マクロスシリーズの原点『超時空要塞マクロス』の魅力とは?

サブカル

2021年最新作である「劇場版マクロスΔ(デルタ) 絶対LIVE!!!!!!」の公開が決定し、いまだ人気の衰えない『マクロスシリーズ』。さらにその映画で『マクロスF(フロンティア)』の新作も短編映画として同時上映されるとゆうニュースもあり、話題が尽きないシリーズとなっています。元々古くから人気のあったシリーズだったのですが、『マクロスF』のテレビ版、映画版がともに大ヒットし、人気が再燃したイメージがあります。なので『マクロスF』から入ったファンも少なくないのでないでしょうか。私の知り合いでも『マクロスF』からマクロスシリーズを視聴している人がいるですが、登場人物や世界観など把握できているのか確認した所、「マクロスシリーズってファンタジー作品ですよね?」と言ってたヤツがいました。いやいや、一応リアルロボット物のジャンルなんだけど・・・。そう伝えると、巨人がでてきたり、人が大きくなったり小さくなったりしているからファンタジー作品だと思ったそうです。もしかしたら、そう思っている新しいファンが多いのかもしれません。今回は、割と新しい作品から『マクロスシリーズ』のファンになった人に向けて、まずはこの『マクロスシリーズ』原点となる一作目の『超時空要塞マクロス』が人気シリーズとなった理由について、当時少年だったオッサンの視点から説明したいと思います。

『超時空要塞マクロス』がそれまでの作品と違った所

記念すべき第1作目『超時空要塞マクロス』は1982年に毎週日曜日の14時に放送されました。日曜の昼です。今じゃ考えられませんが。当時は『機動戦士ガンダム』から始まったリアルロボットブームの真っ只中で、『超時空要塞マクロス』もその流れから誕生した作品でした。それまで制作されたいわゆる“リアルロボット”作品は、いろいろと設定やアイテムを変えながらも、ガンダムに習ったロボット兵器の戦争を描いた作品止まりのものばかりでした。日曜の昼間に始まった『超時空要塞マクロス』もおそらく他と大差ない作品であると、当時の少年たちは誰もが思っていました。しかし『超時空要塞マクロス』はそれまでの“リアルロボット”作品にはなかった魅力が散りばめられていました。

可変戦闘機バルキリー

まずはマクロスシリーズの代名詞、バルキリーについて。その鮮烈な登場は今でも記憶に残っています。『超時空要塞マクロス』のオープニングで、空母のような所から発進する現用機のような戦闘機は、曲に合わせて飛び立つと、戦闘区域に到達するやいなや、腕と足をはやし、降下していきます。そして敵の砲撃を避けながら、人型に一瞬で変形し、応戦します。ここまでの映像で当時の少年たちはすでに心を鷲掴みされてしまいました。それまでのロボットアニメは『変形』というギミックをなるべくわかりやすく、どのように変形していくのかを細かく見せていくのが、演出としては定番だったのですが、『変形』という概念をリアルロボット物に持ち込んだ際、リアルさから変形は演出ではなく、手段の1つとしてみせることで、逆にカッコよく見え、あのオープニングに登場する兵器は本当にあんな風に変形できるのか、それともゲッターロボのように物理を無視したモーフィングで変形すんのかが、男子では学校で話題になりました。今では全然珍しくない複雑な変形ギミックですが、おそらくは『マクロス』に登場するバルキリーがこういった複雑な変形を最初に表現した作品だと思います。そんな学校での話題はその後、大ヒット商品となるタカトクトイスから発売された玩具の『バトロイドバルキリー』で真相を知る事になります。当時ですでにこの商品はファイター、ガウォーク、バトロイドの3段変形を可能にしていて、そのギミックに男子という男子は夢中になりました。こんな複雑な変形を演出で見せず、一瞬で変形させてしまう作品に隠されたエネルギーを当時の少年たちは感じ初めていました。さらに主人公たちが搭乗するバルキリーは量産機。みんな同じバルキリーに乗っています。この頃のリアルロボットアニメは、ジャンルがリアルロボットであっても、タイトルが主役機で、主人公専用機というのが普通でした。さすがにテレビ版では、主人公の輝はVF-1Jという、頭部やカラーリングが違うものに乗っていましたが(一般兵はVF-1A)、だからといって、性能が良いとか、特別だとかいう設定はありませんでした。特別なのは主人公の先輩で、隊長のロイ・フォッカー。VF-1Sという隊長機には、ドクロマークをつけ非常にカッコよかったです。そんなフォッカーは機体を残して、戦死します。その機体を輝が受け継ぐという熱い主役機交代エピソードも存在します。

