大学生の南光太郎(みなみ こうたろう)は19歳の誕生日を迎えた日、親友の秋月信彦(あきづきのぶひこ)とともに暗黒結社ゴルゴムによって拉致されてしまいます。そして、次期創世王候補として、ゴルゴムによって体内にキングストーン「太陽の石」を埋め込まれ、世紀王ブラックサンに生体改造されてしまいます。息子たちから人としての記憶だけは消させまいと乱入した信彦の父、秋月総一郎の手引きによって、脳改造を受ける寸前に、光太郎は脱出します。ゴルゴムが世紀王のために用意していたバイク型生命体のバトルホッパーを使用して逃亡した光太郎だったのですが、ゴルゴムの三神官に捕われて攻撃を受けてしまいます。その衝撃の中、光太郎の体は異形のバッタ男からブラックサンの姿へと変化します。その後、光太郎は仮面ライダーBLACKを名乗り、信彦の救出とゴルゴム壊滅のために戦いを開始するのでした。

 

漫画版も超特徴的

テレビの『仮面ライダーBLACK』の放映に合わせて、仮面ライダーシリーズの原作者の石ノ森章太郎さんが当時、漫画版も執筆しました。こちらのタイトルは英語部分が小文字になり『仮面ライダーBlack』となり、『週刊少年サンデー』にて1987年から1988年にかけて連載されました。この漫画版、主人公の南光太郎ら登場人物たちの設定は、一部名前は同じものの、テレビ版とは大きく変わっていて、登場する仮面ライダーのデザインやストーリー展開もまったく違っています。子供向け実写ヒーロー物の作風とは根本的に差別化していて、物語も重厚かつ陰鬱な内容もまっていて暴力描写、流血描写、ヌード描写、登場人物の凄惨な死、救いのない結末など、きわめて過酷な内容となっています。仮面ライダーのデザインも、ヒーローとしてデザインではなく、いかにもバッタ人間といったデザインで、戦い方も噛み付いたりしていて、仮面ライダーというよりは、クリーチャーに近い感じでした。テレビ版と比べてそのギャップから個人的には非常に好きな作品でした。イメージとしては漫画版とテレビ版で内容の違う『デビルマン』に近いイメージです。テレビ放映の期間だけの連載という予定だったのかはわかりませんが、全6巻と短めのストーリーで、終盤は畳み掛けるようにラストを迎えてしまっているのが惜しい作品です。

以上の理由から、『仮面ライダーBLACK SUN』についてはかなり大人よりの内容になるような気がして、非常に期待しています。というわけで、『仮面ライダーBLACK SUN』および原作『仮面ライダーBLACK』の紹介でした。「仮面ライダー生誕50周年企画」の子供向けは現在放映中の『仮面ライダーリバイス』の方でしっかりやっているようなので、『仮面ライダーBLACK SUN』は大人向けに妥協のない作品にしてほしいですね。

今回は以上です。

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