前回、『CUBE』のようなゲーム『極限脱出 9時間9人9の扉』の紹介!という記事で『極限脱出 9時間9人9の扉』というゲームを紹介しましたが、今回はその続編でダブルパックで一緒に購入できる『極限脱出ADV 善人シボウデス』について紹介します。
目次
『極限脱出ADV 善人シボウデス』
プレイした人はほぼみんなが面白いと思うゲームだと個人的に思っている『極限脱出 9時間9人9の扉』。でも知人にそのタイトルを伝えても、まるで知らないという人が多くて驚きました。前回の記事でその魅力をお伝えしましたが、今回はその続編で2作目となる『極限脱出ADV 善人シボウデス』について。『極限脱出ADV 善人シボウデス』は2012年にチュンソフトよりNintendo 3DSとPlayStation Vita用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲームです。極限脱出シリーズの2作目となる作品。現在では、1作目の『極限脱出 9時間9人9の扉』と1つになった『ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉 善人シボウデス ダブルパック』として2017年にPS4とPS Vita版とPC版が発売されています。現在の環境的にはPS4版がプレイしやすいと思います。私は通勤などでPS Vita版にてプレイしました。前作と同様に謎の多いアドベンチャーパートを進めながら、扉の先にある脱出ゲームをクリアして先に進むといった構成になています。前作は進む扉の選択で物語が分岐しましたが、今作はさらにそこにアンビデックス・ゲーム(ABゲーム)という要素も加えられ、そこでも分岐するようになっています。相変わらず脱出ゲームの難易度がちょうど良く、そして前作のあのラストから、また新しい物語の展開を見せ、最後まで非常に楽しめました。前作と合わせて名作だと思うので、やはりセットになっている『ダブルパック』をお勧めします。ちなみに前作をプレイしていなくても、物語的に置いてけぼりになることはありません。主人公とヒロインも違っています。前作で起こった事件はそれなりに説明もしてくれます。でも!前作もプレイすることを強くお勧めします。面白さが倍増しますので。
基本的なゲームの流れ
今回も前作と同じように登場人物たちは拉致をされ、腕にバングルをされ、閉じ込められた状態からスタートとなります。物語の舞台となる施設内をいろいろな選択肢を選びながら物語を進めていきます。まず前回にもあったバングルですが、前回のように「数字根」を使用したものではなく、単純に点数になっていて、スタート時は全員「3」からスタートし、この数字が「9」になったら、施設から脱出できるというもの。数字には色がついていて、進むべく扉の色に入れるのは、他のメンバーとの色の組み合わせで進む扉を決めていく感じです。扉を選ぶという意味では前作と同じです。しかし、今作はここからが本番。一緒に扉を通過した後、行き先の脱出ゲームで、アンビデックス・ゲーム(ABゲーム)という別のゲームのいわゆる参加券みたいなものが手に入るのですが、このABゲームは一緒に扉を通った人との対戦となる仕組みになっています。じゃあ、このABゲームは何をやるかというと、「投票」をするゲーム。その「投票」とは「協力」か「裏切り」の2択です。対戦するお互いが「協力」を選べばバングルの数字に+2点されます。お互いが「裏切り」を選ぶとお互い0点。しかし、片方が「協力」を選び、片方が「裏切り」を選んだ場合、「協力」を選んだ人は-2点、「裏切り」を選んだ人は+3点となります。本来ならみんなで「協力」を選べばみんなで脱出できるんですが、もし相手に「裏切り」を選ばられると自分の数字がマイナスになります。そしてこのゲームは数字が0になると殺されてしまうというものとなっています。扉の選択に加え、この「協力」か「裏切り」でも物語が大きく変化します。ストーリー進行上「裏切り」を選ばざるをえない場面とかで、相手にがっかりされたり、キレられたりしますので、なかなか精神的にも来るゲームとなっています。
ざっくりストーリー
主人公の男子大学生シグマは、何者かによって謎の施設に拉致され監禁されてしまいます。シグマが目を覚ますと、そこにはファイという名の謎の少女がいました。二人が閉じ込められたいた場所は、エレベーターのような部屋。2人で協力しながらエレベーターのような部屋を脱出すると、それはエレベーターではなく、コンテナのような部屋でした。部屋の外に倉庫のようになっていて、同じようにエレベーターのような部屋から、シグマやファイ以外に、7人の男女がいました。彼らも同様に施設に閉じ込められたとのこと。そこへモニターの中に謎のウサギ「ゼロ3世」が現れ、ここから脱出するには「ノナリーゲーム・アンビデックスエディション」を行わなければいけないことを告げます。それぞれの腕にはバングルがつけられていて、バングルにはデジタル数字の「3」が表記されていました。「ゼロ3世」はその数字が「9」になればこの施設から脱出できるといいます。この数字バングルポイント「BP」を増やすには、脱出ゲームをクリアした後、一緒に脱出ゲームを挑んだ者とアンビデックス・ゲーム(ABゲーム)を行うことで増やせると言います(ABゲームの内容は長くなるので、前述参照)。そしてバングルは色で別れていて、さらに2人1組のペアと、1人だけのソロの2種類に分かれます。ペアは脱出ゲームもABゲームも同じチームとされます。同じ部屋で目を覚ましたシグマとファイはペアでした。その後、ソロの人間と一緒に協力しながら、シグマとファイは脱出ゲームをクリアします。そしてシグマがABゲームで「協力」に投票しようとした時、ファイは「裏切り」を選べと言います。なぜかと問うシグマにファイは、「BPが0になったら、殺される」と告げ、シグマは選択を迷うことになります。
最後までプレイすると印象が変わる
まず、この『善人シボウデス』というタイトルは、あまり本編と関係ないですね。善人ってABゲームで「協力」を選ぶ人なのでしょうか・・・。前作のようにラスト付近でそれまでの物語の見方がまるで変わる展開は今回もありますが、このタイトルはあんま関係ないですね。他のタイトルの方が良かった気がします。この作品は前作のキャラクターも登場します。詳細は触れませんが、一応メインメンバーでは「四葉」が続投しています。他のメンバーは、サーカスの団員のような派手なファッションの男「ディオ」、頑固オヤジそのものの老人の「天明寺」、天明寺に「じっちゃん」と懐いている少年の「クォーク」、清楚で純粋な性格の女性の「ルナ」、四葉と顔見知りなクレオパトラのような格好をした女性「アリス」、記憶喪失でロボットのような金属製の仮面とボディースーツに身を包んでいる謎の男「K」、そして今作の中心人物となる「シグマ」と「ファイ」の9人で物語を進行させていきます。前作の流れからか、脱出と選択を繰り返し物語の真相に近づいていくのですが、前作のメインとなった「形態形成場」の概念も登場するはするのですが、今作はまた違った概念で物語をまとめていきます。そしてその違った概念からそれまでただ進めてきた物語やバッドエンドなどにも意味があったことが判明します。詳細は書けませんが、映画やアニメにはできないゲームならではの演出となっています。
前作同様とにかくおすすめな作品。というか前作とセットでおすすめな作品です。今作から人物がCGで描かれるようになって、今見ると少し辛いかもしれませんが、気になるのはそれくらいで、フローチャートからジャンプできたり、既読のシナリオをスキップできたりと、親切仕様も同じ。RPGやアクションゲームに飽きた人は、ぜひプレイしてみてください。
今回は以上です。
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