戦闘や感想については前回クリアしたテンションのまま紹介しましたが、よく考えてみると個人的な感想だけで、どんな物語なのかについてはあまり紹介していませんでしたので、今回は『幻影異聞録♯FE』の物語やキャラクターについて紹介したいと思います。
目次
物語について
芸能界を扱った作品ということで、敬遠している人が多いこの『幻影異聞録♯FE』。まずこのタイトル『幻影異聞録♯FE』を読めない人もいるんじゃないでしょうか。このゲームのタイトルは「げんえいいぶんろくシャープエフイー」と読みます。ハッシュタグじゃありません。『FE』は『ファイアーエムブレム(FIRE EMBLEM)』の略ですね。今回はまず設定や物語の冒頭を紹介します。
この作品の物語は『真・女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズなどアトラスが設定としてよく使う、ファンタジーと日常が合わさった現代が舞台となっています。主人公は現代と異世界を行き来し、現代では「芸能界」で活動するのに対し、異世界「イドラスフィア」ではミラージュと命をかけた戦いに挑むことになります。異世界「イドラスフィア」に存在する幻影「ミラージュ」は、人間たちが持つ表現力の結晶「パフォーマ」を奪うために、現実世界へ侵入してきます。「ミラージュ」に対しては通常兵器は一切通用せずミラージュの力でしか対処できません。そのため、「ミラージュ」をパートナーとしてその力を使用することのできる「ミラージュマスター」が唯一彼らと戦う力となります。で、この「パフォーマ」は表現力の結晶。なので歌や演技など芸能に関する能力が高いほど、「ミラージュマスター」としても強力な力を得ることができます。主人公たちが芸能事務所に所属する理由は「芸能界」でこの「パフォーマ」を強くする・・・という意味合いもあります。
ざっくりストーリー
舞台は現代の東京。主人公の「蒼井 樹(イツキ)」は普通の高校生。その日、親友の「赤城 斗馬(トウマ)」とだいたま展望台(現実のお台場だと思います)で待ち合わせしていました。そこでイツキは幼馴染の同級生の少女「織部つばさ」を見かけます。その時、だいたま展望台では新人アイドルのオーディションが行われていました。どうやらつばさはこのオーディションに参加するようでした。しかし、オーディション会場に異変がおきます。会場に現れた謎のマントの怪人によって、オーディションに参加していた多くのアイドル候補の少女たちが拘束されそのまま彼らがやってきた謎の異世界へ連れ去られてしまいます。その場にいたつばさもさらわれてしまいました。それを見ていたイツキはつばさを救出するため、自らその異世界に飛び込みます。
マントを着た怪人が闊歩しているその異世界の名前は「イドラスフィア」。ようやくつばさの居場所を見つけたイツキでしたが、それまでの道中、執拗に追いかけてきていたマントを着た怪人の一人に捕まってしまいます。マントを着た怪人に攻撃した瞬間、イツキの体の中から不思議な光の玉が飛び出し、謎の生物はそれに怯みました。
それを見ていたイツキはその光の玉をぶつけました。すると怪人のマントが取れ、中から戦士が現れました。彼はそれまで正気を失っていましたが、イツキの当てた光の玉のおかげで理性のある状態に戻りました。彼の名前は「クロム」。クロムは自分を正気に戻したイツキに手を貸すことにしました。その瞬間、イツキの姿が騎士のように変わり、クロムは剣へと姿を変えました。
「クロム」や怪人たちは「ミラージュ」と呼ばれる存在で、「ミラージュ」をつき従えることのできる人間は「ミラージュマスター」。「ミラージュ」を倒すことができるのはこの「ミラージュマスター」だけでした。クロムの力を身につけたイツキはつばさを救出します。するとつばさからも光の玉が出てきました。イツキはその光の玉をつばさを拘束していたミラージュにぶつけます。するとそのミラージュも正気を取り戻し、自らを「シーダ」と名乗り、つばさに協力することになります。
こうしてイツキとつばさはミラージュマスターとなり、イドラスフィアから脱出しようとしました。そこへ親友のトウマが現れ二人に加勢してきました。実はトウマもすでにミラージュマスターになっていたのでした。なんとか無事にイドラスフィアから脱出した3人。出口にはトウマが所属する芸能事務所の社長「志摩崎舞子(マイコ)」がいました。
ここでマイコからミラージュについての真相を聞くことになります。マントの怪人、ミラージュたちが狙っているのは、人間たちが持つ表現力の結晶「パフォーマ」というもの。ミラージュに対しては通常兵器は一切通用せずミラージュの力でしか対処できないため、ミラージュの力を武器として戦うミラージュマスターは「人類の脅威に対抗しうる者」とのこと。芸能は「神降ろし」を起源とするということで、ミラージュマスターの実力は芸能の才能がある人ほど、高いらしい。つまり、芸能界で活躍している人は、それだけ高いパフォーマの持ち主というわけです。マイコはイツキとつばさに自分の芸能事務所に入り、ミラージュマスターとして協力してほしいといいます。この申し出につばさが強くうなずきます。
