今は昔と違って、レンタルじゃなくても、ネット配信などで動画が観れる時代。時間があれば、ちょっと興味があるものを好きなだけ見ることができると思います。私は「ガンダムシリーズ」の大ファンなんですが、もっと「ガンダムシリーズ」をいろんな人に観てもらって、その素晴らしさを知ってもらいたいと思っています。ただ、“ガンダムにちょっと興味あるけど、どの作品から観ればいいかわからないから結局観ないまま・・・”という人が結構いるという話を先日、知人から聞きました。ならば、この作品からみても、もしくはこの作品だけみても、理解できる問題ないというガンダム作品を紹介したいと思います。作品紹介の前に、まず「ガンダムシリーズ」がなぜ複雑になっているのか、簡単に説明したいと思います。
目次
問題なのは「宇宙世紀シリーズ」
「ガンダムシリーズ」は、すべてがすべて繋がっているワケではありません。ただなんでそんなに「ガンダムシリーズ」が複雑になっているのか。
よくガンダム作品の見出しやタイトルに「宇宙世紀0079」とか「U.C.0079」とか表記があるものがあると思います。これは何かというと、一番最初の作品『機動戦士ガンダム』の中で、年号として使われている表記です。今でいう『西暦』ですね。『西暦』もよく表記で『A.D.』なんて表記します。これと一緒で初代ガンダムの世界では、西暦の後の年号という設定で『宇宙世紀』という年号を使っています。『宇宙世紀0079(ダブルオーセブンティナインと読みます)』は宇宙世紀79年ってことです。でもって『U.C.0079』みたいな表記の『U.C.』は『Universal Century』の略。『宇宙世紀』を英語で言っているだけです。なので『U.C.0079』も宇宙世紀79年ってことになります。『宇宙世紀』とも『U.C.』とも使われるので、知らない人からすればなんだかさっぱりですね。でもって、この『宇宙世紀』シリーズがガンダムを複雑にしているのです。例えば初代の『機動戦士ガンダム』の最初に作られた続編が、7年後の世界を描いた『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム』。7年後なので宇宙世紀で言えば0087。87年ですね。でもって『機動戦士Zガンダム』の後も『機動戦士ガンダムZZ(ダブルゼータ)』、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』とどんどん続いて、その分年号の年数も増えていっていますが、後々になってから初代『機動戦士ガンダム』の時代に、メインストーリーとは別の場所で、違う物語があった的なOVAやゲームでどんどん追加されていったり、『機動戦士ガンダム』と『機動戦士Zガンダム』の間の7年間に何が合ったか話が作られたり、突然30年後のストーリーが映画でやったりと、後付や追加がいっぱいで、どんどん宇宙世紀が複雑になっていきました。一概には言えないのですが、「宇宙世紀シリーズ」以外はすべて独立されている作品ばかりなので、そういった作品なら、観ても特に問題ないと思います。それではこれだけ観ても問題ないガンダムシリーズを紹介します。今回はとりあえず3作品紹介します。
「機動戦士ガンダム」劇場版3部作
すべての原点である作品。初代ガンダムです。後にファーストガンダムと呼ばれる作品。結局、宇宙世紀じゃねーか。と言われそうですが、一番最初なので続編なんか気にしないのであれば、やはりこの作品をオススメします。テレビシリーズは全43話あり、動画配信サービスなどもされています。ただ、最初に43話はシンドイと思います。そんな人におすすめなのが劇場版の3部作。劇場版はテレビ版を再編集したものですから、内容に大きな変化はありません。音楽も映画用の主題歌が用意されていて、クライマックスに劇中でかかったりして、テンション上がります。なので、とりあえずガンダムを知りたいという人は「機動戦士ガンダム・劇場版3部作」がいいと思います。世間一般でネタとして使われているガンダムの要素は、すべてこの作品からといっても過言ではありません。“ニュータイプ”とか、“赤い彗星のシャア”が3倍早いとか、いろいろな場面で語られる名セリフはだいたいこの作品で体験できます。ただし、この作品は40年前の作品。現代のアニメに目が肥えてしまった人には、映像として古くささは否めないでしょう。1作目はほとんどがテレビの映像を編集したのですが、2作目以降は劇場用に新しく作画されたシーンも多くなるので、後半にいくにつれ、映像は良くなっていきます。かつて大ブームとなり、今もシリーズを継続させているきっかけとなった、『機動戦士ガンダム』を是非オススメします。
作品タイトル
『劇場版 機動戦士ガンダム』
『劇場版 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』
『劇場版 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』
登場ガンダム:RX78-2 ガンダム
ざっくりストーリー
