以前に編集者が転売を擁護するような発言をTwitterでしてしまい、ホビー誌が転売を擁護することに炎上し、該当編集者が懲戒免職になり、上司も降格という厳しい処分を下した『月刊ホビージャパン』。転売熱はまだ治っていないようですが、最近ようやくこの話題も沈静化してきました。なのに、またホビージャパンのモデラーが転売擁護ととれるツイートをして、再び炎上してしまっています。
問題となったツイートは以下の内容。
※ツイート内容を抜粋
「ネット購入は瞬殺だったり転売ヤーに吊り上げられたりありますが、頑張って努力すれば買えない訳じゃない」
「勿論地方の人は環境的に大変だと思うけどこれまた日ごろの付き合いなんかも大事なんよ」
「色んな所にアンテナはって、普段から人とのお付き合いを大切にしていると助けてもらえる事多々感謝感謝です♪」
7月の編集者による転売擁護ともとれるツイートにより、大炎上したのはまだ記憶に新しいかと思います。最近ようやく沈静化してきたこの話題について、『月刊ホビージャパン』の誌面にて、作例記事を載せているモデラーさんが、またもや転売擁護ととれるような発言をしてしまいました。文面を読む限り、完全な転売擁護ではなく、“転売ヤーがいても、努力次第では欲しい商品は購入できる”というようなツイートになっているので、そこまで責められる内容ではないかとは思いますが、なんせ前回あれだけ大ごとになっているので、それを臭わずツイートはやはり問題となってしまいますね。さらに受け止め方によっては、“自分はモデラーをやっているからコネで購入できる”というようなニュアンスもあるので、転売問題で欲しい商品を購入できないモヤモヤしている一般ユーザーの中には、面白くない発言にもなってしまっています。
前回との大きな違いは、今回は編集者のような『月刊ホビージャパン』のスタッフではなく、雑誌に作例を載せているモデラーさんによる発言ということです。模型にあまり興味がない人や『月刊ホビージャパン』を読んだことない人に向け、今回のモデラーさんについて少し説明します。
『月刊ホビージャパン』のモデラーとは
『月刊ホビージャパン』は編集者など雑誌そのものを製作するスタッフがいて、この人たちは「株式会社ホビージャパン」の社員として、雑誌を作り発行しています。前回問題発言をツイートしてしまったのは、この社員の一人です。それとは別に『月刊ホビージャパン』は模型雑誌なので、実際に発売さている模型や、雑誌の特集などのテーマに合わせて、スクラッチ(ゼロから模型を作る)など製作した「作例」を誌面に載せ、その製作記事を執筆するモデラー(ライター)と呼ばれている人たちがいます。彼らはプロのモデラーということになっていて、雑誌の編集ではなく模型作りが専門です。なのでモデラーさんは「株式会社ホビージャパン」の社員というわけではありません。今回問題となったツイートをした人はこの作例を作るプロのモデラーさんの方です。
今回問題発言をした「keita」さんは10月号では、最新アイテムの「MGエクリプスガンダム」の作例を任されほどの実力者。『月刊ホビージャパン』の誌上にはたまにしか作例をやらないモデラーさんから、毎月のように作例を載せる常連のモデラーさんもいて、それぞれ独自の作風などがあり、常連のモデラーさんになると、ファンがたくさんいたりもします。モデラーさんは雑誌作例以外にも、ガレージキットなど模型の原型師などをしている人もいて、まさにプラモデルのプロといった感じですね。現在、バンダイの社長である川口さんも、昔、川口名人としてプロのモデラーさんをしていました。ということで、今回の問題ツイートについては、「月刊ホビージャパン」というよりは、このモデラーさん本人の問題となるわけですね。ただ作例を載せいている雑誌が「月刊ホビージャパン」なので、その関連から“またホビージャパンが”というように取られてしまうというわけですね。
作例ってどんなことやってんの?
念のため、ここでいう「作例」についても説明します。『月刊ホビージャパン』に限らず模型雑誌では必ずといっていいほど、ページの多くを使用しているのがこの「作例記事」。新しく発売したガンプラなどの最新アイテムや、その号のテーマに合わせたアイテムを、プロの技術で製作して、その工程や改造ポイント、塗装に使った色の配合など、モデラー(ライター)さんによって様々ですが、その詳細を完成品の写真とともに文章にて説明しています。これが「作例」といわれているものです。モデラーさんによっては、独自の作風やアイディア、そのアイテムを製作する上での注意点なども教えてくれたりするので、模型を趣味にしている人にとってはかなり参考になる記事となっています。今回問題発言をした「keita」さんは、綺麗な仕上がりの作例が多く、その作風にファンも多いようですね。もちろん、今回の件で今後どうなるかはわかりませんが、実力については相当な人です。
ようやく沈静化してきた『月刊ホビージャパン』の転売擁護に関する一連の事情。今回のツイート内容については、完全に転売を擁護しているというわけではないのですが、前回のあの騒ぎの後に、どんな意味であっても、関連した話題は本来避けるべきだと思います。それだけ転売問題は、受取手にとってデリケートな問題になっているということですね。
今回は以上です。
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