 

デカすぎる宇宙船「マクロス」

宇宙から飛来したオーバーテクノロジーで謎の構造物が、地球人類によって改修され宇宙戦艦なり、番組のタイトルであるマクロスになります。リアルロボット作品で、主人公機が格納される母艦は別に珍しくもなんともありませんでしたが、マクロスはいろいろと規格外でした。ますはその大きさ。全長約1,200mの超巨大戦艦で、マクロスの中の居住区には街が作られるほど。そもそも宇宙戦艦に街作って、その中に民間人を住ませる理由はわかりませんが、この街で人々は普通に生活しているので、舞台が宇宙空間メインとなることの多かった物語では、この街の存在が日常パートとして流れることで、それぞれのエピソードでメリハリがついたイメージがあります。さらにそんな巨大な宇宙船が変形して、人型になるのでさらに驚きです。人型である強攻型は右腕にダイダロスという戦艦を接続させていて、ダイダロスの先にピンポイントバリアを集中させ、敵戦艦にダイダロスを突っ込ませ、中で艦載機がミサイルやビームは大量発射させ、内部から敵の宇宙船を破壊させる「ダイダロスアタック」もそれまでのアニメにはなかった演出。ちなみに右腕にはバルキリーを搭載しているプロメテウスがついています。主人公たちの母艦がここまでパフォーマンスにあふれているのもマクロスシリーズ独特な魅力です。このデカすぎる宇宙船という着想はおそらく、後の『メガゾーン23』へ繋がったのではないでしょうか(個人の考察)。

三角関係

第一話で主人公の一条輝は偶然バルキリーに乗ってしまい、その後でとある少女を助けることになります。その少女がこの作品のヒロインであるリン・ミンメイ。当時この番組を見始めた誰もが、ミンメイと輝が最終的に結ばれると思っていましたが、ミンメイはマクロスの中のコンテストで優勝し、アイドルとしてデビューすることになります。だんだん輝にそっけなくなっていくミンメイ。一方、何かと輝と揉めることが多かった女性の上官、早瀬未沙と輝が一度、敵軍の捕虜となった時をきっかけに、二人の仲が深まっていき、最終的には輝と未沙が結ばれるという誰もが予測しなかった恋愛模様が描かれました。多少はそれまでのリアルロボット作品にも恋愛が描かれる事はありましたが、マクロスに関しては、ほぼメインで描かれて、視聴者をロボットアニメでやきもきさせるなどそれまでになかった事でした。その後のシリーズでも何かしらの三角関係の恋愛模様が描かれていくことになります。

アイドルと歌

前述で紹介したように、ミンメイはアイドル歌手としてデビューします。日本のアニメ史においてもエポックメイキングな「架空のアイドルキャラクター」のおそらくは元祖となるのがこのミンメイ。今では普通となっているアニメのキャラクターが歌う歌が主題歌や挿入歌とは別に、現実の音楽市場でもヒットするような事はそれまではなかった事。実際に大ヒットとなるのは後の劇場版の主題歌『愛 おぼえていますが』なんですが、このミンメイの存在が今では普通になった作品内のキャラクターソングや、ユニットのきっかけになっています。ちょっと大げさかもしれませんが、アニメが萌え方向に向かったのもおそらくは彼女の存在があったからではないでしょうか。