西暦が終わって新年号となった宇宙世紀。この時、全世界の垣根をなくし、地球統一の政府ができます。その名も地球連邦。この頃になると人口が増えまくっちゃって、地球に住めなくなっちゃったんで、“スペースコロニー”という超デカい宇宙ステーションのようなものを、宇宙に作って、そこに人が住み始めます。スペースコロニーはサイド1からサイド7までナンバリングされて、地球から一番遠いサイド3が、地球連邦から独立したいってことで、自分たちをジオン公国と名乗って独立戦争をしかけます。全地球に加え、他のスペースコロニー全部を敵にするんだから、はっきり言って絶対勝てない戦争のはずだったんだけど、ジオン軍は連邦軍にない人型の兵器“モビルスーツ”を使用することで、劣勢のはずの戦争を有利にすすめ、いくつかのスペースコロニーを地球に落とすなど、大胆な戦術で地球連邦軍に大打撃を与えます。ジオン軍の侵攻は主人公である15歳の少年アムロが住むサイド7まできます。サイド7の人々が避難する中、アムロは父が開発した連邦軍の新型モビルスーツ“ガンダム”の操縦マニュアルを偶然拾います。ジオン軍のモビルスーツの襲撃で混乱する連邦軍の中、アムロは動かずに壊されそうだった“ガンダム”に乗り、ジオン軍のモビルスーツ“ザク”と戦闘を開始するのでした。
『機動戦士ガンダムSEED』
もう少し新しくて、おすすめするのであれば、『機動戦士ガンダムSEED』。これはのちに“平成のファーストガンダム”と呼ばれるほど、大ヒットした作品。女性からの支持も高かった作品でもあります。設定や描写なども新しくなっているので、初代の「機動戦士ガンダム」がどうしても難しいという人におすすめします。ただし、この頃に制作されるガンダムの特徴として、ガンダムが冒頭から何機もでてくるので、なれてないと少し混乱するかも。この作品は後に続編がいくつか制作されるほど人気があり、さらに第2次ガンプラブームと呼ばれるほど、プラモデルが売れました。テレビ放映時は全50話。現在ネット配信サービスなどでみれるHDリマスターでは48話となっています。これはテレビ放映の際、2話分が総集編だったためなので、少なくなっているわけではないです。ですがやっぱり長いですよね。そんな人におすすめなのが『機動戦士ガンダムSEEDスペシャルエディション』。これはTVシリーズのストーリーを3部作で再編集したものになっていて、1つが映画1本くらいの長さになっています。ちなみに初代のガンダムファンの中には、この作品を毛嫌いする人が結構います。私はそんなことないので、理由はよくわからないのですが、おそらくは、物語後半から主人公が戦争なのに人を殺さないように敵を倒したり、主役のガンダムが後半でちょっと強すぎるなどだと思います。ただ、そのあたりはこの作品のテーマを描いている根本的な所なので、それはそれ、これはこれで楽しめばいいと思います。この作品で個人的に好きな設定があり、それが『フェイズシフト装甲』。この作品のストーリーで、敵は地球に核を無効化するニュートロンジャマーを打ち込んで、動力として核エンジンは使用できないので、モビルスーツのエネルギーは有限となっています。そんな中ガンダムの装甲はPS装甲といって、ビーム以外の攻撃を、無力化する装甲をもっているのですが、先程いった通り、エネルギーは有限で、エネルギーがなくなるとビーム以外も有効な装甲に戻ってしまいます。その設定を生かした描写が結構あって、基本的にロボット物が好きな私としては、こうゆう“設定の中で工夫しながら戦う”というのが大好きです。なお、物語後半はこのニュートロンジャマーを無効化するニュートロンジャマーキャンセラーを装備したガンダムが出てきて、核を搭載して、ずっとPS装甲が使えちゃう機体がでてきちゃうですけどね。
作品タイトル
『機動戦士ガンダムSEED HDリマスター』 全48話
『機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション 虚空の戦場』
『機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディションII 遥かなる暁』
『機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション完結編 鳴動の宇宙』
登場ガンダム:ストライクガンダム、フリーダムガンダム
ざっくりストーリー
こちらの年号はコズミック・イラ。ちょっと言いにくい。表記としてはC.E.。この世界も宇宙でスペースコロニーに人が住む時代です。この世界の特徴としては、「コーディネイター」という人種がいること。「コーディネイター」とは、遺伝子調整によって強靱な肉体、優秀な頭脳を持った新人類のこと。ぱっと見は普通の人だけど、いろいろできるチート級の人間みたいなものです。対する普通の遺伝子の人たちのことは「ナチュラル」と呼ばれています。私はナチュラルになりますね。で、この世界ではそのコーディネイターがもういっぱいいて、コーディネイターが中心となって作ったスペースコロニー「プラント」にはコーディネイターがいっぱい住んでます。この「プラント」に対して、地球連合軍のナチュラルたちは、わかりやすく言うと、行き過ぎた嫌がらせをし続けます。そのせいかプラントでは軍隊「ザフト」が作られます。そしてプラントのコロニーの一つが、地球連合軍の核ミサイルによって破壊されたことにより、対立は表面化し、ザフト軍と地球連合、すなわちコーディネイターとナチュラルの戦争が始まります。