盗作?コピー?『剣と魔法と学園モノ。』という問題作についての紹介

サブカル

株式会社アクワイアが、本格3Dダンジョン学園RPG『剣と魔法と学園モノ。2』のリマスター版を発売すると発表しました。今回はリマスターされる『2』ではなく、その前作となる『剣と魔法と学園モノ。』についてのお話です。



剣と魔法と学園モノ。

『剣と魔法と学園モノ。』は2008年に株式会社アクワイアより発売されたPlayStation Portable(PSP)用の3DダンジョンRPGです。ファンの間では「ととモノ。」という愛称で呼ばれ、基本システムは『ウィザードリィ』シリーズを意識したものになっていて、『ウィザードリィ』でいう所の冒険者を「生徒」、職業を「学科」と呼ぶなど学園物を強く意識した名前に変更されています。キャラクターグラフィックがいわゆる「萌え」系のデザインであることなどから、ややヘビーユーザー向けな印象のある『ウィザードリィ』に比べライトユーザー向けの作品となっています。本格的なダンジョンRPGとそのキャラクターのギャップなどの影響でそれなりに売れたらしく、今回リマスター化が発表された続編となる『剣と魔法と学園モノ。2』以降シリーズ化していった作品です。そしてその『剣と魔法と学園モノ。』問題点について触れる前に、もう一つ別のゲームを紹介します。

 

 

ウィザードリィエクス2 ~無限の学徒~

このゲームのタイトルを見た人は、「ああ、あの話ね」って思う人もいるかもしれません。まあ、とりあえず、『ウィザードリィエクス2 ~無限の学徒~』ついて紹介します。『ウィザードリィエクス2 ~無限の学徒~』も3DダンジョンRPGで、『ウィザードリィ』の名前がついた作品。『剣と魔法と学園モノ。』より少し前の2006年3月にマイケルソフトという会社からPlayStation2で発売されたソフトです。この1作目となった『ウィザードリィエクス ~前線の学府~』が商業的に成功したことにより、続編としてこの2作目が制作されました。この作品も『剣と魔法と学園モノ。』と同じように『ウィザードリィ』のシステムに学園ものを強く意識した作品となってます。つまり『剣と魔法と学園モノ。』より前に『ウィザードリィ』と学園物を合わせたことになります。
この作品、低予算で制作された1作目からさらに製作費が削られ、開発環境は悪化する中、マイケルソフト上層部は未完成のまま発売することを決断しましたが、開発していた「チームムラマサ」の面々は「欠陥商品を世に出したくない」とこれを拒否し、後半は無給で開発を続けたという逸話があります。このことについては、当時のホームページのWebアーカイブはこちらか見ることができます。このことがきっかけで「チームムラマサ」はこの『ウィザードリィエクス2 ~無限の学徒~』製作後マイケルソフトを離脱してしまいました。



 

『剣と魔法と学園モノ。』盗作発覚

そして話はもう一度『剣と魔法と学園モノ。』に戻ります。上記の『ウィザードリィエクス2 ~無限の学徒~』発売後、発売元であるマイケルソフトは倒産しました。その後しばらくして、携帯ゲーム機のPSPで『剣と魔法と学園モノ。』が発売されます。この頃、ニンテンドーDSでアトラスが発売した『世界樹の迷宮』が大ヒットしていました。『世界樹の迷宮』も3DダンジョンRPGで、かわいいキャラクターイラストに反して難易度が高く、そのギャップで人気を博しました。そうです。冒頭で『剣と魔法と学園モノ。』の説明したのと同じコンセプトです。この『世界樹の迷宮』が人気の中、同じコンセプトで『剣と魔法と学園モノ。』は発売されました。それくらいなら別に問題ではないのですが、この『剣と魔法と学園モノ。』が盗作であったことが判明します。正確には前述で説明した『ウィザードリィエクス2』の完全なソースコード流用作品でした。作りが同じのダンジョン、ほとんど同じキャラクターの発言、ほとんど同じクエストなど、ガワを変えただけの代物という事実が判明し、コピー元にはなかったバグや長いロード時間、不親切なUI、世界観がペラッペラなど、何故か劣化しているということまで判明しました。
この事は当時かなり話題となりましたが、今ほどSNSも普及しきっていなかったので、実はしらない人も多いかもしれません。ただ、これは1作目のみの話で、今回リマスターとなる2作目の『剣と魔法と学園モノ。2』は完全に最初から制作されたようです。

 

一方、その後のチームムラマサは

低予算でも、その環境の中でもできるだけ良い作品を作る苦しみを味わい、その後、そのゲームのソースコードを勝手に使用されてしまった、あまりにも悲惨な「チームムラマサ」はその後独立して別会社「エクスペリエンス」を立ち上げます。そしてパソコンのゲームを中心に3DダンジョンRPGを制作し続けました。その後だんだんとコンシューマー機でもゲームを発売するようになり、2013年にPlayStation Vitaで発売した『デモンゲイズ』が20万本の大ヒットとなります。『死印』などといったホラーアドベンチャーなどジャンルの違うゲームも発売していきました。もちろん現在も3DダンジョンRPGの『黄泉ヲ裂ク華』など新作を発表し続けています。
私は個人的に3DダンジョンRPGが大好き。特に2001年にアトラスからPlayStation2で発売された『BUSIN』が今でもプレイするほど大好きです。しかし、『BUSIN』は続編どころか移植もされません。そんな中、「チームムラマサ」は3DダンジョンRPGを発売し続けてくれています。『ウィザードリィエクス2 ~無限の学徒~』の件を知ってからさらに応援するようになりました。本当に良かった!チームラ!

今回リマスター版が発表されたことにより思い出してしまった『剣と魔法と学園モノ。』の問題。しつこいようですが、『剣と魔法と学園モノ。2』は盗作ではないのでリマスター版であってもそんなの気にせずプレイできます。

今回は以上です。

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