つばさは5年前、アイドルとして活躍していた姉の「アヤハ」の舞台を観覧していました。しかし、その会場では今回のオーディションのような異変が起き、突然黒いモヤみたいなものが会場を包み、出演者や観客を消し去ってしまいました。そこで数少ない生還者となったのがつばさでした。5年前の事件で、姉の行方がわからなくなったつばさはオーディションを受け、芸能界に入れば姉の行方がわかるかもしれないと思っていたのでした。マイコはそのことをすでにしていて、つばさをアイドルとしてデビューさせることにします。イツキも協力することになり、二人はミラージュから人々を守りながら、芸能の世界を生きてゆくことになります。
キャラクターを紹介
蒼井樹 CV:木村良平
本作の主人公で平凡な高校生。事件に巻き込まれミラージュマスターに覚醒します。その後、つばさとともに芸能事務所「フォルトナエンタテイメント」に引き込まれるのですが、芸能の世界に憧れも興味もない。しかし、もともとの人の良さからか、徐々に事務所のリーダーのような存在になっていきます。アトラスのゲームとしては名前も性格もある主人公で珍しいのですが、かなり薄い主人公です。すごくいい奴ですが、かなり薄い。主人公が中心となる芸能関係のイベントはほとんどありません。なのですが、そのせいでラストにものすごく存在感を発揮し、美味しい所をもっていきます。ミラージュはロードのクラス「クロム」。「クロム」の声優さんは杉田智和さん。『ペルソナ5』の祐介ですね。
織部つばさ CV:水瀬いのり
今作のメインヒロイン。樹の幼なじみで「こけら落とし消失事件」と呼ばれる5年前の事件の生存者。樹とともにミラージュマスターに覚醒し、姉の彩羽の救出のために新人アイドルとして「フォルトナエンタテイメント」に所属することになるます。彼女のアイドルとしての成長の物語がメインとなります。デビュー前まで霧亜の大ファン。作中は可愛らしく描こうとしているせいか、私個人としては少しやりすぎな印象がありましたが、許容範囲ではあるかと思います。ミラージュはペガサスナイトのクラスの「シーダ」。声優さんは早見沙織さんです。
赤城 斗馬 CV:小野友樹
樹とつばさのクラスメイト。特撮ヒーローに憧れる「フォルトナエンタテイメント」所属のミラージュマスター。樹たちよりはやくミラージュマスターに覚醒していて、イドラスフィアに迷い込んだ樹とつばさを助けることになります。現在はエキストラのバイトや、ヒーローショーに出演する程度ですが、いずれは特撮ヒーローになることを夢見ています。樹とは親友で、友人思いの熱くていい奴です。っていうかこの作品はいい奴ばっかのような気がしますね。ミラージュはソシアルナイトのクラスの「カイン」。声優さんは増田俊樹さんです。
黒乃 霧亜 CV:南條愛乃
「Kiria」という通称で若者から支持されているトップミュージシャン。5年前からミラージュマスターとして覚醒していて、樹たちの先輩で姉御的な存在。デビュー前は(デビューしてからも)つばさが彼女の大ファンなのですが、物語が進むと二人でデュオを組んだりして、専用のPVなどが準備されています。たびたび挿入されるこのPVがいちいちこっていって、つばさと霧亜が多めになっています。ミラージュはダークマージのクラスの「サーリャ」。声優さんは阿久津加菜さんです。
志摩崎 舞子 CV:小清水亜美
樹たちが所属する「フォルトナエンタテイメント」社長。5年前にチキに出会い、ミラージュに対抗すべく「フォルトナ」を設立した人。酒が好きで、抜目のない性格でもある。ミラージュマスターではありません。
チキ CV:諸星すみれ
この物語の世界で大ブレイク中の合成音声ボーカルソフト「ウタロイド・Tiki」のキービジュアルキャラ。なんだけど実は「クロム」たち同様にミラージュ。ただ他のメンバーとは違い、ミラージュマスターがいなくて、カルネージフォーム(イツキたちが戦う時の姿)にはなれません。そのかわり冒険の拠点である「ブルームパレス」の管理人をしていて、「ユニティ」を行なってくれます。
もちろん他にもメンバーは存在しますが、とりあえずは物語の冒頭に登場するキャラクターのみ紹介しました。
合体ではなくユニティ
『メガテン』の要素として代表的なものに悪魔合体があります。しかしこの『幻影異聞録♯FE』には悪魔は登場しません。この作品では敵と戦うと「パフォーマ」を落とします。そんな敵の落とす「パフォーマ」を集めることで、チキのいる「ブルームパレス」にて武器の作成やキャラクターを強化する「ユニティ」というのができます。まあ、合体ではありませんが合体みたいなものです。各キャラクターたちのミラージュは戦闘する際に武器「カルネージ」に姿を変えるのですが、それはクラスごとに種類が違います。「クロム」なら剣、「シーダ」や「カイン」は槍、「サーリャ」は杖など。この武器は攻撃力だけじゃなく、バトルでセッションなどしていると熟練度が上がっていきます。一定の熟練度まであがると「ジオ」や「アギ」といったスキルを覚えることができます。このスキルを全部覚えたら、また次の武器を作るといった感じで、スキルの覚え方は『真・女神転生3』のマガタマに似ています。そんな武器を「ユニティ」することを「カルネージユニティ」と呼ばれてます。あとは単純にキャラクターの能力を強化する「レディアントユニティ」というのがあります。つまりこの作品でのチキの役割は、『ペルソナ』でいう所のイゴールみたいな感じですね。
前回紹介した時にも伝えましたが、このゲームはプレイしている最中とクリアした時点では大きく印象が変わると思います。今回の記事と合わせてもし気になった人がいたら、食わず嫌いはやめてプレイしてみてはいかがでしょうか。
今回は以上です。
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