そんな中、ザフトにも連合にも属さない中立国のコロニーでナチュラルの友人たちと、楽しく生活していたのがコーディナイターのキラ・ヤマト。この物語の主人公です。キラたちが生活していた中立のはずのコロニーで、実は地球連合軍のモビルスーツが開発されているという情報を受け、ザフト軍の少年兵がこのモビルスーツを強奪しに、コロニーに侵入します。次々と強奪される新型モビルスーツ。そこに偶然居合わせてしまったキラは、5機のうち1機を奪おうとしている少年兵の一人が、かつての親友アスラン・ザラであることに気づきます。アスランもキラに気づきますが、そのままMSを強奪。5機中4機が奪われ、そこにいた技術士官のマリュー・ラミアスは、最後の1機を守るため、キラを連れて「ストライクガンダム」に搭乗することになってしまいます。外でザフト軍のモビルスーツが待ち構える中、マリューはたどたどしくストライクガンダムで応戦します。その様子を見たキラは、自ら操縦を変わり、ストライクのOSをその場で書き換え、ザフトのモビルスーツを撃破するのでした。
『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』
こちらも少し新しめの作品。といってももう10年前ですが・・・。順番でいうと、『SEED』シリーズのあとに作られた作品です。この作品は先の紹介した2作品と少し雰囲気が異なり、大きな戦争というよりは、主人公たちがガンダムを使って、テロっぽいことをするストーリー。もちろん、悪い奴らじゃなくて、ちゃんとした理由があります。この作品の特徴は、ガンダムには特殊な動力である“GNドライブ”というエンジン(?)を使用していて、GNフィールドという、まあバリアのようなものを展開し、基本的には無敵になっています。放映当初、個人の感想として、あんまり元気のない作品だなぁと思ってみてたのですが、途中から敵もこのGNドライブを使い始めると、ガンダム側もだんだんと厳しくなってきます。そこで土壇場ででてくる“トランザム”という機体性能を3倍に上げる必殺ワザのようなシステムがでてきて、リアルタイムで視聴していた私としては、気がつくとテンション上がったのを覚えています。でてくるガンダムもこれまでと少し違う雰囲気のデザインが多く、全体的にきれいにまとまった作品というイメージがあります。それまでのガンダム作品は基本的に4クール(だいたい1年間)放送されていたのですが、この作品からは2クールで放送されました。なので半年分の25話なのですが、ファーストシーズンとセカンドシーズンに分かれていて、たすと50話になります。変わらねーじゃないかと思われがちですが、シーズンごとにしっかり物語は終わってはいますので、これまでの作品が長すぎるという人は、この作品のファーストシーズンだけ見てみるのも良いかもしれません。セカンドシーズンは、ファーストシーズンの最終回から数年後なので。ちなみにその後、セカンドシーズンの後日談を描いた劇場版も公開されています。ファーストシーズンを見て面白かった人は、続けてセカンドシーズン、劇場版と見ていってもいいかもしれません。
作品タイトル
『機動戦士ガンダム00』ファーストシーズン 全25話
登場ガンダム:ガンダムエクシア、00(ダブルオー)ガンダム
ざっくりストーリー
この作品の年号はなんと西暦。西暦2307年、この時代は国家が大きく分けて3つ存在しています。アメリカや日本などがまとまった『ユニオン』、ヨーロッパ全体がまとまった『AEU』、中国やロシアなどがまとまった『人類革新連盟』。この時代では、化石燃料が枯渇してしまっていて、太陽光発電衛星からの電力を得るために、軌道エレベーターが建設され、この三大勢力が維持していました。この三大勢力は直接的な戦争はないものの、冷戦状態が続いていました。そんなある日、AEUが客を招いて新型モビルスーツの公開デモンストレーションを行っていましたが、そこへ謎の所属不明のモビルスーツが襲来。モビルスーツの額に“GUNDAM”と刻印されてました。このモビルスーツがAEUの新型を一瞬で破壊し飛び去りました。一方、同じころに人類革新連盟の宇宙ステーションを襲撃したテロリストを、同じ刻印の別の2機が迎撃し、多数の市民の命を救います。これら一連の騒動を各メディアが取り上げ、騒動が起こる中、全世界に向けて1つの声明が発表されます。『私設武装組織「ソレスタルビーイング」は、戦争・内乱など世界中のあらゆる武力紛争に同じ武力をもって介入し、戦争根絶を目指す集団である』という。それは「平和のための武力行使」という矛盾を抱える行為でした。「GNドライヴ」を搭載した4機のガンダムを所有するソレスタルビーイングは、武力介入を行ないながらも、その最中に人命救助を行なうなど、テロとしては矛盾した行動をとる彼らに世界は混乱し始める。そんな中、日本に暮らすごく普通の学生、沙慈・クロスロードは、隣に引っ越してきた新しい隣人と出会う。彼こそ、ソレスタルビーイングのガンダムエクシアのパイロット、主人公の刹那・F・セイエイでした。
とりあえずは3作品を紹介しました。他にも紹介したい作品があるのですが、このペースで紹介すると、膨大になってしまいますので、また第2弾を今後投稿する予定です。気になった人はぜひ鑑賞してください。
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