異星人の設定

物語のメインとなる部分の異星人との戦争というは、その当時であってもありふれた設定でしたが、ここでもマクロスは独特なひねりを加えてきました。戦闘で相対する敵兵、つまり異星人はバトロイドと同じサイズの巨人。そして敵軍は男性と女性がそれぞれ軍に分かれて対立しており、地球とはまったく違う文化という設定も斬新過ぎました。男性軍と女性軍が対立している敵軍が、男性と女性で愛し合う地球人の文化に驚愕し、歌を聞いた時に敵が恐怖するなど、独特な物語の見せ方に夢中になっていきました。物語の中盤で停戦となった時、敵であるゼントラーディ人の技術で、マイクローン(普通地球人のサイズ)になる事が可能で、その後のシリーズでもこの設定がずっと生きているわけです。ファンタジーではないのです。

逆ガンダムで1クール延長

本来、『超時空要塞マクロス』は全26話の2クールで制作される予定でしたが、日曜の昼間であっても好評で、ファンからの支持や関連商品の売行きが好調だったことから、1クール分延長され全36話放送されました。なので物語としては第27話『愛は流れる』で一度最終回のような終わり方をして、28話以降はその後日談となったというそれまでに前例のなかった作品です。もし、TVシリーズを見ようとする人がいたら、27話までの勢いと28話以降の脱力感を変に感じるかもしれませんが、この28話以降が作られている時には、すでにメインスタッフは次のステップへと移っていました。本来、4クールで予定されていたけど、1クール分減らされた『機動戦士ガンダム』とは逆ですね。もちろん、『マクロスシリーズ』があるのも、ガンダムがあったからこそなのですが。

劇場版『超時空要塞マクロス・愛 おぼえていますか』

テレビアニメ作品『超時空要塞マクロス』の人気を受けて、1984年に劇場公開されたのが、『超時空要塞マクロス・愛 おぼえていますか』28話以降にメインスタッフは次のステップへと移っていたというのがこの劇場版の事です。テレビシリーズ第27話「愛は流れる」までのエピソードを再構成して、すべてを新規作画として完全新作として制作されました。輝の乗るバルキリーがVF-1Jから一般兵と同じVF-1Aになって、スカル大隊所属機はみんなドクロマークがついているなど、よりリアリティを追求したり、ミンメイと輝が出会う前から、ミンメイはアイドルだったり、マクロスの腕がダイダロスやプロメテウスからアームド1,アームド2と細かい設定変更はありましたが、基本的なストーリーの流れに変化はなく、むしろ一本の映画として非常に見やすい作品として生まれ変わったマクロス。よくガンダムシリーズなどで、映画版をみた方がいいとか、テレビ版をみた方がいいとかいろいろ言われますが、マクロスに関しては、この劇場版だけ見れば、なんの問題もないです。

実は『オタク』の語源?

『オタク』という言葉の語源もマクロスではないか?という説もあります。元々『オタク』の語源は相手に対しての二人称、つまり『あなた』、『キミ』、『オマエ』を『お宅』という言葉を使用していたことからオタク族と呼ばれるようになり、短くして『オタク』と呼ばれるようになりました。お宅は本来、相手の家の事を近所の奥さんたちが指す時に使用していた言葉で、ウチ⇔お宅という意味でしたが、当時のサブカルチャーのマニアたちが相手の事を『お宅』と呼ぶようになった原因が、おそらくこのマクロス。マクロスの主人公の一条輝は、相手の事、特に女性に対して『お宅』と呼んでいて、キミとかオマエと呼ぶことがありませんでした。作品内では特定の異性に対する照れ隠しのような要素もあり、当時のサブカルチャーマニアたちが、輝のマネをして『お宅』と呼ぶようになり、今に至るとも言われています。

以上が『マクロスシリーズ』の原点となる『超時空要塞マクロス』の魅力です。私も自分の記憶を紐解くと同時にいろいろ調べてみると、マクロスが現代に及ぼした影響はすごかったと改めてかんじました。
次回の記事では、マクロスシリーズの作品を追っていきたいと思います。

それぞれマクロスシリーズの内容と3大要素を紹介・前編
いまだ人気の衰えない『マクロスシリーズ』。割と最近の作品である『マクロスF』からマクロスシリーズを視聴している人が、作品内にでてくる巨人や異星人などと地球人の関係性についてわからない人がいるみたいです。今回はこれまでのマクロスシリーズの簡単なあらすじと、マクロスシリーズの3大要素である『可変戦闘機』『三角関係』『歌』をそれぞれの作品ごとにご紹介します。

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