なぜかアニメ化されない人気作!『機動戦士クロスボーン・ガンダム』

サブカル

小説作品だった『機動戦士ガンダムUC』や『閃光のハサウェイ』がアニメ化される中、人気があるにも関わらずアニメ化されていないガンダム作品があります。その作品の名前は『機動戦士クロスボーンガンダム』。今回はこの作品を紹介します。



目次

機動戦士クロスボーン・ガンダム

『機動戦士クロスボーン・ガンダム』は1994年から1997年まで『月刊少年エース』に連載された漫画作品です。原作はあのガンダムの生みの親の富野由悠季監督。そして作画を長谷川裕一さんが担当しています。ガンダムにドクロマークを施したデザインにより、「イロモノ」とか二次創作作品の印象がある人もいるかもしれませんが、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』は『機動戦士ガンダムF91』の正統な続編となっています。
物語は『機動戦士ガンダムF91』の10年後の宇宙世紀0133年の話で、タイトルの通りこの作品は映画『機動戦士ガンダムF91』で主人公たちの敵として登場した「宇宙海賊クロスボーン・ヴァンガード」の物語で、『機動戦士ガンダムF91』の主人公であるシーブックとヒロインであるセシリーが名前を変えて登場します。そんでそれとは別に主人公が存在していて、出身者は何人か登場しましたが、ガンダムシリーズの本編ではそのエリアに関しては語られることのなかった木星圏を舞台とした物語となっています。ではまずはあらすじから。

ざっくりストーリー

宇宙世紀0133年、『機動戦士ガンダムF91』で描かれたコスモ・バビロニア建国戦争が終結して以降は大きな戦乱も無く平和な時代に、木星圏付近ではガンダムによく似たモビルスーツを利用して海賊行為を働く集団が出没していました。
そんなある日、地球圏のコロニー生まれの少年トビア・アロナクスは、惑星間航行船スマシオンに乗り、留学生として木星に向かっていました。トビアは途中で寄った、中継ステーションで追われている謎の少女ベルナデット・ブリエットと出会います。そしてそのタイミングでトビアたちがいる中継ステーションが噂になっていた宇宙海賊の襲撃を受けてしまいます。
宇宙海賊軍に防衛部隊が苦戦する中、トビアは残されていたモビルスーツに飛び乗り出撃しますが、海賊軍の髑髏と骨のレリーフを持つガンダムタイプのモビルスーツ(クロスボーン・ガンダムX1)の圧倒的な性能の前にあえなく撃破されてしまいます。撃破されながらも命拾いをしたトビアはスマシオン号へ戻るんですが、船内に隠されていた地球へ運搬中の大量の毒ガスを偶然発見してしまいます。それに気づいた木星工作員がトビアを追い詰め、絶体絶命になりますが、海賊軍パイロット、キンケドゥ・ナウにより救われることとなります。
宇宙海賊の正体とは、かつてコスモ・バビロニアの象徴とされたベラ・ロナ(セシリー・フェアチャイルド)が、木星帝国の地球侵攻の野望を阻止するために再びクロスボーン・バンガードを名のって結成した私兵部隊(宇宙海賊クロスボーン・バンガード)であり、トビアを助けた男キンケドゥの正体は、コスモ・バビロニア建国戦争でレジスタンスのパイロットとして多大な戦果を挙げたシーブック・アノーでした。彼らの口から真実を知ったトビアは、ベルナデットと共に海賊軍に合流し、木星帝国と戦う道を選ぶこととなります。



 

F91のその後

何度も伝えていますが、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』は『機動戦士ガンダムF91』の後の物語となっていて、テレビアニメの『機動戦士Vガンダム』の前にあたる作品となっています。主人公ではないものの、キンケドゥという名前でシーブックが登場し、クロスボーン・ガンダムX1に搭乗します。そして2号機となるクロスボーン・ガンダムX2には、これも『機動戦士ガンダムF91』に登場したクロスボーン・バンガードのエース、ザビーネ・シャルが搭乗します。そんでもって母艦である戦艦マザー・バンガードの艦長が『機動戦士ガンダムF91』のヒロインのベラ・ロナ(セシリー・フェアチャイルド)となっていて、もうかなり『F91』まみれになっていて、そんな「ガンダムF91」も量産化され、敵として登場したりもします。
前半は巻き込まれた形でヘボいモビルスーツに乗っている主人公のトビアも、物語後半に性能が向上したクロスボーン・ガンダムX3に乗り、物語も一気に盛り上がって行きます。
この作品が本来制作されるされるはずだった『機動戦士ガンダムF91』のテレビシリーズなのかどうかはわかりませんが、富野監督は漫画制作の際、アニメのプロット26話分に相当する原作を提供しています。生粋の宇宙世紀のガンダム作品なのです。
なお、本編はコミックで全6巻で完結しているのですが、その後、『機動戦士クロスボーン・ガンダム外伝』『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』『機動戦士クロスボーン・ガンダム X-11』と富野監督ではなく漫画を描いている長谷川裕一さんによるオリジナル作品がたくさん制作されています。

 

なぜかアニメ化されない

『機動戦士ガンダムUC』『閃光のハサウェイ』など小説がアニメ化は結構されているガンダム作品。漫画でも物語の一部とはいえ、初代ガンダムのキャラクターデザインを担当した安彦良和さんの『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』や太田垣康男さんによる『機動戦士ガンダム サンダーボルト』などがアニメ化されています。しかし、なぜか『機動戦士クロスボーン・ガンダム』はアニメ化していません。人気がないのかといえば、そんなことはなくアニメーション情報サイト「アニメ!アニメ!」の主催による読者アンケートでは、アニメ化を望む完結マンガ作品の第1位に何回も選ばれているほど人気です。
物語も面白く(個人差あり)、主役のガンダムもカッコいいし、後半主役機もしっかり登場するというシナリオになっていて、ガンダムのセオリーをしっかり描いているにも関わらずなぜかアニメ化しない作品となっています。一つ原因といいますか、あくまで想像なのですが、漫画の作画を担当している長谷川裕一さんの絵に関係があるような気がします。長谷川裕一さんの絵はガンダムファンの間でも賛否両論になっていて、人によっては好きじゃないという意見が結構あります。長谷川裕一さんは他にもたくさんのガンダム漫画を描いていて、結構ファンのツボをつくような物語や設定が多く、私は以前から読んでいたので特に違和感ないのですが、映像化した時に他のガンダム作品のキャラとしては、違和感はでてしまうと思います。ならばという事で登場人物を新規でデザインした場合、長谷川裕一さんのキャラがあまりにも浸透してしまい、それはそれで漫画のファンから批判が上がりそう。そのままアニメ化しても、新規でキャラデザインしてもおそらく批判がでるのではないか・・・というような予想がされているとかされていないとか言われています。

人気がある漫画作品なのになぜかにアニメ化されない『機動戦士クロスボーン・ガンダム』。興味を持った人はコミックを是非読んで見てください。

今回は以上です。

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