ここ最近、『ガンダム』シリーズのプラモデル、いわゆる『ガンプラ』の転売が頻繁に行われていて、転売目的で買い占めた人が、定価以上の価格でメルカリなどに出品することが、ネットで常に話題になっていました。今回問題となったガンプラはHGUCの『ナイチンゲール』。発売と同時に転売目的の人たちに狙われ、買い占めが起こり、本来欲しかったファンが購入できないという現象が起き炎上していました。しかし、つい先日、バンダイから再販の一報があり、普通に買えるようになってしまうため、在庫を抱えた転売屋の人たちが返品し始めたという噂が流れています。
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一連の出来事の説明
2021年7月にガンダムシリーズ作品に登場するモビルスーツ『ナイチンゲール』の1/144のプラモデルがHGUCというブランドで発売されました。この『ナイチンゲール』は、シャアが乗った機体です。人気作品である劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にて主役の2機として登場するのは、アムロが搭乗する『νガンダム』とシャアが搭乗する『サザビー』。で、この『逆襲のシャア』はアニメ以外にも富野監督が自ら執筆した小説版が存在します。その小説が『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』というもの。この小説の『ベルトーチカ・チルドレン』では、主役の2機がデザインがアニメ版と異なります。『νガンダム』は同じ機体だったのですが、デザインが違っていたので後に『Hi-νガンダム』と名前を改められした。そしてシャアが乗っていたのが、『サザビー』ではなく、今回HGUCとして発売された『ナイチンゲール』というわけです。『ナイチンゲール』は『サザビー』に比べて大型の機体となっていて、キュベレイやジ・オの要素も合わせたデザインになっていることから、一部のファンでは非常に人気がある機体です。以前は知る人ぞ知るモビルスーツでしたが、テレビゲームの『スーパーロボット大戦』シリーズや『Gジェネレーション』シリーズに登場するようになり、ゲームでは『Hi-νガンダム』が『νガンダム』の、『ナイチンゲール』は『サザビー』の上位機種として扱われたことにより、知名度も人気も一気に上がりました。その人気から9月発売予定の1/144の最高ブランド『RG』で『Hi-νガンダム』が発売されるのに合わせて、同スケールの『ナイチンゲール』がHGUCとして発売となったわけです。そして今回はこの『ナイチンゲール』が転売屋さんのターゲットになったわけです。
定価は1/144とは思えない7,700円。でかいですからね、元が。これを買い占めた転売屋さんたちはメルカリやヤフオクで10,000円から14,000円の価格で販売していました。店やネットで買えなくなったことにより、欲しくてしょうがないファンは転売屋から購入せざるを得なくなったわけです。この一連の問題があまりにも横行しているため、本来のファンたちは憤っているというわけです。私も転売は反対派です。
ちなみにHGとかHGUCとかRGとかの説明については、こちらで解説しているので合わせて見てみてください。
「HGナイチンゲール」再販
そんな感じで、転売問題が横行している中、突如販売元のメーカーであるバンダイから再販の一報がありました。完成品のフィギュアなどではなかなか難しいのですが、プラモデルの場合は、金型がある以上、どんどん生産できるので、人気商品なら再販は割とすぐにかかります。それとここからは噂なのですが、この再販の報を知った転売屋さんたちが、こぞって在庫の『ナイチンゲール』を返品しているという情報が現在ネットで飛び回っています。返品できるかどうかはわかりませんし、この情報が事実かどうかもわかりません。ただもし返品しているとしたら、他のユーザーや小売店にとって迷惑でしかありませんね。いずれにせよ「HGナイチンゲール」が再販されるのは事実ですので、欲しい人は無理して転売屋さんから買わなくてよくなります。基本的にプラモデルは先ほど伝えた通り、金型があるので限定品でなければすぐに再生産されます。完成品のフィギュアと違って、完成させる手間を省いたのがプラモデルなので、よほど急いでいないかぎりは、慌てて買う必要はありません。人それぞれニーズも違うかと思いますが、急いで転売屋から買うのは非常にもったいない行為だと思います。おそらく9月発売予定の『ナイチンゲール』のライバル、『RG Hi-νガンダム』でも同じことが起こると思いますので、もし買えなくても慌てず今回のように再販を待ちましょう。
ガンプラは転売には向かない
以前、ガンプラの転売が流行り出した頃、バンダイがガンプラ40周年を記念したアイテムの一つとして、『EG(エントリーグレード)』というものを発売しました。この『EG』は安価で、パーツ数を少なくして、組み立てが簡単なプラモデル初心者に向けた商品。770円という低価格で、色分けや可動や組み立て安さを実現したとして、ファンからも注目されました。この『EG』のRX-78-2ガンダムが発売された時、新製品として転売屋さんが2,000円くらいで、メルカリに出品していたのを見かけました。でもこの商品、“低価格で色分けや可動や組み立て安さを実現”したというのが魅力なので、もしこの商品が2,000円もしてしまうなら、普通のHGUCのRX-78-2ガンダム(画像上)の方が、1,100円で実際には『EG』(画像下)よりもクオリティーが高いし、普通に店に売っているので、わかってる人は高くなった『EG』より通常価格の『HG』を購入します。
また今回の『ナイチンゲール』も転売価格で10,000円を超えてしまうのであれば、新作にこだわらない人だったら以前発売された『RE/100』の『ナイチンゲール』が8,800円の購入できます。細部のデザインなど若干違いますが、こちらは1/100なので、今回発売された1/144より大きく、ボリュームもあります。(下の画像)
このように転売目的で購入する人が、『ガンダム』シリーズに詳しかったり、模型誌などで情報を得ていて、ホビー関係に詳しいならば、ガンプラの転売で儲ける事はできると思いますが、特にこういったジャンルに詳しくない人が手を出すと、今回のようなことが常に起こるので、やめた方がいいと思います。そもそも現在ガンプラが品薄なのは、ステイホームによるコロナ需要と、YouTubeでガンプラせどり推奨動画がヒットしたからだと思われます。おそらくは労力に見合った利益にもなりませんし、それによって迷惑している人がいるので、ガンプラの転売なんかやめた方がいいと私は思います。それにかつて「ガンダムトリスタン事件」というものありましたし、損する可能性もあるので、リスクもあるかと思います。「ガンダムトリスタン事件」については、いずれ紹介します。
実は私も息子が生まれる前、ガンプラを完成品をヤフオクなどに出品したことが過去にあります。これは転売が目的ではなく、完成品がどんどん置けなくなってしまったから。私の場合は製作して完成した物を売っていました。その時は置けなくなって、いらなくなった物から売っていたのですが、製作時お気に入りだったドムやケンプファーは4,000〜5,000円で落札されていたのに対し、当時『SEED』関係のモビルスーツは対して手を加えていなくても、10,000円超えておどろいた記憶があります。いつかこの話題についても記事にできたらいいですね。
今回は以上です。
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