OVAの黎明期作品!有名な『メガゾーン23』ってどんな作品?前編

サブカル

古くからのアニメファンは、ことあるごとに名作の代表作として、この『メガゾーン23』の名を挙げ、よくこの名前を目にする事も多いのではないでしょうか。最近ですとクラウドファンディングによって『メガゾーン23XI(サイ)』と、『PART I』『PART II』のリメイクである『メガゾーン真-sin-(シン)』を制作する予定であることのも話題になりました。では、そんな『メガゾーン23』とはどんな作品だったのか。今回は、『メガゾーン23』についてご紹介します。



目次

OVAの黎明期のヒット作品

現在ではジャンルとして当たり前になっている(最近減った?)OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)。まだ“ビデオ”というものが、家庭に普及しきっていない1985年に、OVAとして発売されたのがこの『メガゾーン23』です。
当時、映画で大成功した『超時空要塞マクロス』のスタッフにより制作されました。作品は現代を舞台としながら(といっても当時なので1980年代)、ロボットアクション、美少女、アイドル歌手といった要素を盛り込み、テレビや映画ではできない割とタブーを扱う事により、ネットのない当時は、アニメ雑誌や口コミなどで作品の評価が上がっていき、約2万6千本のセールスというヒットを記録します。
この数字、大したことないと感じるかもしれませんが、当時のOVAなどのビデオソフトの価格は、1本¥13,800。なので売上は3億6千万にも上り、この結果をみたいろんな会社が後に続けと、OVAを続々と発売していきました。当時個人的な見解ではありますが、『メガゾーン23』のようなメカ+美少女というようなOVA作品がかなり出回りってういた気がします。
そして当時、まだ家庭にビデオデッキが普及しなかった事もあり、単館ではありますが、『メガゾーン23』は全3作中の3作品とも映画でも上映されました。今で言う、「宇宙戦艦ヤマト2199」や『機動戦士ガンダムUC』と、逆方式をとっていたんですね。

 

当時のOVAだから許された事〈ネタバレあり〉

物語も当時としてはかなり斬新な内容になっていて、テレビ放映などでは決して描けない物となっていました。舞台が当時の東京という事で、新宿のスタジオALTA青山通りのマクドナルド六本木のハードロックカフェなど、当時実在した店などが実名ででてきます。さらに主人公とヒロインのベッドシーンなどは、それまでのいわゆるロボットアニメには存在しませんでした。
そして主要人物が暗殺されてしまったり、ラストは主人公機が敵のライバルにメッタ打ちにされて、街をふらつきながらエンディングを迎えるという所謂バッドエンドなのも、OVAならではの結末だと言えます。物語の本質である、別宇宙船との戦争も始まらず、始まろうとしている所で物語は幕を閉じるため、当時、中学生だった私は衝撃を受けすぎでした。

 

そしてバーチャルアイドルの元祖

現在では当たり前のように人気のある『初音ミク』を代表とするバーチャルアイドルたちですが、この作品ではそういった概念の元祖を確立していました。これも物語の根幹に関わることなのですが、本作の物語内で大人気アイドル『時祭イヴ』というキャラクターがでてきます。この作品のテーマソングも彼女が歌っているのですが、主人公は物語後半で、彼女が実在しない架空の存在、CGによって作られたアイドルだという事を知るシーンがあります。CGなんて言葉も、バーチャルなんて言葉も誰もしらない時代でしたから、あの時代にこういった概念を描いた事がすごすぎます。

 

1作目にはいろいろな見所があります

特に1作目に関しては、いろいろな見所もあります。もちろん、物語も面白いし、主役機“ガーランド”もかっこいいんですが、よーく見るとルパン三世が映っていたり、イクサー1が映っていたり、仮面ライダーがバイク事故おこしてたりと、隠れ遊び要素もかなり作品内に散りばめられています。そして声優さんたちにも特徴があります。主人公の矢作省吾役は久保田雅人さん。後のNHKの『つくってあそぼ』において、ワクワクさんです。ヒロイン高中由唯は、メカニックデザイナーで漫画家の永野護さんの奥さん、川村万梨阿さん。そして最初に出てきてすぐ殺されてしまうチョイ役で省吾の友達、中川真二役があの山ちゃんこと山寺宏一さんのデビュー作だったりします。もっと言っちゃうと、3作目となる『MEGAZONE23 III』の時祭イヴ役はあの大女優、高岡早紀さんだったりするのです。

 

3作品ともキャラクターデザインが違う

すべて一応続編として制作されている『メガゾーン23』シリーズですが、3作品ともキャラクターデザインが違うため、パッと見、同じシリーズの作品には見えないのも特徴。特に顕著なのが1作目と2作目のキャラクターの違いで、主人公の矢作省吾、ヒロイン高中由唯はそのまま登場しますが、顔が全然違います。省吾に限っては声優さんも変わってしまっています。もちろん、見始めればどうでも良くはなるのですが、当時はかなり戸惑いました。上の画像は左がPart1の高中由唯、右がPart2の高中由唯です。同一人物です!ちなみに3作目に関しては、登場人物が入れ替わるのでそんなに気になりませんでした。

と、ここまでが『メガゾーン23』について、一体どんな作品だったのかということをご紹介しました。気になる人は、次の記事でその魅力的なストーリーについて、ご紹介していきます。

OVAの黎明期作品!有名な『メガゾーン23』ってどんな作品?後編
前回の記事では、『メガゾーン23』っていったいどんな作品だったのか、 というのを説明してまいりました。 今回は前回で説明できなかった3作品それぞれの内容について説明します。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle...

 

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